25,000円のクロスバイクに乗っています。
前輪はクイックレリースですので簡単に脱着できますが、後輪がナット止めでクイックレリースの様に簡単には脱着できません。
もしサイクリング中にパンクした時、チューブの入れ替えに手間取るので後輪もクイックレリース化したいのですができますか?
パンク対応でのチューブの交換だけでも大変ですが、ホイールの脱着にも手間取りますとさらに大変ですよね。
今使われているボスフリー用ハブは必要な強度を確保する為、穴が空いていない軸を用いてナット止めにする必要がありますが、カセットスプロケット用ハブに変える事でクイックレリース化できます。
フレームにナット止めされている後輪をクイックレリース化する方法について分かる。
ルック車ユーザーでパンク時のチューブ交換に困っている人。
外装ギヤ仕様のママチャリやスポーツサイクル風のルック車には、コストダウンの為にボスフリー用ハブが使われています。
ですが、ボスフリー用ハブに取り付けた多段スプロケットはペダルを踏み込んだ時に加えられた力が玉受けに集中しますので軸が折れやすく、必要な強度を確保する為に中空軸を使わない為、クイックレリースが使えません。
そこで本記事では、ナット止めされているルック車の後輪をクイックレリース化する方法について取り上げます。
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目次
本記事の要約
リア側のハブ軸がナットで固定されているルック車でも、ホイール交換でカセットスプロケットに変える事でクイックレリース化ができます。
クイックレリース化する方法
フレームのリアエンド幅を確認する
クイックレリース化するにはボスフリーからフリーハブボディにスプロケットの固定方式を変える必要があります。
カセットスプロケット用のハブを取り付けるには、フレームのリアエンド幅が130mm必要ですので、事前に自転車のリアエンド幅をスケールで測定しておきましょう。
3つのパーツでクイックレリース化できる
測定してリアエンド幅が130mmであった場合はクイックレリース化ができます。
カセットスプロケット用のリアホイールと7速11-28Tカセットスプロケットに付け替えます。
7速のカセットスプロケットは幅が狭い為、フリーハブボディに差し込むだけではロックリングで固定できません。スペーサーをフリーハブボディに入れてからカセットスプロケットを差し込みます。
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さらにチェーンとシフター交換で9速化できる
取り付けるカセットスプロケットのローギヤが28Tの場合はチェーンがそのまま使えますが、低ギヤ比化する為ローギヤ34Tのスプロケットにする場合にはチェーンの長さが足りなくなりますので交換が必要です。
その場合、チェーンを交換するのでしたら追加でシフターを交換しますと9速化できます。
9速化しますと7速よりもクロスレシオ化できて、シフトチェンジした時にギヤが急に重くなったり軽くなったりしにくくなりますので、9速にアップグレードする事をおすすめします。
なお、9速化をおすすめする理由は本記事の最後付近に記載しています。
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カセットスプロケット11-34Tを使用する場合、リアディレイラーはロングケージタイプを使用する必要があります。
下の記事も併せて読んで下さい。
リアディレイラーのケージ長さに注意
リアディレイラーは9速までロードとMTB問わず互換性がありますので、自転車に取り付けられている7速用のディレイラーはそのまま使用できます。
ですが、ケージにはローギヤが小さいタイプに適しているショートケージと、ローギヤが大きいタイプに対応したロングケージの2種類があります。
ローギヤが小さいタイプにしか使用できないショートケージは不要だと思われますが、ショートケージにする事で変速レスポンスが向上します。
また、路面が荒れている道を走行してもチェーンテンションが安定しやすい為チェーンが暴れにくく、チェーン落ちにより発生するメカトラブル(ディレイラーの巻き込みや破損)が起きにくくなります。
見分け方はガイドプーリーとテンションプーリーの間隔が短いタイプがショートケージで、長いタイプがロングケージです。
