雨が降っている時に下り坂でブレーキを掛けたら、利きがかなり悪くて怖い思いをしました。
最近ではディスクブレーキ仕様のロードバイクが増えていますが、雨天に備えてディスクロードに乗り換えた方がいいですか?
雨が降ってくるとリムブレーキの利きが悪いですよね。
ディスクブレーキは雨天でもブレーキの利きが良いですが、リムブレーキでも雨天用ブレーキシューに交換する事で雨が降ってもブレーキの利きが落ちにくいです。
ですので、まずは雨天用ブレーキシューを試してみて、それでもブレーキの利きが気になる様でしたらディスクロードへの乗り換えを検討すると良いです。
無理にディスクロードに乗り換える必要がない事が分かる。
ディスクロードへの乗り換えを検討している人。
雨が降るとリムブレーキは利きが悪くなりますが、ディスクブレーキでは制動力が変わらないメリットがあります。
ですが、リムブレーキのロードバイクに乗っている人は、多額の費用を掛けてまでディスクロードに乗り換えなくても、扱い方やパーツ交換する事で雨天の下り坂でも安心して走行できます。
そこで本記事では、雨天に備えてディスクロードに乗り換えるべきかを考察します。
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目次
本記事の要約
リムブレーキでも雨の下り坂では速度を落としたり、雨天用ブレーキシューを使用したりする事でブレーキ性能を改善できますので、わざわざディスクロードに乗り換える必要はありません。
無理に乗り換える必要がない
現状のロードバイクが痛んで乗り換える必要がある場合はディスクロードに乗り換えても良いですが、自転車の劣化や新モデルの自転車に乗りたい等の理由で買い替える予定ある人以外は現状のロードバイクに乗り続けた方が良いです。
リムブレーキでも十分にブレーキが利く
晴れていればディスクブレーキと同等に利く
油圧式ディスクブレーキは雨天でもホイールロックさせられる程ブレーキ性能が高いですが、リムブレーキでも晴れている場合はホイールロックさせられる制動力があります。
そして、ホイールロックした場合はタイヤが滑りますので、ブレーキの性能は関係なくなります。
慎重に下ればリムブレーキでも問題ない
僕は雨が降っている場合はサイクリングしませんが、天気予報が外れて途中で雨が降ってくる事があります。
また 上りと下りがあるグランフォンド系イベントに参加した時はスタート地点から雨が降っている事がたまにあります。
下り坂で雨が降っていますとリムブレーキの利きがかなり悪くなり、エイドステーション(休憩ポイント)で怪我をしている人を見かける事があります。
雨の下り坂では下ハンドルポジションでブレーキを断続的(3秒間隔を目安に握って離してを繰り返す)に強い力で掛け、速度をかなり落として慎重に下ると安全です。
ゆっくり下っていますと他の参加者によく抜かれますが、僕は上りで抜き返せばいいと思っていますので気にしていません。
雨天の下り坂でブレーキを多用した場合はブレーキシューの摩耗が激しいですので、自宅に帰った後でシューの減りを確認しておきましょう。
雨天用ブレーキシューで雨の下り坂でも制動力が改善
純正ブレーキシューは全天候に対応し耐摩耗性も考慮して作られていますので、雨天ではブレーキの利きが悪いです。
社外品の雨天用ブレーキシューは雨天走行を前提に作られていますので、雨天でも制動力が低下しづらいです。
ただし、雨天でのブレーキ性能を重視している為、耐摩耗性が悪いのでシューの摩耗が速く、常用しますとランニングコストが高くつきます。
練習用とイベントやレースを2台の自転車で使い分けている人は、走行距離の少ない自転車に雨天用ブレーキシューを使うと良いです。
1台で練習からレースまですべてカバーする人は雨が降りそうなイベントやレースでは雨天用ブレーキシューに付け替えるとランニングコストが抑えられます。
プロが使っていてもアマに適しているとは限らない
メーカーと契約しているプロチームは宣伝目的でスポンサーが提供した機材を使ってレースに出場し、提供された製品を宣伝しています。
ディスクブレーキはリムブレーキと比べて重量増になる欠点がありますが、UCI の競技規定には自転車重量6.8kgの制限が加えられています。
ブレーキ類以外のパーツをより軽い物を使用して、ディスクブレーキの重量増を含めても自転車重量を6.8kgに抑える事ができますので、ディスクブレーキの重量増も関係なくなります。
