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【ヤバい】雨天走行は危険! ブレーキシューを変えて安心して走ろう

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峠の下りで突然の雨に遭って、ブレーキが利きづらくなって崖に落ちそうになった。

晴れていれば急な下りでも問題なく減速できるリムブレーキですが、でリムが濡れてしまうと急に制動距離が延びますよね。

記事のポイント

リムブレーキは雨天に弱い理由を説明
社外品の雨天に強いブレーキシューはよく利く
ブレーキ系統の内部抵抗を減らし本来の性能を維持する

サイシスト
サイシスト
この記事は以下の様な人におすすめ!
雨が降っている日でも実走する人

今回の記事は、雨天に弱いリムブレーキを改善する方法についてまとめました。

この記事を読んで、今乗られているリムブレーキ仕様のロードバイクを雨天に強くしましょう

それでは、どうぞ。

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雨天に強いブレーキシューに変えると効果的

リムブレーキはリムが濡れるとブレーキが利きにくくなります

社外品のブレーキシューには雨天に強いモデルが存在しますので、純正品から交換する事で雨天時のブレーキ性能は大きく改善します

リムブレーキ構造上の限界

リムブレーキは雨天時制動距離が延びる

雨が降っていなければホイールロックさせられるほど強く利かせられるリムブレーキも、雨が降ってリムが濡れてしまうとリムが滑りやすくなり、晴天時より制動距離が長くなります

雨天の急な下り坂ではさらに制動距離が延び、晴天時と同じ速度で下ろうとしたらコーナー手前で十分な減速ができず、崖に突っ込みそうになった事がありました。

グランフォンド系自転車イベントの雨の下りでブレーキが十分に利かずヒヤッとした事がありましたが、その後のエイドステーションで落車してジャージが破れ、擦り傷の怪我を負った参加者がいました。

リムブレーキの雨天時制動距離が延びる原因

リムで制動させる場合、ブレーキシューでリムを挟み込んで制動させます。

「ハブを始点」「タイヤを力点」「リムを作用点」として考えますと、タイヤの間近にリムがありますので、作用点が力点に近い位置にあります。

作用点が力点の近くに位置していますので、「てこの原理」により小さな力で大きな力を止める事ができますので、強い力を掛けられないゴム製のブレーキシューでも十分な制動力が得られます

ですが、雨でリムが濡れると弱い力でも制動力が得られるメリットが逆にデメリットになります。

弱い力しかブレーキシューからリムに加えられませんので、リムに付着した水分をブレーキシューの弱い面圧で押し出そうとしても十分に除去できません

そうなるとリムに付着した水分が潤滑剤の役割を果たし、晴天時と同じ力でブレーキを掛けてもリムが滑り、制動距離が延びる原因になってしまいます

ディスクブレーキは雨天時でもよく利く理由

リムブレーキの雨天時制動距離が延びる原因を、ディスクブレーキに当てはめて考えてみます。

「ハブを始点」「タイヤを力点」まではリムブレーキと同じ条件ですが、作用点になるディスクローターはハブに近い位置にあります。

それでリムブレーキと同じ制動力を持たせる為には、ディスクローターを強く挟み込む必要があります

その為に強い面圧がディスクローターに加わり、ディスクローターに付着した水分を制動に問題ないレベルにまで除去する事ができます

また、ゴムのブレーキシューだとディスクローターを挟み込む強い力に負けて、削れすぎたり摩擦熱で溶けたりしますので、レジンやメタルなど硬めの素材がディスクパッドに使われています。

ディスクローターはホイールと比べたら安価ですので、消耗品の様に使え、削れたら交換という考え方ができますので、リムブレーキでは使えないディスクローターを強く削ってしまうディスクパッドが使われています。

制動時にディスクパッドはディスクローターを削り込む様に作用しますので、リムの直径よりはるかに小さなローター径でもリムブレーキと同等の制動力で止まれます。

ただし、ディスクローターよりもディスクパッドの方が柔らかく作られていますので、ディスクローターより安価なディスクパッドの消耗の方が速いです。

サイシスト
サイシスト
雨天のブレーキの利き具合はブレーキの面圧に影響を受けます。

ロードバイクのディスクブレーキについては、下記の記事にまとめてあります。

【考察】ディスクロードに変えるべきか?ディスクブレーキは、雨が降っていなければリムブレーキと同じ制動力ですが、雨天でも制動力に優れています。 ただし、路面が濡れていますのでタイヤのスリップが起きやすく過信は禁物です。 雨が降らない時にしか走らない人であれば、今乗られているロードバイクを買い替える必要はありません。...

純正品のブレーキシューについて

上位グレードのブレーキシューは共通

105グレード以上のブレーキキャリパーに使われているブレーキシューは共通の物が装着されています

ですので、105やアルテグラのブレーキキャリパーを使われているのでしたら、純正品でブレーキシューをアップグレードする事ができません

ディアグラ以下はパーツごと交換

ディアグラ以下は、船付きのブレーキシューが付けられています。

こちらをカードリッジタイプのブレーキシューに交換する事で上位グレードと同じブレーキシューを使う事ができ、ブレーキシューがすり減ってもシュー単品だけ交換できますので、メンテナンス費用も安くなります。

純正品ブレーキシューも良くなっているが…

シマノ製のブレーキシューも改良されており、現在は4世代目になります。

僕はR55C2(2世代目)から使っています。

R55C4(4世代目))を使うと確かに雨天時の制動力が良くなっていますが、それでも雨天では制動距離が大きく延びてしまう事が気になります

大手メーカーは市場を見てもっとも利益の出せそうな価格帯で大量に販売する性質上、よく利くブレーキシューを開発できても高くなるブレーキシューを大量に販売する事は難しいと判断していると思われます。

