事故ったら大怪我になると聞いていて不安だな。
確かにロードバイクを含むサイクルスポーツは、軽い怪我で済まない場合もあります。
今回の記事は、ロードバイクを安全に楽しむ方法についてまとめました。
落車や事故に遭いやすくなる原因がある
予測運転で事故に遭いにくくなる
練習や普段の心がけで落車しにくくなる
これからロードバイクを始めようとしている人や、すでに乗り始めた初心者。
サイクルスポーツの危険性から事故の予防まで分かる内容にしました。
この記事を読んで、安全にサイクルスポーツを楽しみましょう。
それでは、どうぞ。
目次
予測運転で自転車事故を予防できる

サイクルスポーツはスピードが出ますので爽快さが楽しめますが、万が一事故に遭うと大怪我をする可能性が高いスポーツです。
ですが、自動車の運転同様、自転車も予測運転を心がける事で事故を予防できます。
サイクルスポーツは危険なスポーツ

他のスポーツと比べますと、サイクルスポーツは大怪我する可能性が高い危険なスポーツです。
打ち所が悪ければ、半身不随になったり死亡したりする場合もあります。
野球やソフトボールでは、打者が打った強烈なライナーが顔面に直撃したりクロスプレーでランナーと野手がぶつかったりして担架に運ばれる事はありましたが、死亡事故があった話は熱中症以外では聞いた事がありません。
ただし、硬球では危険球や強烈なライナーが顔や胸に当たって死亡した事例があります。
マラソンなどの長距離陸上競技では、他の選手とぶつかって転倒しヘルメットを被っていない頭をアスファルトに強打して死亡する事はありますが、自転車と違い速度域が低いですので大抵軽い怪我で済む事が多いです。
ただし、自転車と同じ持久系競技ですので追い込み過ぎによる心停止発生リスクは同じです。
それに対してサイクルスポーツは速度域が高く、ヒルクライムでは10~20km/h、平地巡行では30~40km/h、下りでは40~80km/hにまで速度が上がり、条件が揃えばオートバイと同じ速度域になります。
オートバイと同じ速度域で事故が発生しましたら大怪我するリスクは非常に高くなり、場合によっては死亡事故になる事もあります。
落車するとこうなる

これから紹介する事例は事故の一例ですので、他にも事例はたくさんあります。
脊髄損傷すると半身不随になる
落車時背中や首をアスファルトに強打すると、脊髄損傷して自転車に乗れなくなる所か歩く事すらできなくなり、車いす生活になってしまう事もあります。
有名な事例は自民党の谷垣幹事長(当時)で、2016年7月サイクリング中に事故に遭い、脊髄損傷した結果車いす生活になりました。

他にも、実写映画弱虫ペダルの撮影中に俳優が落車して脊髄損傷した事がありました。
崖に落ちて大腿骨骨折
峠の下りで十分に減速していない為に、コーナーを曲がり切れずそのまま崖に落ちた事故がありました。
その翌日の新聞記事に「サイクリング中に斜面に転落し大腿骨骨折の大怪我」と書かれていました。
落車で腰がやられる
落車時に腰を強打すると、脊髄損傷の大怪我をしなくても腰がやられる事があります。
腰がやられると平坦での巡航中に前傾姿勢を維持できなくなるだけではなく、ヒルクライムも腰への負担が大きいですので、腰に大きな負担が掛かるレースはできなくなります。
走り慣れた練習コースも油断は大敵
走り慣れている、定番の練習コースも注意が必要です。
コースは毎回同じですが、「機材の状態」「交通状況」「路面コンディション」「風向き」は毎回変わります。
いつもと同じ速度に減速して下りコーナーを曲がろうとしたら、前回までは問題なくても今回はタイヤのグリップが不十分で滑り落車転倒するかも知れません。
落車や事故になる原因

これから紹介する原因は落車や事故の一例ですので、他にも原因はたくさんあります。
疲れてくると注意散漫になる
人の集中力には限界がありますので、疲労の限界を超えると注意力が落ちます。
走行中に人や車を見落としてしまったり人や車の動きを予測できなくなったりすると、そこから事故に遭う事もあります。
また、長距離ツーリングで朝早く出発した場合はサイクリング中に眠くなる事もあり、そのまま無理に走り続けていますと居眠り事故を起こす事もあります。
サイクリング中に疲労や眠気を感じた時は、無理をせずに休憩や仮眠を取りましょう。
路面コンディションに注意
晴れていて路面が乾燥している場合はタイヤが滑る事は少ないですが、路面コンディションは日々変わり、雨で路面が濡れたり落ち葉が路面に落ちたりしていて滑りやすくなっている場合もあります。
雨が降っている時の下りは速度を路面乾燥時より控えめにし、マンホールのフタが濡れていたり落ち葉が落ちていたりした場合は避けて走りましょう。
ですが、急ハンドルを切らなければ避けきれない場合、無理に避けようとせず慎重に真っ直ぐ走り抜けた方が落車を防げます。
ハンドルが突然ブレだす現象に注意
ジミー現象が起きているyoutube動画です
僕自身は発生した事はありませんが、レース中に1回、イベントライド中に1回、隣を走っていた人のハンドルが急にブレだして転倒するのではないかと思っていました。
急にハンドルがブレだす現象を「ジミー現象」と言い、主にオートバイで発生します。
自転車もオートバイと同じ二輪車ですので、条件が揃えば自転車でも発生します。
もし「ジミー現象」が発生してしまった場合は10秒程度で現象が収まりますので、ハンドルをしっかり握り現象が収まるまで待ちましょう。
予測運転で事故率を大幅に減らせられる

