それぞれホイールの特徴が違いますので、ホイール選びに迷いますよね。
タイヤも重要な事が分かる。
予算別におすすめするホイールが分かる。
ヒルクライム用ホイールのアップグレードを検討している人
ヒルクライム向けのホイールについてまとめました。
この記事を読んで、ヒルクライムをより速く走りましょう。
それでは、どうぞ。
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目次
本記事の要約
ホイールは重量の他に剛性も重要です。
ヒルクライムでは速度域が低いですので、リムハイトが低くても剛性さえ確保されていましたら問題ありません。
ハイエンドタイヤにしますと費用対効果が高く、ヒルクライムでも速く走れます。
ライダーの体重が登坂抵抗の大部分を占めますので、平均体重より重い人はダイエットをして痩せた方が速く走れます。
ホイールは価格が高くなる程費用対効果が低くなりますので、実力に見合ったホイールを使いましょう。
ホイールについて
ホイールを軽量化しても必要な剛性がありませんと速くなりません。
また、ホイールの軽量化による効果は重量減に対して10倍とも30倍とも言われていますが、実際は重量以上の軽量化効果がありません。
安すぎる超軽量ホイールに注意
価格の割にはかなり軽量なアルミホイールがあり、アルミでは10万円以上のミドルハイグレードモデルと同じホイール重量の物が4万円以下で買えます。
ですが、格安超軽量ホイールには4万円分の価値がありません。
ホイール剛性が非常に悪く、ライダーの体重にリムが耐えられず変形してしまったり、ペダルを踏んでもリムが漕いだ力を受けきれず変形してしまったりしますので、重いエントリーグレードのホイールより進みません。
ですので、ホイールは軽量性と剛性が高い物を選びましょう。
ストレートプルスポークはパワーロスしづらい
エントリーグレードのホイールには、スポークのハブ側がL字に曲がったJベンドスポークが採用されています。
Jベンドスポークのメリットはフロントホイールでよく組まれているラジアル組の他、2本組や4本組など、自由にホイール組ができます。
Jベンドスポークのデメリットは引っ掛け部分がL字に曲がっていますので、ペダルを踏み込みスポークに引っ張る力が加わった時に、L字部分が引っ張られて曲げ部分が真っ直ぐに変形しようとする時にパワーロスします。
また、L字部分でスポークが破断する事もあります。
ミドルグレードのホイールから採用されているストレートプルスポークは、ハブの穴の向きに合わせてしかホイール組ができません。
また、ストレートプルスポークはJベンドスポークより価格が高いです。
ただし、スポークの組み方に制限があったり、Jベンドスポークより価格が高かったりするデメリットよりもメリットの方が大きいです。
ストレートプルスポークは引っ掛け部分が曲がっていない為、スポークに力が加わっても力が逃げず、引っ掛け部分でのスポーク折れがJベンドスポークより折れにくいという特徴があります。
そのストレートプルスポークがミドルグレードのホイールから採用されていますので、ミドルグレードのホイールはコストパフォーマンスがいい、よく進むホイールが安価に買えます。
リムハイトは低くてもいい
ヒルクライムは速度域が低いですので、ホイールの空力性能は気にする必要がありません。
リムの剛性はリムハイトに比例して強くなる傾向がありますが、材質を変える事で同じリムハイトでも軽く作れます。
アルミリムの場合、エントリーグレードのホイールに採用されているリムは、材質が柔らかくて加工しやすい6000番台のアルミが使われています。
一方ミドルグレードのホイールに採用されているリムは、同じアルミでも硬くて加工しづらい7000番台のアルミを使用しています。
ですので、アルミの場合は同じリムハイトでもミドルグレードのホイールの方がエントリーグレードのホイールより軽く作る事ができます。
カーボンホイールもアルミホイールと同様で、ハイエンドグレードになりますとより強いカーボン繊維の物を採用していますので、リムを同じ強度でより軽く作る事ができます。
一部例外のホイールを除いて低価格帯のホイールでも必要な強度を確保していますので、予算に合わせて軽いホイールを買いましょう。
