充電式ライトは電池切れで突然消えますので、電池残量に注意する必要がある為面倒ですよね。
ハブダイナモのデメリットが分かる。
ハブダイナモの選び方が分かる。
ライトの電池残量を気にせず走りたい人
ハブダイナモのメリットとデメリットについてまとめました。
この記事を読んで、自分に合ったライトを使いましょう。
それでは、どうぞ。
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目次
本記事の要約
ハブダイナモのメリットは、ライトが突然消える事がなく十分に明るいです。
ですが、ハブダイナモの転がり抵抗は通常のハブより大きく、ペダルが重くなりがちな事が難点です。
シマノ製ハブダイナモは、発電効率が劣りますがコストパフォーマンスに優れていますのでおすすめです。
ハブダイナモのメリット
ハブダイナモの3Wモデルのライトは1万円台の充電式ライトと同等の明るさがある割に充電式ライトの点灯時間の短さがなく、ライトを点けて走っている間はずっと点灯したままですので、電池切れを気にする事なく安心して夜間走行できます。
電池切れを気にしなくていい
電池式ライトや充電式ライトの場合は、電池残量に注意しないと使用中に電池が切れてしまいます。
電池式ライトの廉価版モデルでは電池残量が少なくなるにつれて徐々に暗くなりますが、充電式ライトの場合は電池残量がなくなるといきなり消灯してしまいます。
電池式ライトで電池切れになった時は携行している予備の電池に付け替えたり、コンビニで電池を買って現地調達したりする事ができますが、充電式ライトの場合は予備のバッテリーを携行する事しか電池切れ対策ができません。
ですが、ハブダイナモと専用ライトとの組み合わせで使用していれば、走っている間はハブダイナモで発電しながらライトを点灯させていますので、走行中に消灯してしまう事がありません。
充電式ライトと同等の明るさ
街灯のない道を速く走る場合は、3wモデルのハブダイナモと専用2.5wライトを組み合わせて使用する事により、1万円クラスの充電式ライトと同等の明るさで路面を照らしてくれます。
充電式ライトも一番明るい設定にした場合2~3時間程度で電池切れしますが、ハブダイナモでは一定速度以上で走り続けいる内は路面を明るく照らし続けています。
低出力ライトでペダルの重さを軽減
シマノ製HILMO(ヒルモ)専用0.9Wハブダイナモと専用ライト1Wを組み合わせる事により、ハブダイナモ特有のペダルの重さがかなり軽減されます。
HILMO専用ライトは消灯できませんが、2.4Wハブダイナモ無負荷走行時とほぼ同じ転がり抵抗ですので、走行中にブレーキを引きずっている様な感覚もありません。
そして、明るさも電池式ライト以上の能力がありますし、常時点灯ですのでデイライトとして自転車の存在を目立たせられます。
USB接続機器に給電もできる
ハブダイナモから出力される電気は交流ですので、そのままUSBに電源供給する事はできませんが、自転車ダイナモチェンジャーを用いる事でUSB接続端末に電源供給ができます。
日中ライトを消灯していて発電能力に余裕がありましたら、自転車ダイナモチェンジャーを経由してGPSサイクルコンピュータやスマホを充電できます。
もちろん発電に自転車の推進力が消費されますので、むやみに充電させる訳にはいきませんが、端末のバッテリー残量が少なくなってきたときには心強いです。
ハブダイナモのデメリット
ハブダイナモの3Wモデルのライトは明るいですが転がり抵抗の大きさが無視できない程大きいですので、ロングライドには不向きです。
ライト点灯時は転がり抵抗が大きい
巡航速度30km/hでライトを点灯して走った場合、シマノ製2.5Wハブダイナモは7.3Wの転がり抵抗が掛かります。
また、同じ条件でシュミット製2.5Wハブダイナモを使用したとしても6.5Wの転がり抵抗が掛かります。
上記グラフには、通常のハブの転がり抵抗0.6w、高級ハブダイナモの転がり抵抗6.5w、シマノ製ハブダイナモの転がり抵抗7.3wと記載されています。
身長171cm 体重62kg 機材重量10kg ブラケットポジション タイヤ転がり抵抗0.004229μ 平坦路走行時の条件でライダーの出力160wで走り、それらの値を基に走行速度を計算した所、下記計算結果になりました。
なお、ライトやハブ重量は考慮していません。
通常のハブ 30.31km/h
シュミット製ハブダイナモ 29.88km/h
シマノ製ハブダイナモ 29.82km/h
この結果から、計算上ではシュミット製ハブダイナモの方が通常のハブより0.43 km/h遅くなります。
この記事の一番下に諸条件を入力しますと必要な出力が分かる計算フォームを用意しましたので、ご自身の条件に合わせてご利用下さい。
なお、今回の場合登坂抵抗は関係ありませんので、距離は”0”以外でしたらどの値でも問題ありません。
ライト消灯時も転がり抵抗が小さくない
ハブダイナモは自転車の推進力を利用してライトを点灯させていますので、推進力の一部がライトに取られる分だけ自転車の速度は遅くなります。
また、ライトを消灯していてもハブダイナモには磁石とコイルがあってお互いに反発し合う為抵抗を生み出していますので、通常のフロントハブより転がり抵抗が大きいです。
夜間だけライトを点灯させて昼間の走行抵抗を軽減しようとしても夜間ほど抵抗は掛かりませんが昼間も通常のハブより遅くなります。
ですので、レースでは使い物になりませんし、ツーリングでのハブダイナモホイールの使用も電池残量を気にしなくて良いメリットより転がり抵抗が増えるデメリットの方が大きいです。
