自分でチェーン交換できる様になると、浮いた工賃を補給食代などに使えますよね。
ショップにチェーン交換を依頼してもいいですが、自分で交換できる様になると道具さえ揃えてしまえば、次からはチェーンの購入費用だけで済みます。
チェーン交換しないとチェーンが切れて自走不能になる
チェーンを交換する事で変速性能を維持できる
チェーンの交換手順を、写真を用いて公開
初めてのチェーン交換に挑戦しようとしている人。
初めてチェーン交換をする人が交換手順を理解しやすい様に、写真を用いた分かりやすい内容にしました。
それでは、どうぞ。
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目次
ピンが摩耗するとチェーンが伸びる
金属同士を擦り続けていくと、徐々に金属が削れていきます。
チェーンも金属ですので、走っている内にピンとブッシュとの摺動部が擦れて摩耗していきます。
チェーンルブを塗布する前工程で、パーツクリーナーをチェーンに吹き付けて脱脂すると黒汁がチェーンから垂れ落ちてきますが、その黒汁はピンとブッシュが摩耗して金属粉になり油に混じるからです。
パーツクリーナーを吹き付けると、摩耗した金属粉が黒汁として下に垂れ落ちます。
ですので、黒汁が垂れ落ちた分だけチェーンのピンとブッシュが摩耗している事になります。
そして、チェーンのピンとブッシュが摩耗していくと、摩耗した分だけチェーンを引っ張った時にチェーンが長くなります。
最終にはピンが折れてチェーンが切れる
チェーンを交換せずに走り続けていると、すり減ったピンがさらに細くなっていき、最後にはライダーの脚力でピンが折れる事でチェーンが切れてしまいます。
実際、チェーンに負荷が強く掛かるヒルクライムレースで、チェーンが切れてリタイヤしている人を見かけました。
また、チェーンが切れる寸前になる程使い続けていると、チェーンが伸びすぎてチェーンと歯のかみ合いのズレが大きくなり、スプロケット側の歯数が多いと歯1個分乗り越えてチェーンがコマ飛びします。
チェーンを交換すると変速性能が上がる
消耗したチェーンを新品のチェーンに交換すると、チェーンのピンとブッシュとのクリアランス(隙間)が小さくなる事で、チェーンが曲がりにくくなります。
寿命が近くなったチェーンはリンク内部の隙間が大きくなりますので、チェーンが曲がりやすくなる為、変速性能が落ちます。
新品のチェーンはリンク内部の隙間が設計通りですので、チェーンの曲がりも適切になる為、本来の変速性能に戻ります。
チェーンが曲がりにくくなりますと、ガイドプーリーで横方向に押された力が逃げにくく、チェーンが隣のスプロケットに乗り上げられやすくなる事で、変速がスパスパ決まる様になります。
定期的に交換する事で変速性能を維持できます。
用意する物
チェーン交換で必要な物は、「チェーン」「チェーンカッター」「ゴム手袋」です。
ゴム手袋をして作業すると手が汚れませんので、お勧めです。
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チェーン交換手順
まずはチェーンの状態を確認しましょう。
チェーンチェッカーでチェーンの伸びを確認した所、チェーンが0.75%のゲージにはまりました。
1.0%のゲージには入りませんでしたので直ちにチェーンが切れる事はありませんが、交換しておいた方がいいでしょう。
手順1 チェーンを切断する
床を汚さない為に、新聞紙を敷きましょう。
コネクティングピンで連結されている部分を切断しますと、作業がスムースに進みます。
チェーンカッターでチェーンを切断しましょう。
チェーンカッターを回す時はチェーンカッターの矢が斜めに入らない様に注意しましょう。
チェーンカッターの矢が斜めに入ると、矢が折れます。
チェーンカッターのハンドルを回してチェーンが切断できましたら、チェーンをインナーチェーンリングより内側に落としましょう。
内側にチェーンを落とす事で、チェーンを外した時に勢いよくチェーンがディレイラーに引っ張られなくなります。
チェーンを切断して自転車から外しましたら、チェーンが邪魔で掃除しづらかったディレイラープーリーを掃除すると良いです。
手順2 新品のチェーンの長さを揃える
本来でしたらアウタートップにした状態でガイドプーリーとテンションプーリーが垂直になる様な長さ(28T以上の場合+2リンク追加)にする必要がありますが、難しい事をしなくても現状のチェーンリンク数に合わせてしまえば確実で問題ありません。
取り外したチェーンと新品のチェーンを並べますと、新品のチェーンが古いチェーンより長いですので、長い部分を切断してチェーンのリンク数を同じにします。
取り外したチェーンは新品のチェーンより伸びていますので、同じリンク数でも長さが違います。
長さではなく、リンク数で合わせる事!
