検証

【効果あり?】ホイールバランス調整で速くなるのか

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あなた
あなた
ホイールバランスを取ると回転が落ちにくいそうですが、実際には効果があるのですか?

ホイールバランスを取っても効果があるのか分かりづらいですよね。

本記事を読むメリット

ホイールバランスの取り方が分かる
ホイールバランス調整の効果について分かる

ホイールにタイヤやチューブを付けるとホイールの外周重量に偏りが生じます

ホイールの外周重量に偏りを補正しますとホイール空転時の振動が減りますが、実走では効果があるのか微妙です。

そこで本記事では、ホイールバランス調整の効果について取り上げます。



本記事の要約

ホイールバランスを取っても効果がありません。

ホイールバランスの取り方

ホイールバランスはリムタイヤチューブなどのパーツに重量の偏りがありますので、タイヤなどを付けた状態で作業しなければなりませんし、パンクでタイヤを外した場合再度ホイールバランスを取る必要があります。

ホイールに組み付けた状態でバランスを取る

一見ホイールは重量の偏りがない様に見えますが、リムの精度は完全ではありませんので各所で微妙に重さが異なっています

また、タイヤもリムと同じで微妙に重量の偏りがありますし、チューブバルブ部分で重量の偏りがあります。

ですので、ホイールにタイヤとチューブを付けた状態でホイールバランスを取る必要があります。

ホイールバランスを取る準備

ホイールバランスの調整はディスプレイスタンドを使って作業できます。

まずは、ホイールに付いているクイックレリースを取り外し、代わりに直径5mmディスプレイスタンドに入れられる長さの丸棒を差し込みます。

次に、605ZZの小型シールドベアリングを丸棒の両側に差し込みます。

最後に、丸棒とベアリングを付けたタイヤとチューブ付きホイールをディスプレイスタンドで受けますと、ホイールバランスを取る準備ができます。

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適切な長さになる様に、グラインダーなどで切断しましょう。
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丸棒の両側に差し込みますので、ベアリングは2個必要です。
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リムに貼り付ける重りが必要です。
シート状の重りはハサミで切断できます。
1g単位で何枚か切断し、0.5gと0.25gを少し切って用意しておきましょう。

ホイールバランスの取り方

ベアリングで受けたホイールは僅かな重量の偏りにも敏感に反応し、僅かに重い部分が下側に向きます。

下側に向いた状態の時に、真上側に1gの重りを1枚ずつ貼り付けていきます。

数枚1gの重りを貼り付けていきますと下になる部分が変わりますので、1gの重りを1枚剥がして0.5gの重りを貼り付けます。

もし、重りを付けた面が上側にも下側にも向かない時は、この状態でバランスが取れています

バランスが完全に取れてなく重りを付けた面が上側に向く場合はさらに0.25gの重りを貼り付け、逆に重りを付けた面が下側に向いた場合は0.5gの重りを剥がして0.25gの重りを貼り付けます。

重りを付けた面が上側にも下側にも向かない様になりましたら、バルブを上側、右側、下側、左側にそれぞれ向けてホイールが動かなくなりましたらバランス調整完了です。

少しホイールが動く事もありますが、十分ホイールバランスが取れていますので許容範囲内としておきましょう。

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ホイールバランス取りは、ホイールの振れ取り作業よりも簡単です。

