ロードバイクに乗り始めた頃は、慣れていない前傾姿勢が辛いですよね。
ハンドル高さを調整する事で最適なフォームで走れる事が分かる。
フォーム調整の為にハンドル高さを変えようとしている人
ロードバイクのハンドル高さについてまとめました。
この記事を読んで、目的に合っている最適なハンドル高さに調整しましょう。
それでは、どうぞ。
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目次
本記事の要約
ハンドル高さを高くしますと呼吸がしやすくなりフォームも安定しますが、ペダルを力強く踏み込みづらく空気抵抗が増える事で速度が遅くなります。
ハンドル高さを低くしますと力強くペダルを踏み込め空気抵抗も小さくなる事で速く走れますが、呼吸がしづらくフォームの維持がきついです。
ロングライド志向の人はハンドル高さを高くして、レース志向の人はハンドル高さを低くしますと良いです。
ステムの高さを調整する事でハンドル高さを変えられますが、さらに高さを変えたい時はステムの他、フロントフォークやフレームを交換する事でもハンドル高さを調整できます。
ハンドル高さによるメリット・デメリット
ハンドル高さを変える事でライドに影響するメリットとデメリットがあります。
ハンドル高さが高いメリット
呼吸がしやすい
ハンドルの高さが高いと前傾姿勢が緩くなる事で上体が起き上がりますので、ペダルを漕いでいる時に呼吸がしやすいです。
緩い前傾姿勢で走っている時に限界まで追い込んでも、きつい前傾姿勢で走っている時よりも呼吸が乱れにくい為、より安定したペースで走る事ができます。
フォームが安定する
緩い前傾姿勢はフォームの維持が楽です。
上体が起き上がっていますと重心がサドルに近づきますので、上半身を支える力が少なくて済む為、上半身に掛かる負担が軽減できます。
その為、長時間走り続けていてもフォームが崩れる事も少なくなります。
ハンドル高さが高いデメリット
力が逃げやすい
緩い前傾姿勢の上体が起きたポジションでは力強くペダルを踏み込もうとしても、ペダルに力が入れづらいです。
ペダルを踏み込もうとしても上半身で踏ん張りにくく、ペダルを強く踏み込みづらいです。
空気抵抗が増大する
ハンドル高さが高くなりますと前傾姿勢の緩い上半身が起きたポジションになります。
前面投影面積が大きくなりますと風の影響を受けやすい為、空気抵抗が大きくなります。
速度域が低い上りでは空気抵抗の影響は限定的ですが、平坦路や下りで自転車の走行速度が速い時、空気抵抗が大きいと空気抵抗が小さい場合と比べて速度が遅くなります。
ハンドル高さが低いメリット
力を伝えやすい
空気抵抗が小さい前傾姿勢がきついポジションでは、前傾姿勢が緩いポジションより上半身を脚で支えている割合が大きくなります。
上半身を脚で支えますとペダルに上半身の体重をより大きく加えられますので、前傾姿勢が緩いポジションと比べますとペダルをより力強く踏み込む事ができます。
空気抵抗が小さい
ハンドルの高さが低いと前傾姿勢がきつくなる為、前面投影面積が小さくなる事で空気抵抗が小さくなります。
空気抵抗は速度が速くなれば速くなる程大きくなりますので、速く走っている時に空気抵抗が小さいとより速く走る事ができます。
ハンドル高さが低いデメリット
息苦しい
ハンドルが低いと上半身が伏せた姿勢になりますので、上半身が起きた状態で走るより呼吸がしづらく息苦しいです。
人の体は背筋が伸びた状態が一番呼吸しやすいですので、前傾姿勢のきついポジションでは呼吸がしづらいです。
フォームの維持が大変
前傾姿勢のきついポジションで走った場合、前傾姿勢が緩い時よりポジションの維持に上半身の力を多く使いますので、きつい前傾姿勢を維持するだけでも疲労がしやすくなります。
疲労が溜まってくるロングライド後半では、前傾姿勢のきついポジションを維持しづらくなります。
目的に合ったハンドル高さにする
ロードバイクもロングライド志向とレース志向でフレームジオメトリが違う様に、ライダーの走り方に応じてセッティングを変えますと、より良くサイクリングを楽しむ事ができます。
ロングライド志向や初心者は高くする
ロングライド志向の人やロードバイクを始めたばかりの初心者には、ハンドル高さを高くして前傾姿勢が緩くなる様にセッティングしますと良いです。
ロングライドは効率よく走る為に平坦路では速いペースで走る事はしませんので、速く走る場合より空気抵抗の影響を受けづらいです。
また、緩いペースで走りますので力強くペダルを踏み込む必要がありませんので、上体が起きている事で必要以上に強くペダルを踏み込んでしまう事もなくなります。
そして、上体が起きていますと呼吸がしやすくフォームの維持もしやすいですので、疲労が溜まってくるロングライド後半も安定して走る事ができます。
ロードバイクを始めたばかりの初心者の人はきつい前傾姿勢に慣れていませんので短時間であればきつい前傾姿勢で走れますが、上半身が十分に鍛えられていない為、きつい前傾姿勢で維持し続ける事が難しいです。
ですので、ロードバイクに乗り慣れていない頃は、まずは前傾姿勢が緩いポジションから走り始め、走り慣れた頃にハンドル高さを下げますと上半身に筋力が付いてきていますのできつい前傾姿勢で走り続ける事ができる様になります。
レース志向の人は低くする
レース志向の人はハンドル高さを低くして、きつい前傾姿勢が取れるポジションにしますと良いです。
空気抵抗の影響が小さいヒルクライムレースではハンドル高さを高くして走った方が人によっては有利になりますが、空気抵抗の影響が大きい平坦路の割合が多いロードレースでは空気抵抗が大きい程不利になります。