特に制限時間のあるブルベでは夜間走行する時間を予測して予備のバッテリーを携行したり、電池式ライトを使ってポイントチェックのコンビニでレシートをもらう際に電池を買ったりした方が速く快適に走れます。
ハブダイナモは重い
通常のフロントハブの重量は150g程度ですが、ハブダイナモの重量はグレードや出力にもよりますが700gぐらいとかなり重いです。
ただし、バッテリー式ライトで比較する場合、ライトとバッテリーの重量も考慮する必要がありますが、それでもCATEYE製ライト「VOLT400」の重量120gを加えてもハブダイナモはバッテリーライトよりさらに430gの重量増になります。
少スポークでホイールが組めない
ハブダイナモを使用した完組ホイールは販売されていませんので、ハブダイナモを使用する為にはショップで手組みされたホイールを買うか、自分でホイールを手組みする必要があります。
また、ハブダイナモの穴数は32と36の2通りしかありませんので、ロードバイク用700cホイールで手組みする場合、32本のスポークを用いてホイール組する事になります。
スポーク本数が多い程乱流も大きくなりますので、ハブダイナモの転がり抵抗だけではなく空気抵抗面でも不利になります。
発電ロスがある
世の中に100%の効率で発電できる製品は存在しません。
発電に利用できなかったエネルギーが熱となって外に逃げます。
ハブダイナモも同じですので、2.5Wハブダイナモも実際に使用しますと2.5W以上の転がり抵抗が発生します。
参考PDFによりますと、発電効率は15km/hの時に最大化されていますが、それでもハブダイナモに加わっている転がり抵抗の60%しか電気として出力されていません。
最大効率で出力できる速度域が低い
国内メーカーのハブダイナモはJIS規格で15km/hで走っている時に最大効率になる様に設計されています。
JIS規格では15km/h走行時に定格電圧の±5%、5km/h走行時に定格電圧の41%以上、30km/h走行時に定格電圧の133%以下に収まる様に定義されています。
ですので、ロードバイクで平坦路を緩く走っても速度は30km/hぐらい出ますので、発電効率が落ちてしまいます。
ミニベロ用のハブダイナモを用いて700cのホイールを手組みすれば20インチと比較して車輪径が約1.4倍大きくなる為、最大効率で走れる速度域が21km/hまで上がりますので良いです。
しかし、フロントエンド幅の規格はミニベロが74mmに対してロードバイクは100mmですので、残念ながらミニベロ用のハブダイナモはロードバイクには取り付けられません。
ですが、シュミット製ハブダイナモでは30km/h付近まで速度を上げても速度に比例してライトが明るくなっていますので、高価なのが難点ですがロードバイクで使うのでしたらシュミット製ハブダイナモがおすすめです。
ハブダイナモの選び方
ライトの能力に見合ったハブダイナモにする
ハブダイナモの出力を決める際には、取り付けるライトの能力に見合った物にしましょう。
0.8Wのライトと2.4Wのハブダイナモの組み合わせでも過電流によりライトが壊れる事はありませんが、ハブダイナモの出力が大きくなる程転がり抵抗も大きくなりますので、この場合では無駄にペダルが重くなります。
ちなみに、3Wのライトに0.9Wのハブダイナモの組み合わせる場合は、ハブダイナモの出力が足りませんので明るさは0.8Wのライトより暗くなります。
日常や練習にはシマノ製ハブダイナモで十分
シマノのハブダイナモは安くてコストパフォーマンスに優れていますが、走行抵抗はシュミット製ハブダイナモと比較しますとシマノ製は発電効率が劣ります。
ですが、練習でハブダイナモを使用する分には速度より運動強度が重要ですので、転がり抵抗が増えても問題ありません。
通勤通学の帰り道も急いで自宅に帰る必要がありませんので、少し走行速度が遅くなっても問題ありません。
また、ツーリングではハブダイナモよりバッテリー式ライトを使った方が速く走れますので、高価なシュミット製ハブダイナモにする必要性自体がありません。
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まとめ
ハブダイナモのメリットは、走っている間ライトが突然消える事がなく、3wのライトは明るさも1万円台の充電式ライトと同等なので十分に明るい。
ペダルの重さを気にする人はシマノ製HILMO(ヒルモ)専用0.9Wハブダイナモと専用ライト1Wを使用すれば、明るさは充電式ライトより劣るがペダルが軽い。
ハブダイナモから出力される電気は自転車ダイナモチェンジャーを使えば、USB接続端末に給電する事もできる。
ハブダイナモのデメリットは、ライトを点灯に関係なく通常のハブより転がり抵抗が大きい。
また、内部に磁石やコイルが内蔵されているので重量が大きく、ハブの仕様上少スポークで手組みできない。
国内メーカーのハブダイナモは、ロードバイクで使っても速度域が大きく外れ発電効率が落ちる。
ハブダイナモの選び方は、ライトに見合ったハブダイナモを選ぶ事で無駄な転がり抵抗を抑える事ができる。
シュミット製ハブダイナモは高速域での効率に優れているが、シマノ製でも効率悪化を許容できれば高速域も十分明るいので、通勤通学や練習に使うのならシマノ製がコストパフォーマンスに優れていて良い。
以上の理由から、通勤通学や練習用のホイールにはシマノ製のハブダイナモを使って手組みする事をおすすめします。
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