ホイールバランスに効果があるのか検証

ホイールを空転させた時の実測値を取って、効果があるのか実測値を用いて計算しました。

ホイールバランスの失速実測値データ取り

ホイールバランスを変えたホイールを40km/h以上の速度で空転させます。

そして、40km/hまで速度が落ちた所から、次にサイコンに表示される速度の実測値を3回分ずつ取りました。

アウタートップのギヤ組み合わせの時に手でクランクを回している事から、完全に速度を揃える事は困難ですので、実データは±0.1km/hのズレがあります。

テストで使用したホイールには約4g分の重りを貼り付けていますので、下記表上側の0gの時は4gの重りをリムに貼り付けた状態です。

そこから1gずつ重りを剥がしていき、下2つのデータは1gずつ反対側に重りを貼り付けてよりホイール外周部の重量に偏りを生じさせています。

1回目  失速後 2回目  失速後 3回目  失速後
0g 40.1km/h 38.7km/h 40.1km/h 38.8km/h 39.9km/h 38.6km/h
1g 40.0km/h 38.7km/h 40.1km/h 38.9km/h 39.9km/h 38.6km/h
2g 39.9km/h 38.5km/h 40.1km/h 38.8km/h 39.9km/h 38.6km/h
3g 40.0km/h 38.6km/h 40.0km/h 38.7km/h 39.9km/h 38.6km/h
4g 39.9km/h 38.6km/h 39.9km/h 38.6km/h 39.9km/h 38.6km/h
5g 40.0km/h 38.7km/h 40.0km/h 38.7km/h 40.0km/h 38.6km/h
6g 40.1km/h 38.7km/h 40.1km/h 38.8km/h 40.1km/h 38.7km/h

下記表は上記表から速度の失速値を計算した表です。

1回目 2回目 3回目 平均
0g 1.4km/h 1.3km/h 1.3km/h 1.3km/h
1g 1.3km/h 1.2km/h 1.3km/h 1.3km/h
2g 1.4km/h 1.3km/h 1.3km/h 1.3km/h
3g 1.4km/h 1.3km/h 1.3km/h 1.3km/h
4g 1.3km/h 1.3km/h 1.3km/h 1.3km/h
5g 1.3km/h 1.3km/h 1.4km/h 1.3km/h
6g 1.4km/h 1.3km/h 1.4km/h 1.4km/h

テストの結果、ホイールバランスが取れた0gの時から5gの重量偏りまで失速値に差がありませんが、6gではわずかに速度の低下が大きくなっています。

実測値からホイールバランス調整の効果を計算

ホイールバランスが取れている失速値から、一番失速しているデータの差0.1km/hの影響について計算します。

まずはホイールの回転エネルギーを計算します。

諸元は下記の値を使用します。

速度 40km/h
タイヤ周長 2096mm
タイヤの重さ 250g
チューブの重さ 80g
リムの重さ 450g
リムテープの重さ 20g
ニップルの重さ合計 24g

計算式と手順は下記になります。

手順1 速度の単位をkm/h(1時間当たり何キロメートル移動する距離)からm/s(1秒間当たり何メートル移動する距離)に変換します。

\(速度(km/h)\times\frac{1000(mm)}{3600(秒)}\)

\(=40\times\frac{1000}{3600}\)

\(=11.111(m/s)\)

手順2 1分間当たりのホイール回転数(rpm)を求めます。

\(速度(m/s)\times60\times\frac{1000}{タイヤ周長(mm)}\)

\(=11.111\times60\times\frac{1000}{2096}\)

\(=318.066rpm\)

手順3 ホイール外周部の運動エネルギーJ(ジュール)を求めます。

\(\frac{1}{2}\timesホイール外周部の重量(kg)\times速度(m/s)^2\)

\(\frac{1}{2}\times(250+80+450+20+24)\times11.111^2\)

\(=50.864J\)

手順4 タイヤの半径(cm)を求めます。

\(\frac{タイヤ周長(mm)}{円周率π}\times\frac{0.1(cm)}{半径2}\)

\(\frac{2096}{3.14}\times\frac{0.1}{2}\)

\(=33.376cm\)

手順5 ホイール外周部に掛かる遠心力(×g)を求めます。

\(1118\timesタイヤ半径(cm)\timesホイール回転数(rpm)^2\times10^{-8}\)

\(1118\times33.376\times318.066^2\times10^{-8}\)

\(=37.749\times g\)

手順6 タイヤに掛かる圧力(g/cm2)を求めます。

\(ホイール外周部の重量(g)\times遠心力\)

\((250+80+450+20+24)\times37.749\)

\(=31105.385g/cm^2\)

手順7 「手順6 タイヤに掛かる圧力」と「手順2 1分間当たりのホイール回転数」と「手順3 ホイール外周部の運動エネルギー」の計算結果を用いて係数を求めます。

\(\frac{タイヤに加わる力(\times g)}{1分間当たりのホイール回転数(rpm)\timesホイール外周部の運動エネルギー(J)\times60}\)

