一般的な重量のプチルチューブと軽量なラテックスチューブの転がり抵抗データを取って検証しましたら、35km/hで走行する場合ラテックスチューブの方がプチルチューブに対して8ワット程度転がり抵抗が減りました。
ラテックスチューブの方が路面抵抗は小さい事が分かる。
プチルチューブを装着してレースに出走している人。
一般的にラテックスチューブの方が転がり抵抗は小さくなると言われています。
ですが、本当にラテックスチューブの方が路面抵抗は小さくなるのでしょうか?
そこで本記事では、ラテックスチューブとプチルチューブの走行データを検証し、転がり抵抗がどれほど違うかについて取り上げます。
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目次
本記事の要約
ラテックスチューブを使用すると転がり抵抗が小さくなります。
ラテックスチューブの方が抵抗は小さい
37km/hまで加速した後、脚を止めて32km/hまで惰性走行して取得したデータを基に計算した所、下記の結果になりました。
転がり抵抗の算出方法は下記リンク先に記載しています。
ラテックス | プチル | 効果 | |
7.5bar | 15.8w | 30.4w | 14.6w |
7.0bar | 18.8w | 24.0w | 5.2w |
6.5bar | 18.6w | 29.8w | 11.2w |
平均 | 17.7w | 28.1w | 10.4w |
タイヤはコンチネンタル グランプリ5000 700×23C を使用。
ただし、ラテックスチューブはプチルチューブよりしなやかですので、プチルチューブよりもう少し空気圧を高くした方が転がり抵抗が減ります。
そこで、ラテックスチューブを適正空気圧より0.5bar高くしたデータで比較しますと、プチルチューブより8.2w転がり抵抗が減っていました。
チューブ | ラテックス | プチル |
空気圧 | 7.5bar | 7.0bar |
転がり抵抗 | 15.8w | 24.0w |
各空気圧から転がり抵抗を検証
3.5barから8.0barまで0.5bar間隔でタイヤの空気圧を調整した各10通りデータを収集しました。
グラフ化したデータから考察した所、6.0barまではラテックスチューブの方が転がり抵抗が小さい結果になりました。
ちなみに、5.5bar以下の空気圧ではプチルチューブもラテックスチューブも差がありませんでした。
メリットとデメリット
ラテックスチューブを使用すると転がり抵抗が小さくなる事が分かりましたが、メリットもあればデメリットもあります。
転がり抵抗が小さくなる。
タイヤから伝わる振動が小さく乗り心地が良い。
異物が刺さりにくくパンクに強い。
チューブ重量が軽い。
空気が抜けやすく出発前に空気を入れる必要がある。
熱に弱くカーボンホイールに使用できない。
価格が高い。
ラテックスチューブはしなやかですので、振動吸収性も高く乗り心地が良いです。
また、チューブ重量が軽い割に耐パンク性能も高いです。
ですが、空気抜けが大きく出発前に空気を入れる必要があります。
そしてCO2インフレーターと相性が悪く、空気を入れても1時間程度で空気が抜けて走行できなくなります。
ですので、CO2インフレーターを携行する場合はプチルチューブを携行するか、携帯ポンプで空気を入れましょう。
ラテックスチューブは熱に弱いですので、リムブレーキ仕様のカーボンホイールには使用できません。
アルミホイールでも暑い日に自転車を停めた場合、タイヤが直射日光にあたるとチューブの温度が高くなる事でいきなりパンクします。
走行中はタイヤやリムが走行風で冷まされますので気にしなくて良いですが、ヒルクライム後の下りでは時々停車してリムを冷まさないとブレーキ時の摩擦熱でリムが熱くなり、下りでいきなりパンクして非常に危険です。
熱問題を気にする場合はTPUチューブを使用しますと、プチルチューブと同じ感覚でカーボンホイールにも使用できます。
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今回の転がり抵抗検証テストで使用しました。
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ラテックスチューブより軽くて、特性も近い性能があります。
まとめ
ラテックスチューブを使用すると転がり抵抗が小さくなる。
また、異物が刺さりにくく、耐パンク性能が高い。
ただし、熱に弱くリムブレーキ仕様のカーボンホイールには使用できない。
空気抜けが激しいので、出発前に空気を入れる必要がある。
ラテックスチューブを使い、脚を温存してレースの展開に付いていきましょう。
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