メンテナンス

【手順】見て分かる! チェーン注油で駆動効率アップ

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あなた
あなた
走っているとチェーンから「チャリチャリ」と音が鳴り出した

ママチャリから、金属が擦れる様な音が聞こえてきます。

その原因は、チェーンに注油していないからです。

せっかくペダルに加えた力も、無駄になっていると思うと気持ちよく走れませんよね

記事のポイント

チェーンのエネルギーロスは無視できない程大きい
チェーンルブの種類によって性能と注油頻度が変わる
チェーンのクリーニングから注油までの手順を、写真を用いて公開
注油前と注油後の走行データを検証

サイシスト
サイシスト
この記事は以下の様な人におすすめ!
スポーツサイクルを買って、初めてのチェーン注油をしようとしている人。

スポーツサイクルを始めたばかりの人が、自分でチェーンに注油して良い状態で走れる様に、写真を用い分かりやすく注油の手順を理解できる内容にしました。

それでは、どうぞ。



チェーンのエネルギーロスは大きい

出典:Chain Lube Efficiency Tests

脚から加えた力は「ペダル」→「ボトムブラケット」→「チェーンリング」→「チェーン」→「スプロケット」→「ハブ」の順番で伝達されます。

その内、「ペダル」「ボトムブラケット」「ハブ」は転がり軸受(ベアリング)で軸を受けています。

一方、「チェーンリング」「チェーン」「スプロケット」は摩擦で擦れあい、「チェーン」は滑り軸受の集合体です。

転がり軸受(ベアリング)の抵抗滑り軸受の抵抗の1/100ですので、ほとんどエネルギーロスがありません

ですが、滑り軸受の集合体である「チェーン」は転がり軸受(ベアリング)の100倍の抵抗がありますので、エネルギーロスが無視できない程大きく、250wで走行している場合で4.7w~7.8w(割合では1.88%~3.12%)がチェーンの摩擦により消失されます。

もちろん、チェーンが汚れて油膜切れを起こした場合は7.8w以上エネルギーが損失されます

各種チェーンルブの特徴

チェーンルブには大きく分けて「ドライ」「ウェット」「ワックス」の3タイプがあります。

ドライタイプの特徴浸透性が高く油の粘性が低い為チェーンがべとつきにくいですので走行後チェーンが汚れにくいです。

デメリット雨に弱く油膜の持ちが悪い為、僕の場合ではドライタイプを使うと毎回のライドごとに注油しなくてはならず、メンテナンスの頻度が多くなります

ウェットタイプの特徴は、油の粘性が高い油膜の持ちが良く雨に強い事です。

デメリットは、油の粘性が高いですのでチェーンに汚れが付着しやすく、ドライタイプよりチェーンの抵抗が大きいです。

ワックスタイプの特徴チェーンが非常に汚れにくく駆動抵抗も一番小さい事です。

デメリットは、油膜の持ちがドライタイプよりさらに悪く雨に一番弱いです。

種類 駆動効率 耐久力 浸透性 粘度
ドライ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★★★ ★☆☆☆☆
ウェット ★★☆☆☆ ★★★★★ ★★★☆☆ ★★★☆☆
ワックス ★★★★★ ★★☆☆☆ ★★★★★ ★☆☆☆☆

ドライタイプは、晴天で200km程度のロングライドイベントや練習にお勧めです。

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ウェットタイプは、600km程度を走るブルベ600や注油メンテナンスの頻度を減らしたい人向けにお勧めです。

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ワックスタイプは、晴天時の100km程度のサイクルイベントやレースにお勧めです。

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僕が愛用しているチェーンルブです。

まだ試していませんが、摩擦抵抗が小さいワックス系チェーンルブです。

2021年7月追記
ホームのヒルクライムコースで使用しました。
塗布して200km走りましたが、油膜切れはありませんでしたので、雨さえ降らなければロングライドイベントにも使えます。

用意する物

チェーン注油で必要な物は、「チェーンルブ」「パーツクリーナー」「ウエス」「バット」「新聞紙」「ティッシュ」「ゴム手袋」です。

ゴム手袋をして作業すると手が汚れませんので、お勧めです。

僕はチェーン注油のついでにチェーンの伸び具合を確認していますので、「チェーンチェッカー」も使っています。

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チェーンチェッカーがチェーンのコマに入らなければ問題ありません

チェーンチェッカーがチェーンのコマに入った場合は、チェーンの寿命です

チェーンは走っている内にピンとブッシュの摺動部が擦れて摩耗していきます。

そのまま放置して走り続けると、すり減ったピンがさらに細くなっていき、最後にはライダーの脚力でピンが折れる事でチェーンが切れてしまいます

定期的にチェーンチェッカーで点検をして、寿命が来たチェーンは早めに交換しましょう

チェーン注油手順

 

手順1 チェーンの下に廃液を受ける準備をする

バットをチェーンの下に置きます。

新聞紙ティッシュペーパーをバットの上に敷きます。

 

手順2 パーツクリーナーで油を落としてウエスでふき取る

チェーンにパーツクリーナーを吹き付けます

パーツクリーナーを吹き付けると、チェーンに付いた汚れが下に垂れてきます

最後に、吹き付けた部分をウエスでふき取り、チェーンをきれいにします。

この作業をチェーン1周分しましたら、チェーンルブを塗布する準備ができました。

 

手順3 チェーンルブを塗布する

チェーンルブをチェーンに塗布する前に、よく容器を振りましょう

チェーンルブを1リンク1滴づつ丁寧に滴下します

面倒だからと言って、チェーンを回しながらチェーンルブをチェーンに流し込むと、チェーンに浸透する前に油が飛び散ってしまいます

また、不要な部分にまで油が付いてしまいますので、チェーンに汚れが付着しやすくなります。

サイシスト
サイシスト
これでチェーン注油は終了しました。
お疲れ様でした。

チェーン注油の効果を検証

チェーン注油と注油のデータを各10個づつ集めて比較しました

コースは平坦路と峠を含む走行距離125kmです。

計測タイムは信号待ちを含みます。

パワー値はパワータップの性質上、チェーンでパワーロスされた後の値を計測していますので、本記事の検証では使用できません。

チェーン注油前 チェーン注油後
データ取得日 タイム 平均速度 データ取得日 タイム 平均速度
2017/4/2 4:57:40 25.0 2017/4/15 4:54:59 25.2
2018/11/10 4:34:57 26.9 2018/11/18 4:25:34 27.9
2019/4/21 4:40:25 26.4 2019/5/19 4:31:01 27.3
2019/11/3 4:30:18 27.4 2019/11/9 4:44:16 26.0
2019/11/23 4:28:15 27.6 2019/12/1 4:33:39 27.0
2020/4/5 4:56:58 24.9 2020/4/11 4:42:49 26.2
2020/4/29 4:43:35 26.1 2020/5/3 4:30:18 27.3
2020/9/22 4:46:42 26.1 2020/9/26 4:27:28 27.1
2020/10/10 4:47:33 25.7 2020/10/18 4:43:49 25.9
2020/11/1 5:07:04 24.1 2020/11/3 5:01:29 24.6
平均 4:45:21 26.0 平均 4:39:32 26.4

その結果、10個の平均値はチェーン注油前「4時間45分21秒」、チェーン注油後「4時間39分32秒」で、チェーン注油後の方が5分38秒速く走れました

割合は2%速くなりましたが、体感できる程の差はありませんでした

ただし、レースでの2%は大きく、1時間走ると72秒の差になりますので、チェーン注油の効果は無視できません

ですので、ロングライドやレース前にはチェーンをきれいにして注油しましょう