ロードバイクで週末のロングライドを楽しんでいますが、ロングライド後半になると腕が疲労してきて姿勢の維持がきつくなります。
前傾姿勢のポジションがしやすくなる方法はありますか?
ロングライド後半では腕も疲労してくるので、ポジションの維持もきついですよね。
腕で上半身の体重を支えていますので、長時間乗っていますと腕が痛くなりますよね。
ハンドルにクリップオンタイプのエアロバーを付けますと肘あてに上半身の体重を乗せられますので、腕への負担が大きく軽減できます。
エアロバーを使うとロングライドが快適になる事が分かる。
エアロバーは小さな費用で空気抵抗を大きく減らせられる事が分かる。
ロングライドで腕の負担を軽減して、楽にポジションを維持したい人。
エアロバーはタイムトライアルレースやトライアスロンなどの競技で使用されています。
ですが、緩い速度で走行するロングライドで使用しても十分に効果があります。
そこで本記事では、ロングライドでエアロバーを使うメリットについて取り上げます。
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目次
本記事の要約
エアロバーを使用しますと肘あてに寄りかかる様に乗れる為、腕や手が痛くなりにくいだけではなく、手が痺れにくいですのでロングライドに最適です。
ツーリングにエアロバーが適している理由
腕への負担が軽減できる
ドロップハンドルを握った場合、体重を腕で支える必要がある為、長時間走行していますと腕や手が痛くなってきます。
ですが、エアロバーを握っていますと肘あてに寄りかかる様に乗れます。
それにより、ドロップハンドルを握るよりも腕や手が痛くなりにくく、ポジションの維持も楽になります。
手が痺れにくい
肘あてに寄りかかれる為腕や手が痛くなりにくいですが、ドロップハンドル程しっかりハンドルを握って体を支えなくても姿勢の維持ができます。
また、肘あてに寄りかかりますと腕に伝わる走行中の振動は肘あてから多く伝わりますが、肘あてには厚手のクッション材が付いていますので振動を大きく軽減できるので手に伝わる振動は少なくなる為、手が痺れにくいです。
エアロバーにもサイコンやライトが取り付け可能
ドロップハンドルやステムに複数のサイクルコンピュータやライトを取り付けようとしても取り付け可能な場所には限りがありますので、取り付ける物を絞らなくてはなりません。
ハンドルエクステンダーを付けますと、より多くのサイクルコンピュータやライトが増設できますが、エアロバーを付けてもサイクルコンピュータやライトを増設できます。
速度やケイデンスはサイクルコンピュータで確認して、パワー値や現在時刻や気温はコンパクトなGPSサイクルコンピュータで確認して、走行ルートは大きいGPSサイクルコンピュータで表示させる使い方ができます。
頻繁に見るサイクルコンピュータをエアロバーに取り付けますと視線移動が少なくて済みますので、フラットバー部分に取り付けるよりも見やすくなります。
また、ライトも強力なバッテリーライトと乾電池式のライトを空いたスペースに取り付けますと、どちらか片方の電池が切れても夜間走行できます。
費用対効果が高く空気抵抗を大きく減らせられる
パーツの違いによる空気抵抗軽減効果一覧表
パーツ 価格 空気抵抗
軽減効果1ワット軽減に
必要な金額60km走行した時に
縮められる時間交換前 サイクルジャージとビブタイツ
交換後 スキンスーツ71,250 3.69 19,309 30秒 交換前 21mmハイトリム
交換後 ディープリムホイール(54mm)179,850 10.17 17,684 1分36秒 交換前 サイクルソックス
交換後 エアロソックス5,100 0.33 15,455 6秒 交換前 標準的なヘルメット
交換後 エアロヘルメット45,000 7.56 5,952 1分30秒 交換前 40cm幅のドロップハンドル
交換後 36cm幅のドロップハンドル3,750 2.43 1,543 18秒 交換前 なし
交換後 クリップオンタイプのエアロバー21,000 31.33 670 6分21秒 変更前 ブラケットポジション
変更後 ブラケットのフード部分に手を添えたポジション0 22.38 0 4分24秒 出典:The best-value aero upgrades wind tunnel tested and ranked
・為替レートは1ドル150円で換算
・空気抵抗軽減値は35km/hで走行した時のデータ
風洞実験で時速35km/hに相当する風を当てて、完成車に取り付けられているパーツやライダーのウェア類を基に、パーツやウェア類をアップグレードした時の空気抵抗軽減効果を検証したサイトより表を抜粋して日本語訳しました。
上記表では18万円掛けて54mmハイトのカーボンディープリムホイールに交換した時に得られる空気抵抗軽減効果は10wです。
それに対して、2万円のクリップオンタイプのエアロバーを付けてエアロポジションを取りますと31wも空気抵抗が軽減できます。
また、スキンスーツとカーボンディープリムとエアロソックスとエアロヘルメットの4点を交換しても空気抵抗軽減効果は21wになり、エアロバーの31w軽減と比べますと投資費用が高くなる割に効果が劣ります。
クリップオンタイプのエアロバーに交換してエアロポジションで走行する事により、速度にして2.3km/h速くなります。
エアロバーを付けて速くなった時の速度計算方法は、
6分21秒=381秒
\(\frac{60}{\frac{60}{パーツ交換前の時速}-\frac{削減できる秒数}{3600}}\)