自動車の運転と同じでサイクリング中も交通状況を予測する「かもしれない運転」を心がければ、事故に遭う確率を大幅に減らせられます。
自動車事故をよく起こす人とほとんど起こさない人との差は、予測運転にあると思います。
「無理に車が右折してくるかも」「駐車場から車が出てくるかも」「自転車が車道左側からこちらに寄ってくるかも」などと予測できれば、即座にブレーキを踏める様に身構えたり距離を取ったりして相手の動きに反応する事ができます。
自転車の運転も自動車の運転と同じですので、相手の行動を予測して自分が予防措置を取れば、事故に遭う確率を大幅に減らせられます。
事例1 子供が飛び出してきた
子供の動きは、イタリアセリエAのサッカー選手の様に予測困難な動き方をします。
また、興味がある物が見えた時は、周りの状況を考えずにイノシシの様に目標に向かって全力ダッシュしてきます。
ですので、「子供を見たら赤信号」と思い、子供が歩道にいても気を緩めずに注意して走りましょう。
事例2 ママチャリを抜こうとしたら急な進路変更をしてきた
ママチャリを歩行者感覚で乗られている人が多いと思います。
歩行者は後ろを気にする事は少ないですので、急に止まったり進路を変えたりしますが、ママチャリも急に止まったり進路を変えたりします。
ですので、ママチャリを追い越す際は十分な距離を取りましょう。
なお、ランナーもノールックで右や左に曲がったり折り返したりしてきますので、ママチャリ同様に追い越す際は十分な距離を取りましょう。
事例3 サイクリングロードに原付が突っ込んできた
サイクリングロードは人と自転車しか進入できませんが、原付バイクがいきなり入ってくる事も稀にあります。
他にも、工事車両がサイクリングロードに入ってくる事もあります。
サイクリングロードで走っている時も、いつでも回避できる様に心がけておきましょう。
事例4 車が追い抜きざまに左折してきた
サイクルスポーツに興味のないドライバーにとって、自転車は遅いと思われています。
ドライバーから遅いと思われていても、ロードバイクは平地でも40km/hで走っている事もよくあります。
そのロードバイクを抜い抜いた直後に左折して、進路を塞がれて事故に遭う事があります。
交差点では、後ろも気にして走りましょう。
事例5 交差点で車が無理に右折してきた
オートバイは自動車から比べると小さいですので、実際は間近に迫っていてもドライバーからは遠くに離れていると錯覚してしまい、自動車が右折した結果事故が起きる事があります。
自転車もオートバイと同じで、ドライバーからは小さく見える上に目立ちにくいですので、遅いと誤認されて右直事故になる事があります。
その対策として、明るいライトを点滅させたり、車が無理に右折してくるかもと予測したりしてサイクリングするといいでしょう。
事例6 自転車を見落とし車が飛び出してきた
車が車道に出てくる際に、左側を気にするあまり右側はおろそかになっている事も考えられる為、右側を確認せずに車が車道に出てくると右から来た自動車や自転車と事故になります。
ですので、車は「右側がおろそかになっているかも」と予測して、車道右側に車が走っていないと確認できていれば距離を取って通過しましょう。
事例7 信号待ちの車をすり抜けていたら車のドアが開いた
信号待ちの車が多く路側帯を走っていたら、車のドアが突然開いて人が降りてくる事もあります。
路側帯が狭い所では無理にすり抜けず、その場で待ったり路側帯が広くても車を通り抜ける時は徐行したりしましょう。
車が右折しようとして止まっている場合は、対向車線からは車しか見えていませんので、対向車線の右折車はそのまま右折してくる事もあります。
交差点付近で車が止まっている場合は、減速して右直事故に遭わない様にしましょう。
事例8 ブラインドコーナーから対向車が来た
カーブがきつく先が見えないブラインドコーナーで、対向車がセンターラインをはみ出してきたり、ブラインドコーナーで駐車している車がいたりするかもしれません。
ブラインドコーナーを通過する時は、対向車と駐車車両に注意しましょう。
事例9 タヌキが飛び出してきて轢いた
車道を走っていると、車に轢かれたタヌキの死体をよく見ます。
どうも、夜間ライトの光に向かって走ってくる習性があるのではないかと思います。
夜にロードバイクで走っている時にタヌキが突っ込んできて轢いてしまった事が2度あり、あまりに突然すぎて回避行動が取れずそのまま直進しましたが、それが良い結果となり落車せずに済みました。
ロングライドやブルベで夜間走行するは、動物の飛び出しにも注意しましょう。
事例10 段差で滑りそうになった
車道はどこでも路面の状態がいい訳ではありません。
舗装されてから月日が経ち、劣化してアスファルトに割れや亀裂が入っている事もあります。
そのアスファルトの亀裂にタイヤが乗り上げ、後輪がスリップして落車しそうになった事がありましたが、バランスを崩し落車しそうになった時にタイヤのグリップが戻り落車せずに済んだ事がありました。
路面のひび割れにも注意して走りましょう。
事例11 後輪のスポークが切れて後輪ホイールロック
ロードバイクのチェーンがローギヤからさらに内側に入り、チェーンがハブに噛み込みホイールロックした事があります。
ですが、バランスを崩す事はなく落ち着いてブレーキを掛けて停車できました。
例えスリップしても、バランスを崩さなければ落車を防げます。
事例12 パンクによる急激な空気抜け
車道の路側帯側には、小石やガラス片やクギが落ちている事もあり、タイヤに刺さるとパンクする事がありますが、スローパンクする事もあれば急激に空気が抜ける事もあります。
走行中急激にフロントタイヤの空気圧がなくなると非常に不安定になります。
もし急激に空気が抜ける様なパンクが起きてしまった時は、バランスを崩さない事を意識して慎重にブレーキを掛けて停車すると大丈夫です。
事例13 レースで集団落車
1:50あたりで集団落車が起こります
レースで集団走行をしている時に前方の走者が落車すると集団落車に発展します。
特に集団が密集しやすく速度が出ている平地でのレースには注意が必要です。
よく集団の前方を走れと言われていますが、それができないから前方以外を走っています。
レースですので、どうしても前走者と距離を詰めて空気抵抗を軽減して脚への負担を減らす必要がありますので、防ぎようのないのが集団落車です。
落車を減らす対策