ホイールも軽量化以上の効果は得られない
ヒルクライムは重力との戦いです。
走行中に回転するホイールも走行中に回転しない他のパーツであっても軽量化効果は同じで、ブレーキを掛けない限り1グラムの軽量化は回転の有無にかかわらず1グラムの効果しかありません。
軽いリムは回転の慣性力が小さいですので加速させやすいですが、ペダリングを止めますと失速しやすいです。
重いリムは回転の慣性力が大きいですので加速させづらいですが、ペダリングを止めても失速しづらいです。
ヒルクライムでは重いリムのホイールは進みづらそうなイメージがありますが、重いリムであってもリムに蓄えられた慣性力は消える訳ではありません。
緩い勾配からきつい勾配になって速度が落ちる時でもリムに蓄えられた慣性力は推進力として路面に開放されますので、重いリムは軽いリムより緩やかに速度が低下します。
軽いリムで緩い勾配からきつい勾配になって速度が落ちる場合、軽いリムは慣性力が小さいですので、軽いリムは重いリムより短い時間で速度が低下してしまいます。
ゴール手前がきつい勾配から緩い勾配に変わっている場合はリムが軽いホイールの方が加速させやすいですので重いリムよりわずかに速くゴールできます。
ですが、ゴール手前が緩い勾配からきつい勾配に変わっている場合は、軽いリムでも重いリムでもゴールタイムは同じになります。
ハブの転がり抵抗は気にする必要がない
ハブの転がり抵抗は走行距離に比例します。
走行距離が長い平坦路のレースでは転がり抵抗の小さいハブの方が有利ですが、走行時間の割に走行距離が短いヒルクライムレースでは、転がり抵抗が小さいハブであっても一般的なハブと比べて走行速度にあまり差がありません。
「ものすごく転がりのいいハブ」で組まれた高級ホイールでヒルクライムを速く走る人がいますが、転がり抵抗の違いで速く走れているのではなく、ただ高級ハブを使っている人の脚力がすごいだけです。
速く走れる人は、他のハイエンドグレードのホイールを履いたとしても同じ速度で走れます。
ですので、転がり抵抗にこだわって一般的な脚力の人が「ものすごく転がりのいいハブ」を使ったとしてもヒルクライムのタイムは縮まりませんし、逆にホイール全体の重量が重くなる分だけ遅くなります。
タイヤも重要
ホイールをアップグレードしましたら、タイヤもアップグレードする事でさらに速く走る事ができます。
ですが、タイヤもホイールと同じで超軽量タイヤを履きますとタイヤの回転する慣性力が小さいですのでよく進む感じがしますが、緩い勾配からきつい勾配に変わる所では軽いタイヤの方が重いタイヤより速く失速しますので、タイヤの軽さにこだわる必要がありません。
軽いタイヤは耐パンク性能が悪い為にパンクしやすく、パンクした場合チューブを交換していますとゴールタイムが大幅に悪くなってしまいますので、レース中にパンクした場合はリタイヤせざるを得ないです。
ヒルクライムでは転がり抵抗が占める走行抵抗全体に対する割合が小さいですが、ハブと比べてタイヤは少ない投資費用で大きな効果を得られますので、タイヤは重量よりも転がり抵抗が小さい物を履きましょう。
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結局は体重と脚次第
一般的な脚力の人がどれだけ良い機材を使ったとしても、体重が軽く脚力が強いパワーウエイトレシオが高いライダーの方がヒルクライムでは速く走れます。
脚力は急には強くなりませんが、一定程度のダイエットはそれほど難しくありません。
平均体重より重めの人は、ダイエットをして平均体重以下に体重を落としますとヒルクライムで速く走れます。
ただし、ダイエットし過ぎますと体重はより軽くなりますが持久力が落ちますので、ヒルクライムのタイムが逆に遅くなる事がありますので、やせ過ぎには注意しましょう。
予算別おすすめホイール
ホイールをアップグレードしますと走りが変わりますが、特にエントリーグレードからミドルグレードのホイールにアップグレードしますと大きな違いが体感できます。
ホイールのグレードを上げる程、投資費用に対しての違いが小さくなりますので、実力に見合ったホイールにしますと満足いくアップグレードができます。
10万円以下 ミドルグレードは費用対効果が高い