自転車のローギヤが28Tの場合は、ショートケージタイプのリアディレイラーが取り付けられている事が多いです。
もし、ショートケージタイプのリアディレイラーが取り付けられている場合は、ロングケージタイプのリアディレイラーに交換する必要があります。
なお、リアディレイラーはディレイラーハンガーに取り付ける直付タイプの他にハブナットと共締めして取り付けるタイプがありますので、ケージの長さを確認する時にリアディレイラーの取り付けがどうなっているかも併せて確認しておきましょう。
クイックレリース化する手順
1 ホイールにカセットスプロケットを取り付ける
ホイールを購入するよりハブを購入して組み替えた方が安くできます。
また、スポークは再利用できますので、ホイール組ができる人はハブのみ購入すると良いです。
ホイール組する時は、縦と横の振れ取りとスポークテンションを均一に揃えましょう。
1-1 スペーサーを入れる
7速のカセットスプロケットは8速から10速用のフリーハブボディより幅が狭く、単体では取り付けられませんので、4.5mm分のスペーサーを入れて幅が同じになる様に調整します。
ちなみに、8速や9速のカセットスプロケットを取り付ける場合はスペーサーが不要です。
同じシマノ用フリーハブボディでも規格が乱立しています。
注1:10速専用フリーハブボディはスプラインの高さが高く幅が1mm短い為、10速専用フリーハブボディ対応カセットスプロケット以外取り付けられません。
注2:11速用と12速用のフリーハブボディに10速ティアグラと8速から9速のカセットスプロケットを取り付けるには1.85mmのスペーサーが必要です。
注3:10速専用フリーハブボディ用カセットスプロケットを7速から10速用フリーハブボディに取り付けるには1mmのスペーサーが必要です。また11速用と12速用のフリーハブボディに取り付けるには1.85mmのスペーサーも併せて必要です。
1-2 カセットスプロケットを差し込む
フリーハブボディにカセットスプロケットを差し込みます。
スプライン溝は非対称ですので、裏向きには取り付けられない構造になっています。
連結されていないスプロケットを入れる時は、大きなスプロケットからスペーサーを挟んで1枚ずつ入れます。
スプロケットの入れる順番の間違いやスペーサーの入れ忘れに注意しましょう。
1-3 ロックリングを締める
手でロックリングをフリーハブボディに軽くねじ込んでから、取り付け工具を用いて締め込みます。
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1-4 クイックレリースを付ける
最後にホイールに同梱されているクイックレリースをホイールのスプロケットが付いていない所から差し込みます。
そして、スプロケット側からバネ(弦巻バネ)を入れてナットをねじ込みますとホイール側の準備は完了です。
2 ホイールを付け替える
2-1 インナートップに変速する
リアディレイラーのケージが一番巻き上がった状態になる様に、リア側をトップギヤにしてフロント側をインナーギヤにします。
2-2 チェーンを切る
使用するカセットスプロケットのローギヤの歯数が今まで使っていたボスフリー用スプロケットのローギヤより多い場合はチェーンの長さが足りなくなり再利用できませんので、 チェーンカッターでチェーンを切ります。
ローギヤの歯数が交換前より多くならない場合、チェーンがそのまま使えますので切断不要です。
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2-3 リアホイールを取り外す
フレームにナット止めされているホイールを取り外します。
ナットのサイズは15mmですので、15mmのスパナかメガネレンチを用いて緩めます。
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2-4 タイヤとチューブを付け替える
取り外したホイールからタイヤとチューブを外し、これから取り付けるホイールに付け替えます。
タイヤをはめ込んでからチューブを入れますが、チューブがタイヤとリムに挟まった状態でタイヤに空気を入れますとパンクします。
空気を入れる前にタイヤを指で挟んで、チューブが正しくタイヤに収まっている事を確認しましょう。