\(\frac{31105.385}{318.066\times50.864\times60}\)

\(=係数0.032\)

手順8 「手順2 1分間当たりのホイール回転数」と「手順7 係数」と「手順3 ホイール外周部の運動エネルギー」の計算結果を用いて、ホイールを回転させるのに必要な運動エネルギーを求めます。

\(\frac{1分間当たりのホイール回転数(rpm)}{60}\times係数\times運動エネルギー(J)\)

\(\frac{318.066}{60}\times0.032\times50.864\)

\(=8.640w\)

 

この要領で5gの重量偏りがあるホイールの40km/hと39.9km/hの計算値を求めます。

算出した計算値はホイール1本分ですが、自転車には前輪と後輪合わせてホイールが2本付いていますので、算出した計算値を2倍にします。

下記表が計算した結果です。

40.0km/h 17.281w
39.9km/h 17.194w

 

バランス調整ありのデータを速度低下なし0w、バランス調整なしのデータで0.1km/hの速度低下したと仮定した場合の値を計算しますと、

\(17.281-17.194=0.086w\)

になります。

この事から、ホイールバランスを取ったとしても0.086wしかパワーロスを改善できません

ですので、ホイールバランスを取っても実際には効果が体感できない事が計算結果から分かりました。

ホイールから発生する振動は軽減できる

計算上からホイールバランスを取ってもほとんど効果がない事が分かりましたが、ホイールバランスを取る前と後でホイールを回転させて比較してみますと、確かにホイールから発生する振動は激減しました。

ホイールバランスを取る前と後の動画を撮影しましたが、動画では振動が非常に分かりにくいですので掲載していません。

振動が激減したという事はパワーロスも激減した様に思えます。

書籍「ロードバイクの科学」のp15のコラムに9.8wの仕事率は1,000gの重量物を1秒間に1m持ち上げる力と書かれています。

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ホイールの回転による振動で仕事率0.086w失われた場合、1秒間に1m持ち上げられる重量に換算しますと

\(\frac{仕事率(w)}{重力加速度(m/s^2)}\)

\(\frac{0.086}{9.8}\)

\(=8.776g\)

になります。

ですので、8.776gの重りを毎秒1m持ち上げる力しかパワーロスを軽減できませんので、想像するだけでほとんど効果がないものだと推察できます。

ちなみに、実走ではホイールバランスを取っても振動軽減効果は期待できませんが、ローラー台で練習する時には滑らかなローラーの上を走りますので、微細な振動が減る事で手やお尻のしびれが軽減できます。

ホイールバランスを取ったホイールで三本ローラー台に乗りますと、明らかに振動が減っている事が体感できます。

サイシスト
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ホイールバランスを取っても速くはなりませんが、三本ローラー台での練習で振動軽減効果が体感できました。

まとめ

ホイールバランスを取る時は、ホイールにタイヤチューブリムテープを付けた状態で行う。

ホイールバランス取りには、ディスプレイスタンドと直径5mmの丸棒と605ZZの小型シールドベアリングバランスウエイトが用意できればよい。

ホイールバランスの取り方はディスプレイスタンドにセットしてホイールが止まった時上側1gの重りを1枚ずつ貼り付けていき、バランスが取れ出してきたら1gの重りの他に0.5g0.25gの重りを貼り付けたり剥がしたりして微調整する。

ホイールバランスが違う条件でホイールを空転させて実データを取った所、どれも失速具合に差があまりなかった

失速した速度の差を0.1km/hと仮定した時、どれだけパワーロスするのか計算した結果、両輪合わせて0.086wとホイールバランス未調整時のパワーロスはほとんどなくホイールバランスを取っても効果がない事が計算結果から確認できた。

ホイールバランスを取る事で確かにホイールから発生する振動は軽減できたが、セーブできた0.086wは、毎秒1m持ち上げられる重さ8.776gとホイールバランスを取っても効果がない事が計算結果から確認できた。

ホイールバランス自分で取るのでしたらお金はあまり掛かりませんので一度試してみてもいいですが、ショップに工賃を払ってまで行う価値がありませんので注意しましょう。