サイシスト
サイシスト
純正品のブレーキシューには限界があります。

よく利く社外品高級ブレーキシュー

社外品上位グレードシューは高いがよく利く

大手メーカーから比べると、中小のメーカーは大手メーカーと同じ薄利多売をしても販売規模が小さいですので、同じ事をしても市場で負けてしまいます。

そこで、大手メーカーが入ってこないニッチな製品を開発して販売しています。

その結果、高くてよく利くブレーキシューも製品化できています。

雨天用ブレーキシューの制動力を検証しているyoutube動画です。
雨天に強いだけあって、雨天時の制動力が全然違います。

よく利くブレーキシューは消耗が激しい

物体は硬い程滑りやすいです。

逆に削れやすければ滑りにくいです。

それは、物体が削れる時にエネルギーが使われるからです

チェーンで例えると、注油して滑らかに動作するチェーンは伝達効率が高く長寿命ですが、注油を怠って油膜切れになったチェーンは伝達効率が落ち、チェーンの寿命も短くなります。

その現象がブレーキシューにも当てはまります。

ただし、チェーンは摺動部が滑れば滑る程高性能ですが、ブレーキシューはリムが滑らないほど高性能になりますので、チェーンとは考え方が逆になります。

ですので、よく利くブレーキシューほどすり減りやすい傾向になりますから、常用するとランニングコストが高くつきます。

高い費用を投資して安全を取るか、純正品を使い続け雨天の下りでは慎重に下るか、ユーザー側で選択する事になります。

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サイシスト
サイシスト
ハイエンドブレーキシューですので、高いですが雨天でもよく利きます。
サイシスト
サイシスト
コスパが良い雨天でも利くブレーキシューです。

ブレーキシューの買い間違えに注意

純正品や社外品に関係なく、ブレーキシューにはアルミリム用とカーボンリム用の2種類があります。

アルミリムのホイールを使っている場合、買い間違えても本来のブレーキ性能が発揮できないだけで使用上特に問題ないですが、カーボン用ブレーキシューはアルミ用ブレーキシューより高価ですので、買う意味がありません。

ちなみに、アルミ用ブレーキシューをカーボンリムに使うとカーボンリムとの摩擦熱でブレーキシューが溶けてしまい、非常に危険です

アルミホイールとカーボンホイールの両方を持っており、練習や普段使いはアルミ、レースやイベントはカーボンと用途に合わせて使い分けたい人向けに、両対応のブレーキシューも販売されています。

サイシスト
サイシスト
雨天も走る人はよく利くブレーキシューを使いましょう。

ブレーキキャリパーの改善

ブレーキ系統の内部抵抗を減らすと効果的

雨天でも強い制動力を得る為にはブレーキレバーを強く握る必要がありますが、人の握力には個人差があり握力が強い人もいれば弱い人もいます。

そこで、インナーケーブルの内部抵抗を減らすと、リムを挟み込む力が改善されます

インナーケーブルをアウターケーブルに入れる前にシフト用グリスを塗布したり、ブレーキキャリパーの摺動部に潤滑油をスプレーしたりして、内部抵抗を小さくすると効果的です。

ただし、ブレーキキャリパーの摺動部に潤滑油をスプレーする時は、リムに油が付かない様にしましょう

もしリムに潤滑油が付いてしまった場合は、パーツクリーナーでリムに付いた油分をきれいに除去しましょう。

リムに油が付いたまま走ると、ブレーキを掛けた時にリムが滑りやすくなり、制動距離が長くなりますので危険です

結局ブレーキキャリパー買い替え?

エントリーグレードのブレーキキャリパーは、上位グレードから構造を簡素化したり強度を上げる処理工程を省いたりして価格を抑えています

その結果、ブレーキを掛けてリムを挟み込んだ際にブレーキキャリパーの内部抵抗が大きく余計な力を加えなければならなかったり、キャリパーが強度不足でしなったりします

そうなると、ブレーキレバーを握って加えた力も内部抵抗で損失して、ブレーキシューには損失後の力のみが伝達される事になります

ですので、ブレーキシューを変えても制動距離に不満が残る場合は、投資費用は増えますが上位グレードのブレーキキャリパーに買い替える事をお勧めします

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サイシスト
サイシスト
エントリーグレードのブレーキキャリパーを使っている人は、上位グレードにアップグレードするとブレーキ性能は改善します。

まとめ

リムブレーキはタイヤ外周付近のリムを挟み込む構造上、リムが濡れると制動距離が延びる

純正品のブレーキシューは改良が加えられており、旧モデルと比較すると雨天時の制動力が良くなっているが、売れ筋の価格帯で販売する戦略上大きくコストを掛ける事ができず、価格に見合った性能になってしまう

社外品は大手が取り扱っていない価格帯の、ウェット性能が良くても短寿命で高価なブレーキシューも販売している

グリスアップと注油をしてブレーキ系統の内部抵抗を減らすとブレーキの利きは改善するが、ブレーキシューアップグレードとブレーキ系統のメンテナンスをしても制動距離に不満があれば、ブレーキキャリパーを上位グレードに買い替えも検討する

ですので、構造上雨に弱いリムブレーキも雨天に強いブレーキシューに交換して安心して走りましょう。