脚力がある人でしたら上れますが、脚力がない人には壁の様な超激坂は脚を着いてしまいますよね。
ロードバイクの低ギヤ比化に適しているコンポーネントが分かる。
上れない超激坂に再チャレンジする人。
ロードバイクの低ギヤ比化についてまとめました。
この記事を読んで、低ギヤ比化して上れない超激坂に再チャレンジしましょう。
それでは、どうぞ。
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目次
本記事の要約
ダンシングで超激坂を上りますとウィリーしづらくなります。
一番低ギヤ比化ができるMTB用コンポーネントは規格が違う為ロードバイクに用いる事が難しいですが、グラベル用コンポーネントは互換性がありますのでおすすめです。
低ギヤ比化に必要な物は、グラベル用のフロントディレイラーとリアディレイラーとクランクセットと、MTB用カセットスプロケットです。
ダンシングで超激坂を上る理由
サドルの取り付け位置を前まで出してセッティングして、ライダーはサドルの先端に座ってシッティングしたとしても、ライダーの重心は激坂でもBB(ボトムブラケット)の垂直線上に位置します。
しかし、ダンシングでは体重を掛けてペダルを踏み下ろしますので、重心はペダルの垂直線上に位置します。
クランク長が170mmの場合では、シッティングよりダンシングの方が重心は170mm前方に位置しますので、シッティングで漕ぐよりウィリーしづらくなります。
また、後の項目で詳しく説明していますが、勾配30%の超激坂ではロードバイクでも容易に取り付けられるグラベルバイク用コンポーネントを使ったとしても、ダンシングしないと漕げない程のケイデンスにまで低下しますのでダンシングで走る事を想定しています。
ダンシングはシッティングより体の重心が前方になる。
ロードの低ギヤ比化に適しているコンポ
ロードバイクを低ギヤ比化させるには、MTB用かグラベル用のコンポーネントを取り付けますと可能ですが、MTB用は規格が違いますので簡単には取り付ける事ができません。
ロードバイクとMTBのコンポ併用は難しい
ロードバイクのフレームにMTBのクランクセットを取りけられればいいですが、ロードバイクのフレームのプレスフィット幅は86.5mmに対して、MTBのフレームのプレスフィット幅は89.5mmとプレスフィット幅が合いません。
ねじ込み式のスレッドタイプでしたら68mmであれば取り付け可能ですが、今乗っているロードバイクのフレームが68mmのスレッドタイプである必要があります。
また、MTB用のクランクセットとリアハブを用いる事でチェーンリング26TとMTB用カセットスプロケット51Tが使えますが、フロントディレイラーとリアディレイラーもMTB用を使わなければチェーンラインが合わなかったりスプロケットの歯にガイドプーリーが干渉したりして不具合が発生します。
そして、MTB用のフロントディレイラーやリアディレイラーは同じ変速数でもロードバイク用コンポーネントとはワイヤー引き量が違いますので、ロードバイク用のデュアルコントロールレバーでは変速する事ができません。
それでもMTB用コンポーネントを使いたい場合は、ドロップハンドルのフラットバー部分にMTB用のシフターを取り付けて使いデュアルコントロールレバーでの変速を諦めるか、シフトアダプターをシフターとディレイラーの間に取り付けてデュアルコントロールレバーを無理矢理使うかの二択になります。
シフトアダプターを用いる事でワイヤー引き量を変えますとデュアルコントロールレバーでMTB用ディレイラーを変速できますが、シマノ純正パーツではありませんので取り付けが少々厄介です。
ロードとグラベルのコンポは相性が良い
ロードバイクとグラベルバイクのコンポーネントには互換性があります。
デュアルコントロールレバーでグラベルバイク用のリアディレイラーを変速できますので、グラベルバイクで使える11-42Tのカセットスプロケットがグラベル用リアディレイラーに交換する事で使用可能です。
フロントもフロントディレイラーを交換する事で46-30Tのクランクセットが使用できます。
30-34Tの組み合わせにより、1対1を切るギヤ比0.88で超激坂を上る事ができます。
ただし、11-42Tのカセットスプロケットはグラベル用ではフロントシングルで使う事を前提しています。
フロントダブルで使いますとキャパシティーの関係上、インナーギヤ使用時リアは変速してトップ側に近づきますとディレイラーがチェーンのテンションを張り切れずチェーンが弛んでしまい走れませんので、早めにアウターギヤに入れる様にしましょう。
超激坂走行時の速度とケイデンス
例えば体重62kgの人が自転車と用品類を合わせた重量10kgの合計72kgで勾配30%の坂を仕事率(ライダーの出力)300ワットで上った場合、速度は5km/hになります。
