ボトムブラケットやクランクの規格が乱立していますので、ややこしいですよね。
ボトムブラケットの規格について分かる
クランクを交換しようとしている人
ボトムブラケットの規格と対応するクランクについてまとめました。
この記事を読んで、フレームやボトムブラケットに適合したクランクに交換しましょう。
それでは、どうぞ。
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目次
本記事の要約
各クランクに対応するボトムブラケットは以下の表になります。
クランク | フレーム | ||||
BSA | BB86 | BB30 | PF30 | BB386 | |
φ24 86.5mm シマノクランク | 〇 | 〇 | △ | △ | △ |
φ30 86.5mm BB386クランク | △ | △ | △ | △ | 〇 |
φ30 68mm BB30/PF30クランク | × | × | 〇 | 〇 | × |
〇 使用可能
△ アダプターを用いる事で使用可能
× 使用不可
クランクの軸径や軸長からメジャーな規格をピックアップしますと主に3種類です。
現在使っているクランクと同じ規格の物を選んでおきますと、買い間違えを防げます。
対応するボトムブラケットを圧入する事で他の規格のクランクが使えます。
ややこしいが案外分かりやすい規格
クランクは色んな規格が乱立していますが、クランクの規格は主に3種類で、取り付けるボトムブラケットやアダプター次第で違う規格のクランクを使用できます。
BBの規格は主に3種類
ボトムブラケット(BB)がシマノのホローテックII規格対応品だけでしたらクランクの規格を気にする必要がありませんが、他にもBB30 / PF30やBB386などクランクは大きく分けて合計3種類の規格が乱立しています。
また、BB30やPF30の亜種であるBB30AやPF30Aなど左クランク側に軸受が張り出したボトムブラケットや、サーベロやトレックの独自規格もありますのでBBの規格がややこしいです。
ですが、クランク軸径やクランク軸長で考えますと、ボトムブラケットは案外分かりやすい規格です。
同じクランクの規格に合わせると問題がない
クランクを交換する場合、今使っている規格と同じ物を購入しますと全く問題がありません。
ですので、クランクにこだわりがない場合は同じ規格のクランクを買いましょう。
違う規格のBBで色んなクランクが使用可能
BBシェル幅が狭い規格の物をBBシェル幅の広い規格にする事はできても、BBシェル幅を狭くするボトムブラケットはありませんので、BB86やBB386対応フレームにBB30のクランクを使用する事ができません。
ですが、BBシェル幅を狭くしますとクランクの剛性が高くなりますが、軸受に加わる負担が大きくなりますので軸受が傷みやすく、メリットよりもデメリットの方が大きいです。
この事を加味しますとBB86規格はボトムブラケット次第でホローテックIIクランクや軸径30mmのBB386クランクにする事ができます。
また、BB30やPF30はアダプターやボトムブラケット次第でBB86やBB386にする事ができますので、好みの中空クランクを使う事ができます。
ボトムブラケットねじ込み型
BSA(JIS)
軸径24mm / BBシェル幅68mm 規格
昔から存在する規格で、フレームにネジが切ってあります。
左クランク側は右に回すと締まる正ネジですが、チェーンリング側は左に回して締め込む逆ネジです。
ボトムブラケットとクランク軸が一体化されているスクエアテーパーBBやその発展型のオクタクランクBBが取り付け可能ですが、さらに後発のホローテックIIのボトムブラケットも取り付け可能です。
また、BB386用のボトムブラケットを取り付ける事でBB386規格のクランクが使用できます。
ネジ切り式フレームはボトムブラケットをフレームにねじ込む為、圧入式ボトムブラケットよりも剛性が上がるメリットがあります。
(2024/11/20 21:03:13時点 楽天市場調べ-詳細)
シマノのホローテックIIクランク用です。
購入前にフレームのBBシェル幅を測り確認しましょう。
(2024/11/20 21:03:14時点 楽天市場調べ-詳細)
BB386用クランクを使いたい場合はこちらのボトムブラケットを取り付けましょう。
