完走するまで快適にペダルを回せられる方法はありますか?
ライド後半になりますと、疲れてペダルが重く感じますよね。
上りでも軽く回せられるカセットスプロケットが分かる。
上り用カセットスプロケットの特徴が分かる。
長距離を走りますと脚の筋肉が疲労してペダルを強く踏めなくなります。
また、重いギヤを使用し続けますと膝への負担が大きくなりますので、膝が痛くなります。
そこで本記事では、上りでも軽く回せられるカセットスプロケットについて取り上げます。
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目次
本記事の要約
歯数が多いカセットスプロケットを使用しますと速度が落ちますがペダルが軽くなりますので、脚の筋肉が疲労しづらくなる事でペースを維持しやすく膝も痛くなりにくいです。
ただし、中間ギヤの歯数差が大きくなりますので、変速した時にケイデンスやペダルの負荷が急激に変わります。
大きなスプロケットは脚にやさしい
ローギヤの歯数が多いカセットスプロケットは上りでもペダルが軽いですので、ロングライドでは脚が疲労しづらく、自宅に着くまでペースを維持しやすいです。
上りでもペダルが軽い
ローギヤの歯数が少ないカセットスプロケットを使用している場合、上り勾配がきつくなりますとシッティングではペダルが重くなり過ぎますので、ダンシングしないと上れません。
ダンシングも長時間し続けられませんので、その都度自転車を降りて歩く事になります。
そこで、ローギヤの歯数が多いカセットスプロケットに交換しますと速度は落ちますが、ペダルが軽くなりますのでシッティングで無理なく上り続けられます。
脚を温存できるのでロングライドに最適
ダンシングや低いケイデンスなどで長時間ペダルを強く踏み込んでいますと膝が痛くなりやすいです。
そこで、ローギヤの歯数が多いカセットスプロケットに交換しますと、ペダルが軽くなりますので膝が痛くなりにくいです。
また、軽いギヤをクルクル回せられますので、長時間ペダルを漕ぎ続けても脚の筋肉が疲労しづらい為、完走するまでペースが落ちずに走れます。
大きなスプロケットの問題点
ローギヤの歯数が多いカセットスプロケットは、中間ギヤの歯数差が大きくなりがちですので走りづらいです。
変速時ケイデンスの変動が大きい
トップギヤの歯数は11Tが主流です。
ローギヤの歯数はカセットスプロケットごとに異なり、歯数の少ない平坦路用の物から歯数の多い上り用の物まであります。
歯数の少ない平坦路用カセットスプロケットはトップギヤとローギヤとの歯数差が少ない為、中間ギヤの歯数差を少なく抑えられます。
変速しても大してペダルの負荷が変動しませんので、勾配や風の抵抗に合わせてこまめに変速する事で常に最適なケイデンスと負荷で走り続けられます。
歯数の多い上り用カセットスプロケットはトップギヤとローギヤとの歯数差が多い為、中間ギヤの歯数差が大きくなります。
変速した時に大きくペダルの負荷が変動しますので、「負荷が軽くなったので変速したら負荷が重くなり過ぎてしまい結局ギヤを戻してしまう」事もよくあります。
若干スプロケットの重量が増える
スプロケットの歯数が多くなる程、重量が重くなります。
例えば、CS-R8000のカセットスプロケットで比較しますと、11-25Tでは232gですが、11-34Tでは335gと100g以上の重量増になります。
ロングライドでは100gの重量増になったとしてもほとんど影響がありませんが、ヒルクライムレースでは100gでも重量増が気になります。
ヒルクライムレースで歯数の多いカセットスプロケットを使う場合は、コースの最大勾配に合わせたカセットスプロケットを使いますと重量を抑えられます。
また、中間ギヤの歯数差も抑えられますので変速してもペダルが急に重くなりにくく、負荷に合わせて積極的に変速して走れます。
大きいスプロケットに交換しよう
ローギヤの歯数が多いカセットスプロケットに交換した場合、チェーンやリアディレイラーの交換が必要になる場合があります。
スプロケット
8速のクラリスから11速のアルテグラまで11-34Tのカセットスプロケットがあります。
どちらもローギヤの歯数が同一ですので一見同じ様に使えそうですが、中間ギヤの歯数差が全然違います。
8速は中間ギヤの歯数差が大きいですので変速しますとケイデンスが大きく変わりますが、11速は中間ギヤの歯数差が小さいですので変速してもケイデンスが8速ほど大きく変わりません。
90ケイデンスでペダルを漕いでいる時にシフトアップした時のケイデンス落ち込みグラフ。
トップギヤ付近は8速も11速も変速時のケイデンスの変化はありません。
中間側からローギヤは8速が大きく低下していますが、11速はケイデンスの低下が抑えられています。
