価格だけで判断するとアルミフレームを使ったロードバイクは安いですよね。
アルミフレームは経年劣化でひび割れが入ったり剛性が落ちたりする
10年10万キロ走った結果、特に問題ない
アルミフレームの特徴を知りたい人
アルミフレームのメリットとデメリットについて分かる内容にしました。
この記事を読んで、アルミフレームの特徴を理解しましょう。
それでは、どうぞ。
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目次
本記事の要約
アルミフレームは安い割に軽量で、転倒してもフレームが割れにくく剛性がありますので良く進み、腐食や紫外線に強いですが、経年劣化でひび割れが入り剛性も落ちます。
実際に僕がアルミロードバイクに乗り続けた所、10年10万キロ走ってもひび割れが発生しておらず、距離を走ってもホビーライダー程度の脚力では記録に差がありませんでした。
アルミフレームのメリット
クロモリフレームが廃れた理由
1990年以前はクロモリフレームが主流の時代でした。
ですが、1990年以降にアルミフレームが市場に登場し始めてから、フレーム材質の主流が変わりました。
アルミ加工技術と量産技術が発展していくと、メーカーはアルミフレームを量産してコストダウンに成功し、クロモリフレームより軽くて安いアルミフレームがエントリークラスの自転車でも主流になっていきました。
一方、クロモリフレームは現在では一部のフレームビルダーが製作していますので、量産品のアルミフレームと比べますと製造コストが掛かってしまいますので、受注生産のクロモリフレームは既製品のカーボンフレーム並みの価格になっています。
ちなみに現在では、クロモリフレームもダブルバテッドやトリプルバデッドのパイプを採用したり、カーボンで補強した構造にしたりする事で、ハイエンドクロモリフレームはアルミフレームと同等の重量に軽量化されています。
アルミフレームは割れにくい
カーボンフレームは走行中に路面から伝わる衝撃や振動には強いですが、パイプの側面から加わる衝撃には弱く、カーボンフレームが割れてしまいます。
アルミフレームは走行中に路面から伝わる衝撃や振動に強い上に、落車転倒でパイプの側面から衝撃が加わっても、カーボンフレームより丈夫で割れにくいです。
カーボンバイクをコンビニ休憩で壁に立てかけておいたら、突然自転車が倒れてフレームが割れる事がありますが、アルミバイクの場合その程度では割れません。
アルミフレームがよく進む理由
超ジュラルミン6000番台や超々ジュラルミン7000番台のアルミフレームは素材のしなりがほぼありませんので、漕いだ力がフレームに吸収されにくく効率的に推進力になります。
その硬いアルミ素材の特性上、路面から伝わる振動も減退されにくい為、ライダーに振動が大きく伝わってしまいますので、快適性が劣ります。
アルミフレームは管理が楽
クロモリフレームは鉄にクロムとモリブデンを添加した合金で作られていますので、雨が降った後濡れたままにしておくと、塗装されていない部分から錆が発生してしまいます。
ですので、ライド中に雨が降ってきましたら、帰宅後にシートポストを抜いてフレームを逆さにして、水を抜いて乾燥させる必要もあるでしょう。
アルミフレームも腐食しますが、クロモリフレームの様に気にする必要はありません。
僕の場合、主に晴れている日にしか走りませんが、ライド中に雨が降ってアルミバイクが濡れてしまった時、帰宅後そのままにしても見た目では腐食は発生していませんでした。
ただし、汗に含まれる塩分には弱くアルミが腐食で溶けてしまいますので、アルミフレームに汗が落ちた場合はふき取っておきましょう。
アルミフレームは紫外線に強い
カーボンフレームは、樹脂に炭素繊維を張り付けて成形して作られています。
その樹脂は紫外線に弱く、紫外線に当たると樹脂の劣化が始まります。
また、ライダーの脚力が強かったり、悪路を頻繁に走ったりしてフレームに力や衝撃や振動が掛かりますと、炭素繊維の積層部分が徐々に剥離していきます。
カーボンフレームが劣化していきますと、カーボンフレーム本来の硬さが失われますので、新車と比べた場合漕いでも進まないと感じる自転車になってしまいます。