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2-5 組み付けたホイールを取り付ける
クイックレリースのナットを緩めてからレバーを起こし、ホイールをフレームに取り付けます。
ホイールがフレームにはまりましたら、クイックレリースのナットを指で締め込んでからレバーを倒し込んでホイールを固定します。
もし、レバーが倒し込めない場合はナットを少し緩めて、もう一度レバーを倒し込みます。
逆にレバーが緩い場合はナットを少し締めてレバーを倒し込み、しっかりホイールが固定できるまで調整を繰り返します。
2-6 ロングケージタイプのリアディレイラーに付け替える
交換前に使用していたスプロケットのローギヤより歯数が多いカセットスプロケットを使用する場合はギヤのキャパシティーが足りなくなりますので、ロングケージタイプのリアディレイラーに付け替えます。
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手順2-2でチェーンを切らなかった場合は、リアディレイラーもそのまま使用できます。
2-7 シフトケーブルを仮固定する
リアディレイラーを付け替えた後、シフトケーブルをディレイラーにセットして軽く六角レンチで仮固定します。
シフターをアップグレードする場合は以下の作業を行います。
(1) シフトケーブルを抜き取る
リアディレイラーのネジを緩めてシフトケーブルを外し、シフターに通しているシフトケーブルを抜き取ります。
(2) シフターを付け替える
ハンドルに取り付けられているシフターを取り外し、新しいシフターに付け替えます。
(3) シフトケーブルを入れる
シフターのケーブルを差し込む穴からシフトケーブルを入れて、リアディレイラーに仮固定します。
2-8 リアディレイラーを調整する(その1)
まずはトップギヤに変速して、トップギヤとガイドプーリーが同じラインになる様にトップギヤ側の調整ボルトを回して、ガイドプーリーの位置を調整します。
次に、ケーブル側のアジャストボルトを一番緩めてから仮固定したケーブルを外し、ラジオペンチでケーブルを引っ張りながらもう一度仮固定します。
そして、ローギヤに変速します。もしケーブルが引っ張り切れずローギヤ側まで変速できない場合は、ケーブル側のアジャストボルトを左側に回しますとローギヤ側に変速できる様になります。
最後にローギヤとガイドプーリーが同じラインになる様にローギヤ側の調整ボルトを回して、ガイドプーリーの位置を調整します。
2-9 新しいチェーンを付ける
フロント側をチェーンリングが大きいアウターギヤ、リア側もローギヤ側になる様にシフターを操作します。
次に、新しいチェーンをチェーンリングやカセットスプロケットやディレイラーに通します。
そして、ディレイラーケージが引っ張られ過ぎない様なチェーン長さに合わせてチェーンを切り、コネクティングピンを用いてチェーンを連結させます。
チェーンの長さが短く、アウターローギヤ使用時にはディレイラーケージが大きく引っ張られています。
この状態で走行しますと、ディレイラーがチェーンに巻き込まれて走行不能になります。。
アウターローギヤ使用時でも、ディレイラーが引っ張られ過ぎていません。
2-10 リアディレイラーを調整する(その2)
ますはガイドプーリーがスプロケットに接触していないか確認します。
もし接触している場合は、エンド側のアジャストボルトを回してガイドプーリーが接触しなくなるまで調整します。
最後にクランクを回しながらリア側シフターを1段ずつ変速していき、確実にシフトアップやシフトダウンができる様になるまでケーブル側のアジャストボルトを回して調整します。
アジャスターボルトは右側に回すとガイドプーリは右側(トップ側)に位置が変わり、左側に回すと左側(ロー側)に位置が変わります。
トップ側とロー側の調整ボルトは右側に締め込むと左側(ロー側)に位置が変わり、左側に緩めると右側(トップ側)に位置が変わります。
ボスフリーの問題点
ボスフリーの軸は折れやすい
ボスフリーの軸を中空軸に交換する事により簡単にクイックレリース化できます。
ですが、スプロケットは片側のみで負荷を受けていますので、ペダルを踏み込んだ力が右側の玉受けに集中します。
その為、スプロケットに加わる負荷を両側で受けるカセットスプロケットより軸が折れやすいです。
クイックレリースを使用できない理由
