ビンディングペダルはどれも形が似ていますよね。
ペダルごとにクリートの固定力が違う事が分かる。
ライドの目的に合ったおすすめのビンディングペダルが分かる。
ビンディングペダルを買い替えようとしている人
各グレードのビンディングペダルについてまとめました。
この記事を読んで、ライドの目的に合ったペダルを選びましょう。
それでは、どうぞ。
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目次
本記事の要約
デュラエースのペダルはベアリングの間隔が広く、安定的に力を受け止められます。
アルテグラ以下の3グレードは基本構造が共通化されていて、ベアリングの間隔が狭く力を受け止められにくいです。
ペダルは構造を簡素化しても意外にパワーロスしにくいです。
アルテグラ以下は重量とクリートの固定力に差を付ける事で差別化しています。
クリートの固定力は調整可能です。
グレード間のペダル重量は大して変わりませんので、目的に合ったペダルを選びましょう。
ペダルの構造について
ペダルだけではありませんが、デュラエースとアルテグラ以下は基本構造が違います。
デュラエースのペダルは軸受の配列が理想的
デュラエースのペダルはペダルの根本側と外側にベアリングが配置されています。
2つのベアリングの間隔が広くなりますので、ペダルを踏み込んだ時に加わる力をしっかりベアリングで受けられます。
また、根本側のベアリングがペダルの外に配置されていますので、ペダルの中に納まる軸径を細くできます。
ペダルの軸径を細くしますと軸の中心部とペダル面が近づきスタックハイトを低くできる事により、クリートを軸の中心側により近づけてペダルを踏み込めます。
ですので、ペダルを踏み込んだ時、ペダル軸に直接力を加えている様なダイレクト感があります。
アルテグラ以下は基本構造が共通
アルテグラ、105、ティアグラの3グレードのペダルは軸部分の基本構造がほとんど共通で、ペダルの材質と肉抜き量を変える事により、各グレードのペダル重量に差を持たせています。
軸部分の構造は、軸にベアリングとロックブッシュを組み付けて一体化されたユニットをペダルに組み込んでいます。
軸ユニットに組み込まれているベアリングはペダル中央側と外側に配置されていますのでベアリングの間隔が狭くなり、ペダルを踏み込んだ時ベアリングに加わる力を受け止めにくくなります。
ペダルを踏み込んだ力がベアリングで効果的に受け止められなくなりますと、ベアリングがないブッシュ部でも摺動(しゅうどう)する事で、摩擦力が増えてパワーロスが大きくなります。
また、ペダルの軸ユニットは構造上デュラエースと比べますと太くなる為、スタックハイトが高くなってしまいます。
伝達効率による影響は意外に小さい
実はボトムブラケットと比べますと、ペダルの伝達効率に及ぼす影響は小さいです。
ボトムブラケットはクランクの軸中心部を支点として考えますとベアリングの作用点が支点にかなり近く、ペダルの力点とは距離がかなり離れています。
ですので、ボトムブラケットはベアリングの転がり抵抗の差が力の伝達効率に大きく影響します。
ペダルはペダル軸中心を支点として考えますと、ベアリングの作用点が支点に近い事はボトムブラケットと同じですが、ペダルは軸部分を足の母指球で踏み込みます。
軸付近に力が加わる事で力点と作用点が極めて近づく事でてこの力が働きにくくなりますので、ペダルの転がり抵抗が大きくても力の伝達効率に及ぼす影響は小さく限定的です。
以上の理由により、ペダルの構造を簡素化しても意外に力の伝達効率には影響しない事になります。
クリートの固定力について
各グレードのペダルはクリートの固定力を変える事で差別化しています。
グレードが上がる程固定力が強くなる
グレードはティアグラ→105→アルテグラ→デュラエースの順で上がっていきます。
グレードが上がるにつれてロングライド志向からレース志向に想定ユーザー層を変えています。
ロングライド志向のティアグラグレードのビンディングペダルは信号で停止する時にペダルからクリートを外す事を考慮してクリートの固定力が緩くなる様なバネが取り付けられています。
レース志向のデュラエースグレードのビンディングペダルはレース中にクリートが不意に外れない様に固定力が強くなる様なバネが採用されています。
僕が2つのグレードのビンディングペダルを使って感じた事は、105のビンディングペダルではクリートをはめ込んだ時に「カチッ…」とペダルにキャッチできます。
対してデュラエースのビンディングペダルはクリートをはめ込んだ時に「パチン!」とペダルにキャッチされ、ペダルを踏み込む様にして強く押し込まないとクリートがペダルにキャッチできません。
クリートの固定力は調整可能
すべてのグレードのシマノ製ペダルはクリートの固定力が調整可能です。
各グレードのペダルはクリート固定力の調整範囲が違いますが、調整範囲内で固定力を強くしたり弱くしたりできます。
ですので、上位グレードのペダルを使いたくても固定力が強過ぎて敬遠している人は、クリートの固定力を弱めに設定して使用できます。
逆に下位グレードのペダルを練習で使っていてクリートの固定力が弱くて困っている人は、固定力を強めに設定する事で、使いたいグレードのペダルを理想の固定力に調整して使用できます。
ビンディングペダルの選定について
ライドの目的に合わせて適切なクリートの固定力のビンディングペダルを選びましょう。
ライドの目的に合わせてペダルを選ぶ
ペダルは構造面を考えますと実質上2グレードしかなく、デュラエースかデュラエース以外かの二択になります。
レース志向で一度走り出したら足をつく事が少ない場合は、スタックハイトが低くてクリートの固定力が強いデュラエースグレードのペダルがおすすめです。
ロングライド志向や実走練習で使用する用途でしたら、頻繁に停車する事を想定して105グレードのペダルをおすすめします。
ペダル重量は大して変わらない
ペダル重量もグレード毎に違います。
デュラエースグレードのPD-R9100は228g、アルテグラグレードのPD-R8000は248g、105グレードのPD-R7000は265gと約20gずつグレード間で重量が違っています。
重量差はわずかしか違いませんので、アルテグラからデュラエースにした所で価格に見合う軽量化には期待できません。
ですが、わずかな伝達効率低下も気にする人は、構造面で妥協をしていないデュラエースのビンディングペダルをおすすめします。
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コストパフォーマンスを考えますと105グレードのペダルがお得です。
まとめ
デュラエースのペダルはベアリングの間隔が広くなっているので、安定的にペダルに加えられた力を受け止められる。
アルテグラ以下の3グレードのペダルはコストダウンの為に基本構造が共通化されており、またベアリングの間隔が狭くペダルに加えられた力を受け止められにくい。
ペダルによるパワーロスはボトムブラケットほど影響が大きくないので、構造を簡素化しても意外にパワーロスしにくい。
アルテグラ以下のペダルは基本構造が同じだが、重量の他にクリートの固定力に差を付ける事で差別化している。
クリートの固定力は調整可能なので、使いたいペダルのクリート固定力を調整して使いやすくできる。
グレード間のペダル重量は大して変わらないので、目的と使いやすさでペダルを選ぶ。
ペダルの構造や特徴を理解して、自分に合ったビンディングペダルを使いましょう。
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