ミドルグレードのホイールはコストパフォーマンスが高いです。
スポークはストレートプルスポークを採用していますので、一般的なJベンドスポークよりパワーロスがしづらいです。
ホイール重量は高価格帯のホイールと比べますと重いですが、ホイールの剛性が高いですのでペダルを踏み込んだ時の反応が良い、よく進むホイールです。
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10万円以上 ミドルハイグレードは軽くて剛性が高い
ミドルハイグレードのホイールは、アルミホイールの中ではハイエンドホイールになります。
また、同価格帯でカーボンホイールもあります。
「フルクラム レーシングゼロ」はアルミホイールですが、高価なアルミスポークを採用しており剛性が非常に高いホイールです。
剛性が高すぎる為乗り心地が悪く、エンデューロレースやロングライドには不向きですが、1時間程度のレースでは剛性の高さが有利になります。
また、放熱性の高いアルミホイールですので、レース後の下りでも安心してブレーキを掛けられます。
なお、アルミスポークは剛性が落ちやすいですので、イベントやレースのみに使いますと長い期間元の性能を維持できます。
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30万円以上 上位入賞者はカーボンチューブラーがおすすめ
ヒルクライムレースで上位入賞を狙える脚力の人がライバルに秒の差でせめぎ合いをするのでしたら、超軽量カーボンチューブラーホイールがおすすめです。
チューブラーホイールはクリンチャーホイールより構造が簡素ですので、リムの重量がクリンチャーホイールよりかなり軽く、前後合わせて1000グラム前後のホイールでロードバイクをより軽量化できます。
タイヤもホイールと同等にハイエンドタイヤを履いて、軽量化と転がり抵抗の軽減をしましょう。
チューブラータイヤはタイヤにチューブが内蔵されていますので、クリンチャータイヤとラテックスチューブの組み合わせよりも軽量化できます。
なお、チューブラータイヤもパンク修理できない事はないですが、パンク修理しますと性能が落ちますので、パンクしたタイヤは処分するか練習でもチューブラータイヤを使っている場合に、練習用や携行用として再利用しましょう。
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ホイールはすべてリムブレーキでシマノ用フリーハブボディ仕様の物を紹介しています。
ディスクブレーキのロードバイクを使われていたり、カンパニョーロのカセットスプロケットを使われている場合は規格に適合するホイールを買いましょう。
まとめ
重量に対して安すぎるホイールは、剛性が低いので進まない。
ミドルグレードのホイールから採用されているストレートプルスポークは、剛性が高くパワーロスが少ない。
ヒルクライムは空気抵抗よりも登坂抵抗の方が大きいので、リムハイトは低くてもいい。
重いリムでも走行中に慣性力がなくなる訳ではないので、ホイールも軽量化以上の効果が得られない。
走行距離が短いヒルクライムレースでは転がり抵抗が占める割合が小さいので、ハブの回転性能にこだわる必要があまりない。
走行距離が短いヒルクライムレースでは転がり抵抗が占める割合が小さいが、タイヤはホイールより安いのでハイエンドタイヤにしても費用対効果が高い。
どれだけ軽い機材を使ったとしても、機材重量よりもライダーの体重と脚力が支配的なので、平均体重より重い人はまずはダイエットして平均体重まで体重を落とした方が速く走れる。
ミドルグレードへのホイールのアップグレードは費用対効果が高く、初心者におすすめ。
ミドルハイグレードへのホイールのアップグレードはそれほど費用対効果が高くなく、ある程度脚力がある人がもう少し速く走りたい場合におすすめ。
ハイエンドグレードへのホイールのアップグレードは費用対効果が非常に悪いが、ヒルクライムレースで上位入賞を狙える人がライバルに秒の差でせめぎ合う場合におすすめ。
実力に見合ったホイールにアップグレードして、ヒルクライムを楽しみましょう。
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