ですが、自費で製品を購入しているアマチュアライダーは、プロ選手が使っているという理由で安易にディスクロードに乗り換えても、費用対効果が悪くなる事が多いです。
ただし、アマチュアでもレースで着を狙えるトップアマチュアは、メーカーや販売店と提携してプロレーサーと同様に提供された機材を宣伝している場合がありますので、本当に使っている機材が効果的か自分で考える必要があります。
ディスクブレーキの問題点
重量が増える
リムブレーキはブレーキキャリパーのみ必要ですが、ディスクブレーキはブレーキキャリパーの他にリザーバータンクとディスクローターと作動油が必要ですので、リムブレーキより重量が増えます。
自転車重量6.8kgの制限があるレースでは他のパーツを軽量化して6.8kgに近づければいいですので、軽量化に余裕があれば問題ありません。
ですが、重量制限のない一般向けのヒルクライムレースでは、自転車重量が重くなる分不利になります。
ペーパーロック現象が発生する
油圧式ブレーキの場合はブレーキフルードを作動油として用いますが、フルードの耐熱温度には限界があり、限界を超えるとブレーキフルードが沸騰して気泡ができるペーパーロック現象が発生します。
ペーパーロック現象が発生するとブレーキを掛けても気泡がブレーキ操作する力を吸収してしまい、十分な力をディスクブレーキキャリパーに伝える事ができませんので制動力が大きく落ちてしまいます。
ちなみにペーパーロック現象を防止するには、長い下り坂では強いブレーキを断続的に掛けると良いです。
また、自転車を倒すとブレーキホース内に空気が入り込む場合があります。
駐輪や輪行した後にはホイールを付けた後でブレーキを握り、ローターを挟む感覚がある事を確認してから自転車に乗りましょう。
もしホース内に空気が入っている場合は、ブレーキレバーを握って離してを繰り返すと空気が抜けていきます。
ディスクブレーキが良い場面
下り坂が含まれる雨天でのレースに出場する人
下り坂が含まれる雨天でのレースにディスクロードが適しています。
ディスクブレーキは雨でも制動力が低下しづらいですので、速度のコントロールに優れており、雨天時の制動力低下が激しいリムブレーキよりも安全です。
また 雨が降っていてもサイクリングする人にもおすすめです。
なお、ディスクロードに乗ってもタイヤのグリップ力低下は同じですので、過度な過信はしない様にしましょう。
シクロクロスレースに出場する人
リムブレーキの自転車で悪路を走行しますとリムに泥や砂が付く事で制動力が低下したり、リムのブレーキ面が砂で削れたりします。
その点ディスクブレーキは路面からディスクローターが離れていますので、泥や砂が付きにくいですし、制動力も低下しにくいです。
また、泥や砂でディスクローターが削れても交換できますので、パーツ交換費用が安く済ませられます。
以上の事から、シクロクロスレースやグラベルロードで悪路を走行する場合にディスクブレーキは適しています。
カーボンホイールにラテックスチューブが使える
リムブレーキの自転車にカーボンホイールを使う場合、ラテックスチューブは使えません。
ディスクブレーキはリムを接触させない為、リムの温度がほとんど上がりませんのでカーボンホイールとラテックスチューブの組み合わせができます。
ただし、タイヤやリムに直射日光が当たりラテックスチューブの耐熱温度を超えますと突然パンクしますので、出走前やエイドステーション(休憩ポイント)で駐輪する時には注意が必要です。
なお、ラテックスチューブを使用すると乗り心地は良くなりますが、路面抵抗が増えます。
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まとめ
リムブレーキのロードバイクは雨天での制動力が大きく低下するが、わざわざディスクロードに乗り換える必要はない。
理由は雨の下り坂でも速度を落とせばリムブレーキでも問題ないから。
また、雨天用ブレーキシューに交換する事で雨の下り坂でも制動力が改善する。
逆に、ディスクロードにする事で自転車重量が増える。
また、油圧式ブレーキでペーパーロック現象が発生すると、ブレーキフルードに気泡が入って制動力が大きく低下するデメリットがある。
雨が降っていてもサイクリングする人や、シクロクロスレースへの出場や悪路を走行する人にはディスクブレーキが適している。
雨が降っている時にサイクリングをしない人は、今乗っているロードバイクを買い替えずに乗り続けましょう。
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