スプロケットの枚数が少ないと走りにくくなります。
ロングライドでは無理に速く走る必要がないですので問題ありませんが、1秒を削るレースでは変速した時に急にペダルが重くなったり軽くなったりする為、かえってタイムが悪化する事もありますので注意が必要です。
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11-34Tのカセットスプロケットはトップギヤとローギヤの歯数差が大きいですので、どうしても中間ギヤの歯数差が大きくなる事で変速時にペダルの負荷が大きく変わります。
そこで、トップギヤや中間ギヤをスモールパーツで取り寄せてカセットスプロケットを自作しますと、平坦路と上りの両方で走りやすくなります。
チェーン
ローギヤが大きいカセットスプロケットに組み替えた場合、チェーンの長さが足りなくなる事がありますので、交換時にローギヤまで変速できるか確認しましょう。
まずは、自転車をサイクルスタンドに乗せてクランクを回しながらフロントをアウターギヤにリアをローギヤに変速して、フロントとリアの両方が一番大きなギヤになる様にします。
もし、アウターローギヤの組み合わせの時にチェーンの長さが足りませんと、リアディレイラーやディレイラーハンガーがチェーンリング側に強く引っ張られますので、ペダルを漕ぎますとリアディレイラーやディレイラーハンガーが壊れてしまいます。
チェーンの長さが足りない場合は新しいチェーンを必要な長さに張り直して、アウターローギヤで走れる様にしましょう。
下記画像:アウターローギヤに変速した時のリアディレイラーの状態
適度なチェーン長さの時のリアディレイラーの状態。
プーリーケージがチェーンに引っ張られていますが、適度に遊びがあります。
この状態を目安にチェーンの長さを決めましょう。
チェーン長さが足りない時のリアディレイラーの状態。
この状態でペダルを漕ぎますと、リアディレイラーやディレイラーハンガーが壊れます。
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リアディレイラー
ショートゲージのディレイラーはテンションを張れるストローク量が小さいですので、一番歯数が多いアウターローギヤから一番歯数が少ないインナーローギヤに変速した時にチェーンを張り切れずに緩んでしまいます。
チェーンが緩みますと、スプロケットの歯とチェーンが噛み合わずコマ飛びします。
インナーギヤを入れた時はリア側のギヤを中間付近までしか使わない方法もありますが、ロングゲージのディレイラーに交換した方がすべてのギヤの組み合わせに対応できますので良いです。
リアディレイラーは同じ型式のGSタイプを選ぶと良いですが、ティアグラST-4700以外の10速用デュアルコントロールレバーを使われている人は同じ型式のリアディレイラーが生産終了で手に入りませんので、8速や9速用のリアディレイラーで代用しましょう。
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互換性がありますので、SORAのリアディレイラーでも問題なく使用できます。
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10速はティアグラ4700シリーズとそれ以前の製品とでは互換性がありません。
例えば、ST-5700とRD-4700の組み合わせはワイヤー引き量が違う為、変速できませんので購入する時は注意しましょう。
カセットスプロケット交換工具
ホイールからカセットスプロケットを脱着する工具も必要ですので、持っていない人は「スプロケットリムーバー」と「フリーホイールリムーバー」を買っておきましょう。
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まとめ
歯数が多いカセットスプロケットを使用すると、速度が落ちるがペダルが軽くなる。
ペダルが軽くなると脚の筋肉が疲労しづらくなるので、ペースを維持しやすく膝も痛くなりにくい。
ローギヤの歯数が多いカセットスプロケットは中間ギヤの歯数差が大きいので、変速するとケイデンスの変動が大きい。
スプロケットの歯数が多くなる程、スプロケットの重量が増える。
変速数が増える程中間ギヤの歯数差が小さくなるので、ケイデンスの変動が小さくなる。
カセットスプロケットの交換だけで済む場合もあるが、チェーンの長さが足りなかったりショートゲージのリアディレイラーを使っていたりする場合は、チェーンやリアディレイラーの交換が必要である。
歯数の多いカセットスプロケットに交換して、ロングライドを走り切るまでペースを維持しましょう。
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