ITA(イタリアン)
軸径24mm / BBシェル幅70mm 規格
一般的にはBSA(JIS)規格のフレームが普及していますが、イタリアン規格のフレームも存在します。
イタリアン規格はBSA(JIS)規格より2mmシェル幅が広く、ネジはチェーンリング側も左クランク側も右にネジを回すと締まる正ネジです。
イタリアン規格もBSA(JIS)規格と同じ剛性面でのメリットがあります。
(2024/11/20 21:03:14時点 楽天市場調べ-詳細)
シマノのホローテックIIクランク用です。
購入前にフレームのBBシェル幅を測り確認しましょう。
BB386用クランクを使いたい場合はこちらのボトムブラケットを取り付けましょう。
ボトムブラケット取り外し工具
ボトムブラケット脱着には専用の工具が必要ですので、ボトムブラケットを交換する時は取り外し工具も必要に応じて用意しましょう。
カードリッジ式ボトムブラケット脱着工具
(2024/11/21 08:02:41時点 楽天市場調べ-詳細)
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溝に嚙合わせる部分とハンドルが一体化されていますので、少々高いですが脱着作業がしやすいです。
ホローテックII用ボトムブラケット脱着工具
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ですので、社外品ですが一体型工具を使用しますと作業しやすいです。
(2024/11/21 17:07:42時点 楽天市場調べ-詳細)
左側クランク固定ボルトを緩めませんとキャップは脱着できませんので注意しましょう。
ボトムブラケット圧入型
BB86
軸径24mm / BBシェル幅86.5mm 規格
GIANTが提唱した規格。
シマノのホローテックIIと互換性があり、シマノからもBB86対応ボトムブラケットが製品化されています。
BB86ともプレスフィット(PF)BB86とも呼ばれています。
また、BB386対応ボトムブラケットを圧入する事により、BB386も使用可能です。
BBシェル幅が86.5mmですので、BBシェル幅が68mmと短いBB30用クランクは使用できません。
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BB30
軸径30mm / BBシェル幅68mm 規格
キャノンデールが提唱した規格。
クランク軸を太く短くする事でクランクの剛性が高くなっています。
ベアリングを直接フレームに圧入しますので、ボトムブラケットを排除する事で最も軽量です。
ですが、ボトムブラケットとは違いベアリングが外部に露出していますので、シール材でベアリングを塵や雨から保護していますが、シールがイマイチでベアリングに浸水しやすくベアリングが錆びやすいです。
そして、BB30はペダルを漕いでいますと「カチッカチッ」と音鳴りが発生しやすい事でも有名です。
僕のロードバイクも1台はBB30で、一度音鳴りがした事がありましたが、クランクを外してからシマノのプレミアムグリス(デュラグリス)をペアリングとその周囲に塗った所、音鳴りが止まりました。
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アダプターを付ける事で重量が増えますが、ホローテックIIクランクやBB386クランクも使用できます。
ベアリングが痛んで動きが渋くなりましたら交換しましょう。
BB30用変換アダプター
ボトムブラケットの音鳴り防止に、ねじ込み式のアダプターをおすすめしています。
(2024/11/21 20:26:17時点 楽天市場調べ-詳細)
シマノのホローテックIIクランクが使えます。
BBシェル内部にCリングが入っているフレームに対応している製品です。
シマノのホローテックIIクランクが使えます。
BBシェル内部に段差があるフレームに対応している製品です。
(2024/11/21 10:12:43時点 楽天市場調べ-詳細)
BB386クランクが使えます。
BBシェル内部にCリングが入っているフレームに対応している製品です。
BB386クランクが使えます。
BBシェル内部に段差があるフレームに対応している製品です。
(2024/11/20 20:26:40時点 楽天市場調べ-詳細)