一方、アルミフレームは樹脂を使用していませんので紫外線の影響を受けず、日の当たる場所に保管しても特に問題はありません。
ただし、紫外線の影響は受けづらいですが、ライダーの脚力が強かったり、悪路を頻繁に走ったりしてフレームに力や衝撃や振動が掛かりますと、金属疲労が進行していきます。
そして、疲労の限界を迎えますとアルミフレームにひび割れが入り、フレームの寿命を迎えます。
なお、アルミフレームは紫外線に強いですが、カーボンパーツやタイヤなどは紫外線に弱いです。
また、チェーンやスプロケットは水に濡れたままにしておきますと錆が発生してしまいますので、アルミバイクも直射日光と雨の当たらない場所に保管しましょう。
アルミフレームのデメリット
アルミフレームは経年劣化でひび割れが入る
アルミフレームはしなりが小さいのが特徴ですが、しなり過ぎて元に戻らない所まで到達する力の限界点が小さく、限界点を超えた力がダメージとしてアルミフレームに蓄積されていきます。
そして、アルミフレームにダメージが蓄積されていくと、フレームにひび割れが入ってしまいます。
アルミフレームは経年劣化で剛性が落ちる
アルミフレームは新品の頃は反応性がよくペダルを踏んだ力がフレームに吸収されず推進力となりますが、距離を走ると経年劣化により剛性が落ちる事で反応性が悪くなり、新車の様には進まなくなります。
アルミロードバイクで走り続けて分かった事
13年15万キロ以上乗っても問題なし
僕は練習用として、シマノ105コンポーネントを採用したミドルクラスのアルミロードバイクを使っています。
晴天か曇りの天気の時にのみ乗っており、まれにライド中に雨が降ってきたり、冬場は路上に塩化カルシウムがまかれたりしたコンディションで使用しています。
年間1万キロ以上走っていますので、13年間乗り続け150,584kmの積算走行距離になりました。(サイクルコンピュータの桁が足りず、50,584kmと表示されています)
その様な条件下でも、フレームにひび割れは発生していません。
ホビーライダー程度の脚力では劣化による差がない
購入して3年経過した時から9年経過した時までに同じコースを走り続けて練習していますが、その時の年間ごとのタイムはほぼ同じでした。
僕のFTPは249ワット(1時間持続可能な最大出力)で、実走練習ではペダリング中は最大出力の80~90%で走っています。
その実走練習の記録から考察しますと、アルミフレームで10万キロ走ったとしてもホビーライダー程度の脚力では、アルミフレームの経年劣化による差がない事になります。
タイム | 平均出力 | |
2014年 | 2:10:17 | 217 |
2015年 | 2:10:42 | 215 |
2016年 | 2:10:49 | 220 |
2017年 | 2:13:57 | 214 |
2018年 | 2:09:51 | 210 |
2019年 | 2:09:51 | 214 |
2020年 | 2:13:42 | 212 |
58kmコースの年間平均タイム
まとめ
量産技術が確立しコストダウンされたアルミフレームに押されたり、カーボンフレームもクロモリフレームと同価格帯で販売されたりしているので、相対的に価値が低下してきた理由からクロモリフレームが廃れた。
アルミフレームは側面から加わる衝撃に強く、転倒してもフレームが割れにくい。
素材が硬くしなりにくくフレームが変形しつらいので、漕いだ力がフレームに吸収されにくいから、アルミフレームはよく進む。
アルミフレームはクロモリフレームと比べると錆や腐食に強く、また樹脂類を使用していないのでアルミフレームは紫外線に強い。
アルミフレームにダメージが蓄積されていくとフレームにひび割れが入り、また剛性が落ちる事で反応性が悪くなる。
実際に13年15万キロ乗り続けた所、アルミフレームにひび割れは発生しておらず、またホビーライダー程度の脚力では差がなかった。
以上、アルミフレームの特徴についてでした。
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