計算式は書籍「ロードバイクの科学」のP130とP131に書かれています。
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速度5km/hを30-34Tで漕いだ場合55ケイデンスになりますので、シッティングではケイデンスが低すぎる為ダンシングで上る事になります。
仕事率300ワットは一般的な人では継続時間は3分が限界ですし、もし3分間維持できたとしてもその後がペースを落としても脚を使い果たしていて上り続ける事が困難ですので、部分的に頑張ったとしても1回あたり1分が限度だと思います。
ですが、30%の超激坂も長くは続きませんので、これで問題ないと思います。
「身長」
「体重」
「自転車と用品類の合計重量」
「速度」
「ハンドルポジション係数」
「走行距離」
「標高差」
「転がり抵抗係数」
「フロントチェーンリング歯数」
「リアスプロケット歯数」
「タイヤ周長」
の11項目を入力しますと、
「空気抵抗」「転がり抵抗」「登坂抵抗」で消費される仕事率(ワット)と走行時間とケイデンスが分かるフォームを作りました。
今回の例では
「身長 171cm」
「体重 62kg」
「自転車と用品類の合計重量 10kg」
「速度 5km/h」
「ハンドルポジション係数 138」
「走行距離 0.1km」
「標高差 30m」
「転がり抵抗係数 0.002999」
「フロントチェーンリング歯数 30T」
「リアスプロケット歯数 42T」
「タイヤ周長 2105mm」
と入力しましたら、
「空気抵抗で消費される出力 0.8w」
「転がり抵抗で消費される出力 2.8w」
「登坂抵抗で消費される出力 294.2w」
「必要合計出力 298w」
「走行時間 1.2分 → 1分12秒」
「ケイデンス 55」
と出力されました。
この計算フォームはあくまで理論値ですので、実際には風の影響や勾配の変化やその他条件により、実データは計算結果から少し乖離(かいり)します。
低ギヤ比化に必要な物
超激坂に対応する低ギヤ比化でロードバイクに取り付けが容易なコンポーネントは、シマノのグラベル用コンポーネントGRXシリーズのフロントディレイラーとリアディレイラーとクランクセットです。
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グラベル用クランクセットは、チェーンラインがグラベル向けのワイドタイヤに対応させる為にロードバイク用クランクセットよりチェーンラインが外側に設定されていますので、フロントディレイラーもグラベル用に付け替えませんとチェーンラインが合わず走れません。
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購入時はクランク長を確認しましょう。
ロードバイク用のリアディレイラーは最大ローギヤ34Tまでのカセットスプロケットまでしか使えませんが、グラベル用のリアディレイラーは最大ローギヤ42Tまで使えますので、カセットスプロケットはMTB 11速用の11-42Tの物が使用可能です。
11速11-42TのカセットスプロケットはDEORE XTとSLXのどちらでも使用可能ですが、DEORE XTはスパイダーアームが2つ使われていますのでより軽量ですし、価格差も大して変わりませんのでDEORE XTのカセットスプロケットがおすすめです。
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ディレイラー類はロードバイク用のデュアルコントロールレバーがそのまま使用可能ですので、11速用を使っているのでしたら交換不要です。
まとめ
ダンシングで超激坂を上る理由は、シッティングよりダンシングの方が重心は前方になるので、ウィリーしづらくなるからである。
一番低ギヤ比化ができるMTB用コンポーネントは、規格が違う為デュアルコントロールレバーで変速できず取り付けられるフレームも選ぶので、MTB用コンポーネントをロードバイクに使う事が難しい。
MTB用コンポーネントとの併用は難しいが、グラベル用コンポーネントの併用はロードバイク用コンポーネントと互換性があるので簡単である。
グラベル用コンポーネントを付けても、勾配30%の超激坂ではハイペースで漕いだとしても55ケイデンスまで低下してしまう。
低ギヤ比化に必要でほとんどのロードバイクに取り付け可能なコンポーネントは、グラベル用のフロントディレイラーとリアディレイラーとクランクセットと、MTB用カセットスプロケットである。
実力に見合った低ギヤ比化にして、超激坂を上り切りましょう。
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