フレームのBBシェル内部にCリングが入っているかで使用できるボトムブラケットが変わりますので、購入前にクランクを外してBBシェル内部を確認しましょう。
無理に段差タイプのBBシェルにCリング用ボトムブラケットをねじ込みますと、BBシェルが割れてフレームが壊れます。
BB30対応スペーサー
(2024/11/21 01:15:27時点 楽天市場調べ-詳細)
ただし、クランク軸がカーボンの場合は割れる可能性がありますので、アルミ軸のクランクで使用しましょう。
PF30
軸径30mm / BBシェル幅68mm 規格
SRAMが提唱した規格。
BB30の後発改良版で、BB30のクランクと互換性があります。
BB30はベアリングを直接フレームに圧入しているのに対して、PF30はボトムブラケットをフレームに圧入します。
BB30の問題点である音鳴りやベアリングが錆びやすい点が改善されていますが、BB30より重量増になります。
対応するボトムブラケットを付け替える事で、ホローテックIIクランクやBB386クランクも使用できます。
(2024/11/21 01:19:43時点 楽天市場調べ-詳細)
PF30用変換アダプター
ボトムブラケットの音鳴り防止に、ねじ込み式のアダプターをおすすめしています。
(2024/11/21 08:34:23時点 楽天市場調べ-詳細)
シマノのホローテックIIクランクが使えます。
(2024/11/21 10:12:43時点 楽天市場調べ-詳細)
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BB386クランクが使えます。
(2024/11/20 20:26:40時点 楽天市場調べ-詳細)
PF30対応スペーサー
(2024/11/21 01:15:27時点 楽天市場調べ-詳細)
ただし、クランク軸がカーボンの場合は割れる可能性がありますので、アルミ軸のクランクで使用しましょう。
BB386
軸径30mm / BBシェル幅86.5mm 規格
FSAが提唱した規格。
BB30やPF30で軸受に大きな負担が掛かる事で軸受が傷みやすい問題点を、軸受を外側に張り出す事で改善しました。
ホローテックIIと同じ軸長で軸径を太くするBB86とBB30のいいとこ取りの規格で、ベアリングが傷みにくくクランクの剛性が高いです。
ホローテックIIクランクを使いたい場合は、対応ボトムブラケットを圧入する事で使用できます。
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ボトムブラケットが伸縮しますので、BBシェル内径46mmであれば幅に関係なく取り付けできます。
(2024/11/21 12:59:41時点 楽天市場調べ-詳細)
シマノのホローテックIIクランクが使えます。
ボトムブラケット取り外し工具
圧入式ボトムブラケットの脱着には専用の工具が必要ですので、ボトムブラケットを交換する時は脱着工具も必要に応じて用意しましょう。
取り外しもねじ込み式ですので、フレームが痛みにくいです。
オフセット型ボトムブラケット
BBシェル幅がBB30やPF30とは違いますのでBB30用のクランクが使えず、BB30AクランクかBB386にスペーサーを入れて使う必要があります。
軸受の間隔が狭い為、軸受に大きな負担が掛かるBB30やPF30の問題点を、片側だけ軸受の間隔を広げる事で改善しています。
BB30A
BB30のBBシェル幅を左クランク側に5mm広げた規格
BB30の亜種でチェーンリング側ベアリングの距離はBB30と同じですが、左クランク側のベアリングが5mm外側に張り出しています。
PF30A
PF30のBBシェル幅を左クランク側に5mm広げた規格
PF30の亜種でチェーンリング側軸受けの距離はPF 30と同じですが、左クランク側の軸受けが5mm外側に張り出しています。
BBright
PF30のBBシェル幅を左クランク側に11mm広げた規格
サーベロが提唱した規格。
PF30と同じボトムブラケット圧入式でチェーンリング側軸受の距離はPF 30と同じですが、左クランク側の軸受が11mm外側に張り出しています。
その他の規格
下記3つの規格を紹介しますが、その他にも違う規格が存在します。
BB90