バランス感覚向上に三本ローラーが効果的
バランス感覚が良くなれば、落車しそうになっても持ちこたえられやすくなります。
停車時にギヤを落とす操作を忘れた為、走り出そうとした際に重くなったペダルを踏んで、体勢を崩し立ちごけする人がいました。
また、逆に15%の激坂でフロントディレイラーの不調でインナーギヤに入らず、アウターロー30ケイデンスで落車せずに上り切れた人もいます。
この差は、バランス感覚によるものではないかと思います。
そのバランス感覚を磨くには、三本ローラー台での練習が効果的です。
不安定な三本ローラー台での練習は、バランス感覚を磨くには良い練習になります。
負荷付きの三本ローラー台にすれば、バランス感覚向上の他に脚力を付ける練習ができますが、本来ローラー台は脚力向上の為に使う室内用の練習機材です。
雨の日でも夜でも関係なく練習できますが、夜遅くに家で練習すると騒音トラブルになったりアパートやマンションで練習するとトラブルの元になったりしますので、防振マットをローラー台の下に敷くなどの騒音対策が必要です。
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MTBやグラベルバイクでの悪路走行
マウンテンバイクやグラベルバイクは、舗装されていない不整地でも問題なく走れる様に作られた自転車です。
タイヤはブロックタイヤですので土の上でも走れますが、滑りやすく不安定ですので走っている内にバランス感覚が身に付きます。
マウンテンバイクかグラベルバイクをすでに持っていて近くに不整地コースがあればいいですが、機材がなかったり練習コースが遠かったりした場合は三本ローラー台での練習がいいでしょう。
落車時体全体で受け身を取る
もし落車してしまった場合は無理に手を着かず体全体で受け身を取りますと怪我が軽く済む事もあり、逆に手をついて受けようとすると腕に負荷が集中して骨折する可能性が高くなります。
中学の授業で受けた柔道も、もしもの為に役に立ちます。
ちなみに、僕は柔道の授業が痛くて嫌いでした。
停車時は両足のクリートを外す
信号待ちで左のクリートだけ外して右足はクリートで連結されたまま停車した場合、不意にバランスを崩した際に右側に倒れてしまうと、とっさに右足が地面につけず転倒してしまう事もあります。
もしも、その時に車が来たら轢かれてしまいますし、停車している車が右側にいると物損事故になります。
ですので、停車する時は右足のクリートも外しておくと、右に倒れそうになった時も右足を地面について転倒を防げます。
まとめ
風向きや勾配によっては自動車に近い速度で走行でき、その速度で万が一落車すると大怪我や死亡事故にもなりうるサイクルスポーツは危険なスポーツ。
走行中に落車すると、半身不随や大腿骨骨折や腰を痛める大怪我を負う可能性もある。
路面が濡れると滑りやすくなったり、疲労がたまると注意散漫になったりするので、それらが事故の原因になる場合がある。
自分以外の車や人の行動を予測する事で、事故に遭いにくくなる。
バランス感覚を養えば、姿勢がより安定し落車しにくくなる。
以上の理由から、サイクルスポーツは危険ですが乗り方次第で安全に楽しめます。