フロントホイールは大手メーカー製スポーツサイクルと同じクイックレリースです。
リアホイールはハブ軸が折れやすい問題がありますが、コストダウンできるボスフリーを採用しています。
折れやすいハブ軸を少しでも折れにくくする為に中空軸の使用を避けていますので、クイックレリースも使用できません。
9速化はコストパフォーマンスが高い
7速 | 8速 | 9速 | 10速 | 11速 | |
シフター | – | SL-M315 | SL-M2010-9R | SL-4700 | SL-RS700 |
0 | 2,191 | 2,586 | 5,241 | 7,800 | |
クランク | – | – | – | FC-4700 | FC-R7000 |
0 | 0 | 0 | 15,948 | 17,392 | |
ボトムブラケット | – | – | – | SM-BBR60 | SM-BBR60 |
0 | 0 | 0 | 2,655 | 2,655 | |
スプロケット | CS-HG200-7 | CS-HG50 | CS-HG400 | CS-HG500-10 | CS-HG700 |
1,364 | 2,754 | 2,736 | 4,250 | 6,400 | |
チェーン | CN-HG40 | CN-HG40 | CN-HG93 | CN-HG95 | CN-HG601 |
1,810 | 1,810 | 2,715 | 3,268 | 3,118 | |
リアディレイラー | RD-TZ500-GS | RD-TZ500-GS | RD-TZ500-GS | RD-4700-GS | RD-R7000-GS |
1,654 | 1,654 | 1,654 | 4,254 | 6,555 | |
ホイール | WH-R501 | WH-R501 | WH-R501 | WH-R501 | WH-R501 |
10,645 | 10,645 | 10,645 | 10,645 | 10,645 | |
合計 | 16,753 | 19,054 | 20,252 | 46,261 | 54,565 |
差額 | – | 2,301 | 1,198 | 26,009 | 8,304 |
価格は2024年5月Amazon調べ。
7速カセットスプロケットはローギヤ32T。8速以上ローギヤ34T。
7速のカセットスプロケットには別売りのスペーサーが必要。
チェーンは7速8速共通。
リアディレイラーは7速から9速まで共通。
11速カセットスプロケットは11-34Tのみ10速までのホイールに取付可能。
12速は12速対応ホイールが必要。(11速対応ホイールにも取り付けできますが、リアディレイラーのケージがスポークに干渉する場合があるので非推奨)
リムブレーキ対応の12速デュアルコントロールレバーはアルテグラ以上のみ対応と11速よりさらに高くなるので比較対象外。(2024年5月現在)
カセットスプロケット化するにはホイール(またはハブ)の交換が必要ですので、7速から多段化しなくても費用は大きいです。
そして、9速まで多段化したとしてもアップグレードに掛かる費用は大して変わりません。
ですが、10速にしますとクランクセットとボトムブラケットを交換する必要がありますので、費用が一気に膨らみます。
ですので、7速からの多段化は9速までに留めた方がコストパフォーマンスは高いです。
まとめ
クイックレリース化するには、フレームのリアエンド幅が130mmである事を確認する。
確認できたら、カセットスプロケット用リアホイールのフリーハブボディにスペーサーを入れてから7速用のカセットスプロケットを装着する事でクイックレリース化ができる。
ローギヤが大きいカセットスプロケットを使用する場合、リアディレイラーをロングケージタイプにする必要がある。
ボスフリーの問題点はチェーンから伝達される負荷が片側の玉受けに集中するので折れやすく、強度を上げる為に中空軸は使用していない。
7速から9速化した場合、シフターとチェーンも交換する事で約3,500円高くなる程度と費用は大して変わらないのでコストパフォーマンスが高い。
ナット止めからクイックレリース化して、サイクリング中に発生するパンクに備えましょう。
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