リンク数を間違えると、チェーンを取り付けた時に自転車の歯組構成と合わなくなります。
手順3 チェーンを取り付ける
チェーンリングにチェーンを乗せずに弛ませると作業が捗ります。
チェーンを通す部分に注意しましょう。
シマノの場合、10速後期型のチェーンと11速のチェーンには表裏があります。
表裏を間違えると変速性能が落ちますので、アウタープレートに肉抜きされていない面を外側にしましょう。
チェーンに付属されている説明書にも記載されていますが、
チェーンの弛み側(チェーンリング側)を外リンク
チェーンの張り側(ディレイラー側)を内リンク
にしましょう。
チェーンがより強固に連結できる様です。
コネクティングピンを押し込む時は、チェーンリングに乗せてチェーンを張る事で、連結作業がしやすくなります。
チェーンカッターで、チェーンとコネクティングピンを挟み込みます。
チェーンカッターで上の写真の部分まで押し込みますと、「パコッ」とはまり込む感触がチェーンカッターのハンドルから手に伝わります。
押し込み過ぎに注意しましょう。
押し込みが完了しますと、上の写真の様になります。
チェーンカッターでコネクティングピンを押し込む時は、チェーンカッターの矢が真っ直ぐに入っていく事を確認しながら作業しましょう。
チェーンカッターの矢が、コネクティングピンに対して斜めに押し押し込まれますと、コネクティングピンが折れます。
内側に飛び出ているコネクティングピンの末端。
コネクティングピンの末端をチェーンカッターの穴に入れて、コネクティングピンの末端を折ります。
コネクティングピンの末端を折った後は、連結した部分が滑らかに動くか、手で連結部分を曲げてみて確認しましょう。
もし連結部分が曲がりにくい場合は、コネクティングピンの反対側から少しだけチェーンカッターで押して連結部分が滑らかに動く様に調整しましょう。
お疲れ様でした。
チェーンを交換しましたら、チェーンルブを塗布しましょう。
なお、チェーン自体に最初から油が塗られていますので、そのまま走ってもただちに油膜切れになる事はありませんが、油膜の持ちが悪い事が考えらえます。
チェーン交換の効果について
データが少なく比較不能
データが多数あればデータの平均値で比較できますが、チェーンの寿命になるタイミングがシーズンオフだった為、チェーン交換直後の実走データが収集できませんでした。
1個だけシーズン中にチェーン交換をしましたが、1個だけではデータの振れ幅が大きく参考になりませんので、チェーン交換のデータ比較はしません。
体感できる程の駆動効率改善効果はない
チェーン注油の効果と同じ程度の改善は期待できると思いますが、チェーン交換では体感できる程の差はありませんでした。
理由はチェーンのピンとブッシュが摩耗していても潤滑できていれば滑り具合は同じだと考えられるからです。
変化するとしたら、チェーンルブを塗布した為、摩擦抵抗が減った事が原因だと考えられます。
変速がスパスパ決まる
新品のチェーンに交換する事で、交換前より明らかに変速性能が向上する事が体感できました。
チェーン交換前はシフトレバーを操作してから変速が完了するまで、もっさりしていましたが、チェーン交換後は変速がスパスパ決まる様になります。
ですので、チェーンは定期的に交換しましょう。
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