BB86対応クランク互換規格
トレックのフレームに採用されていた規格。
BB30と同じ考え方でベアリングをフレームに直接圧入していて、圧入式のBB86と同じクランクが使えます。
BB30と同様にベアリングを直接フレームに圧入していますので、ボトムブラケットより軽量です。
ですが、ボトムブラケットとは違いベアリングが外部に露出していますので、シール材でベアリングを塵や雨から保護していますが、シールがイマイチでベアリングに浸水しやすくベアリングが錆びやすいです。
ベアリングが錆びやすい問題点が大きい為か、現行モデルではBB90が採用されていません。
T47
BB86対応クランク互換規格
トレックの現行モデルのフレームに採用されている規格。
BSAと同じくボトムブラケットをネジで固定する為、圧入式ボトムブラケットより剛性が上がるメリットがあります。
BB90はベアリングに浸水しやすくベアリングが錆びやすいデメリットがありましたが、T47はボトムブラケットタイプですので浸水しづらい為、軸受が錆びにくいです。
シマノ規格と互換性がありますので、ホローテックIIのクランクが使えます。
OSBB
BB386対応クランク互換規格
スペシャライズドが提唱した規格。
こちらもPF30と同じくボトムブラケットをフレームに圧入しますが、BBシェル幅がPF30とは違いますので、PF30ボトムブラケットとOSBBのボトムブラケットには互換性がありません。
また、同じOSBB対応フレームでもBBシェル幅が67mmと61mmの2種類がありますので、OSBBだから同じと思ってボトムブラケットを買ったら長さが合わずにクランクが取り付けられない事がありますので、買い間違えない様に注意が必要です。
まとめ
各クランクに対応するボトムブラケットは以下の表になります。
クランク | フレーム | ||||
BSA | BB86 | BB30 | PF30 | BB386 | |
φ24 86.5mm シマノクランク | 〇 | 〇 | △ | △ | △ |
φ30 86.5mm BB386クランク | △ | △ | △ | △ | 〇 |
φ30 68mm BB30/PF30クランク | × | × | 〇 | 〇 | × |
〇 使用可能
△ アダプターを用いる事で使用可能
× 使用不可
色んな規格のボトムブラケットが乱立しているが軸受の取り付け方法が違うだけで、クランクの軸径や軸長からメジャーな規格をピックアップすると主に3種類のみである。
使いたいクランクにこだわりがなければ、現在使っているクランクと同規格の物を選んでおくと、買い間違えてクランクが取り付けられない失敗を防げる。
BBシェル幅が広いフレームには寸法的にBB30用のクランクが取り付けできないが、対応するボトムブラケットを圧入する事で他の規格のクランクが使える。
BSAはボトムブラケットねじ込み式で、強い固定力で圧入式よりも剛性が高い。
BB86はボトムブラケット圧入式で、BBシェル幅が広いので軸受に加わる負担をしっかり受けられる。
BB30はベアリングを直接圧入するので軽量化できるメリットがあるが、音鳴りしやすいデメリットがある。
PF30はBB30の音鳴り問題を改善した規格で、BB30より重量増になるがボトムブラケット圧入式の為、軸受への浸水がしづらい。
BB386はBB86とBB30のメリットを取り入れ、クランク軸を太くする事で剛性を上げ、軸受の間隔を広げる事で軸受に加わる負担を軽減させている。
BB30AやPF30AやBBrightは、左クランク側に軸受を離して軸受の間隔を広げる事で軸受に加わる負担を軽減させている。
BB90はベアリングをフレームに直接圧入しているので、BB30同様軽量化できるが、ベアリングに浸水しやすい問題点もBB30と同じである。
T47はBSAと同じボトムブラケットねじ込み式だが、ネジ径が違いボトムブラケットに互換性はないがホローテックIIクランクが使える。
OSBBはPF30と同じボトムブラケット圧入式だが、BBシェル幅が違うのでボトムブラケットに互換性がないがBB30やPF30のクランクが使える。
フレームに取り付けられるボトムブラケット規格を理解して、好みのクランクを選びましょう。
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