また、上半身の体重をペダルに上乗せしやすくなりますので、緩い前傾姿勢で走るより力強くペダルを踏み込む事ができます。
レースである程度走れるレベルになりますときつい前傾姿勢を維持しながら長時間走ったとしても苦にはなりませんし、呼吸がしづらくなるデメリットはありますがそれ以上に空気抵抗軽減効果のメリットの方が大きいです。
練習でも速いペースで走って運動強度を上げますので、呼吸がしづらくてもペダルに力を伝えやすく、空気抵抗が小さく速く走れるポジションの練習の為にもハンドルを低くしたきつい前傾姿勢が取れるセッティングが良いです。
ロードバイクをカスタマイズする
ロードバイクのセッティングを変えて、自分のライド志向に合う様にしましょう。
ステムの取り付け位置を変える
ステムの高さを変える事で、ハンドルの高さを調整する事ができます。
ハンドルが低すぎると感じた場合はコラム上限までステムの高さを調整できますので、上限の範囲内でハンドル高さを調整しましょう。
逆にハンドル高さが高すぎると感じた場合はステムをコラム下限に近づけて、ハンドル高さを調整しましょう。
前傾姿勢が緩くなる程ハンドルは体に近づけた方が走りやすくなりますので、ステムを高い位置にした時、ハンドルが遠すぎると感じた場合は短いステムに交換しましょう。
逆に前傾姿勢がきつくなる程ハンドルは体から離さないと窮屈になりますので、ハンドルが近すぎると感じた場合は長いステムに交換しましょう。
上限より高くする時は上下逆に付ける
基本的にステムはへの字になる様に取り付けますが、クロスバイクの様にステムを上下逆に付ける事でさらにハンドル位置を高くする事もできます。
コラム上限までステムを高くしてもハンドルが低いと感じた場合は、一度ステムを上下逆に付け変えてみましょう。
角度が大きいステムに付け替える
ステムはコラム長さの分までしか調整代がありませんのでハンドル高さの調整範囲も限られてきますが、調整範囲を超えてさらにハンドル高さを高くしたり低くしたりしたい時はステムの屈折角度がより大きいステムに交換する事で対応できます。
フロントフォームやフレームを買い替える前に、まずは屈折角度が大きいステムに交換してハンドル高さが合うか試してみましょう。
フロントフォークを買い替える
ステムを変えてコラム上限まで上げてもハンドルが低いと感じた場合は、ステムをさらに高く取り付けられる様にフロントフォークを交換しましょう。
新品で購入したフロントフォークはコラムカットされていませんので、ステムの高さ調整は高くする分にはほぼ自在にできます。
フロントフォーク交換後ステムを取り付けて試走し、ちょうどよいステム高さを見つけられましたら、上側ステム調整代20mm程度残しコラムカットして長すぎる部分をカットします。
フロントフォークを購入する時は現在使っているブレーキに対応しているか確認し、フォークのコラム部がカーボンの場合はコラムカット工具がカーボンに対応している物を購入しましょう。
なお、工賃が掛かりますがショップにコラムカットを依頼する事もできます。
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ヘッドチューブが短いフレームに買い替える
ハンドル位置をさらに下げたい場合は、フレーム交換する事になります。
フレームはヘッドチューブが長いロングライド志向のフレームと、ヘッドチューブが短いレース志向のフレームの2通りがありますので、レース志向のフレームに買い替える事でハンドル高さをより低くする事ができます。
また、レース志向のフレームはホイールベースが短い為、直進安定性は劣りますが機敏に車体をコントロールしやすくなりますので、コントロール性でもレースに適しているフレームです。
身の丈に合ったハンドル高さで走る
ハンドル高さが低い方がカッコいいと思っていてもきつい前傾姿勢に慣れていなければ辛いだけですので、身の丈に合ったライディングポジションで走る事が速く走り続けるコツです。
自転車は形から入らず、まずは走りやすいフォームから始め、慣れてきましたら形にこだわると良いでしょう。
まとめ
ハンドル高さを高くすると、ペダルを漕いでいる時でも呼吸がしやすく体の重心がサドルに近づくのでフォームも安定しやすいが、逆にペダルから重心が遠ざかるのでペダルを強く踏みにくく上体が起きる事で空気抵抗が増大して速度が遅くなる。
ハンドル高さを低くすると、体の重心がペダルに近づくのでより強くペダルを踏み込む事ができ前面投影面積が小さくなって空気抵抗が減り速く走れるが、きつい前傾姿勢は呼吸がしづらくフォームの維持が辛い。
ロングライド志向の人は無理なく一定の速度で長時間走り続けられる事が重要なので、体力の消耗が激しくない前傾姿勢が緩いポジションにすると良い。
レース志向の人は短時間で速く走る事が求められるので、強くペダルを踏み込めて空気抵抗が小さくなる前傾姿勢がきついポジションで走ると速く走れるので良い。
ステムの位置を変えるとハンドル高さを調整できるが、調整範囲を超えてさらにハンドル高さを調整するには角度が大きいステムに交換したり、フロントフォークやフレームを買い替えたりする事で調整できる。
速く走れる人を真似て形から入っても身の丈に合っていなければ辛いだけなので、自分の実力やライド志向にあったフォームで走る事が重要。
ハンドル高さを調整して、自分に一番合っているフォームで走ってサイクリングを楽しみましょう。
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