=\(\frac{60}{\frac{60}{35}-\frac{381}{3600}}\)
=37.3km/h
変更前の走行速度が35km/hですので、37.3km/hから35km/hを減算(引き算)しますと2.3km/h速くなった事になります。
上記表に記載しているデータは2万円のクリップオンタイプのエアロバーですが、アルミ製でマイナーなメーカーでよければ3,000円台で購入でき、2万円のクリップオンタイプのエアロバーと同じ効果が得られます。
ちなみに、エアロバーを使わなくてもドロップハンドルのブラケットのフード部分に手を添えたポジションを取る事で22wの空気抵抗が軽減でき、縮められる時間から走行速度を計算しますと1.6km/h速くなります。
レースやイベントではエアロバーが使えませんので、僕はブラケットのフード部分に手を添えて走行していますが、このポジションにする事で体感できる程速くなります。
なお、このポジションは腕と腹筋に加わる負荷が大きいですので、長時間そのポジションを維持しづらい事が難点です。
サドルを上げてサドルを前方にセッティングしますと、ブラケットのフード部分に手を添えたポジションを取りやすくなります。
エアロバーの注意点
ブレーキがすぐに掛けられない
エアロポジションからブレーキを掛ける場合、一旦ドロップハンドルに握り替える必要がある為、ブレーキ操作が遅れます。
ブレーキ操作が1秒遅れると28km/hで走行した場合、8m以上空走距離が伸びますので危険です。
また、エアロポジションは不安定でコーナーリングも難しいですので、路肩が狭くて交通量が多い道や見通しの悪い道や急な下り坂では、エアロバーではなくドロップハンドルを握った方が安全です。
なお、エアロポジションは速度が落ちるとより不安定になり危険ですので、低速域ではドロップハンドルに握り替えましょう。
ダンシングすると膝が当たりやすい
エアロバーを取り付けますとダンシングした時に膝が肘あてに当たります。
ロングリーチのドロップハンドルを使われている人はショートリーチのドロップハンドルに交換して、ブラケットの距離が短くなった分長いステムに交換しますとダンシングした時に膝が肘あてに当たりにくくなります。
すでにショートリーチのドロップハンドルを使われている人はダンシングしなくても急な上り坂を上れる様に歯数の多いカセットスプロケットに交換するか、上りが多いコースではエアロバーを外しておきましょう。
カーボンハンドルには取り付けられない
クリップオンタイプのエアロバーはカーボンハンドルには取り付けられません。
カーボンハンドルはクランプされる部分を肉厚にして、強く締め付けても割れにくい構造にしていますが、クランプされない部分は軽量化の為に薄く作られています。
ですので、メーカーが想定していないハンドルの肉厚が薄い部分でクランプしますと、強く締め付けた時にカーボンハンドルが割れます。
レースやイベントでは使用できない
エアロバーはハンドル操作が難しく、とっさにブレーキが掛けられない為、イベントやレースでは大会規則で使用が禁止されています。
タイムトライアルやトライアスロンではエアロバーが使用できますが、一定距離以上の車間距離を取らないとドラフティングと認定されペナルティを受けてしまう為、車間距離が十分に取られております。
ですので、エアロポジションで走行中に前を走っている人が落車したとしても余裕を持って避けられます。
安いアルミ製エアロバーで効果を実感しよう
エアロポジションで走行しますとブレーキ操作が遅れたり、ダンシングでは膝が肘あてに当たりやすかったりするデメリットがあります。
ですが、肘あてに寄りかかりながら走行できる為に腕への負担が小さく、ロングライド後半になっても腕が痛くなりにくいです。
また、カーボンディープリムホイールやエアロフレームに多額の費用を掛けるより遥かに安い費用で導入でき、より速く走行できます。
まずはクリップオンタイプのアルミ製エアロバーを取り付けてみて、快適性や平坦路での巡航速度アップに対する効果をお手軽に実感してみましょう。
僕はこのタイプのエアロバーを装着しています。
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大手メーカー製ですので価格は高めです。
まとめ
・エアロバーを使用していると肘あてに寄りかかる様に乗れるので腕や手が痛くなりにくく、腕への負担が軽減できる。
・肘あてに寄りかかる様に乗るので走行中の振動が肘あてから多く伝わるが、肘あてに装着されているクッション材で振動が大きく軽減されるので手が痺れにくい。
・エアロバーにサイクルコンピュータやライトを取り付ける事により、サイクルコンピュータやライトをより多く装着できる。
・カーボンディープリムなどを装着するよりも、エアロバーを取り付けてエアロポジションで走行した方がはるかに大きな空気抵抗を軽減できる。
・エアロポジションからブレーキを掛ける場合、一旦ドロップハンドルに握り替える必要がある為、ブレーキ操作が遅れる。
・エアロバーを取り付けるとダンシングした時に膝が肘あてに当たりやすくなる。
・カーボンハンドルにクリップオンタイプのエアロバーを取り付けると、カーボンハンドルが割れる。
・イベントやレースでは大会規則で使用が禁止されている。
ロングライドで腕がきつくなったり、手が痺れたりしている人はエアロバーを使用して手への負担を軽減させましょう。
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