ワイドレシオのカセットスプロケットは、峠でシフトチェンジした時に急にペダルが重くなったり軽くなったりして、走りづらいですよね。
105はコストパフォーマンスに優れている
レース志向でも自転車にあまりお金を掛けられない人
リアの変速数を増やす事によるメリットについてまとめました。
この記事を読んで、ライダーの持っている力を走りに最大化させましょう。
それでは、どうぞ。
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目次
本記事の要約
変速数が多い程クロスレシオになる傾向ですので、常に適切なケイデンスで走る事ができます。
上位3グレードのコンポーネントは変速数が同じですので、操作性や重量に違いがありますが走りやすさは同じです。
価格帯は「クラリス」から「105」まであまりありませんので、変速数が多い「105」はコストパフォーマンスに優れています。
105のメリット
リアの変速数が多いと走りやすい理由
「105」「アルテグラ」「デュラエース」はリアの変速数が共通で、R9100世代の上位3グレードは11速ですので、「105」も11速です。
ツーリングで余力を残しながら走る分には変速数が若干少なくても楽しめますが、ヒルクライムで1秒を削る全力の走りをする場合はライダーのパワーバンドは狭くなります。
ですので、ヒルクライムで勾配が緩くなってシフトアップしたら、途端にペダルが重くなり過ぎてしまい、結局ギヤを戻す事になります。
変速数が多い場合、ギヤの歯数差が小さくなる事により変速によるケイデンス変化が小さくなりますので、急にペダルが重くなったり軽くなったりしにくくなります。
各グレードのギヤの構成です。
クラリス R2000
11-13-15-18-21-24-28-34
ソラ R3000
11-13-15-17-20-23-26-30-34
ティアグラ 4700
11-13-15-17-19-21-23-26-30-34
105 R7000
11-13-15-17-19-21-23-25-27-30-34
ケイデンス変化率(%)です。
クラリス R2000
18-15-20-17-14-17-21
ソラ R3000
18-15-13-18-15-13-15-13
ティアグラ 4700
18-15-13-12-11-10-13-15-13
105 R7000
18-15-13-12-11-10-9-8-11-13
変速数とギヤの歯数が多くなる程、ケイデンス変化率は小さくなる傾向になっています。
クラリスは一部ギヤ間のケイデンス変化率が20%を超えています。
21%のケイデンス変化率を例に挙げますと、ヒルクライム中に勾配が緩くなり80ケイデンスを超えてきたのでシフトアップしたら、64ケイデンスまで急激にケイデンスが落ちてペダルが重くなったので結局戻す感じでしょう。
同世代の「105」はトップ側ギヤ2枚を除いて、10~13%とケイデンス変化率が小さいですので、変速した時にギヤが軽すぎたり重すぎたりする事も少なくなりますので走りやすいです。
11速のカセットスプロケットにはジュニアスプロケットもあります。
ジュニアスプロケットの14Tツバ付きトップ側ギヤと16Tギヤをスモールパーツで購入し、11-34Tのスプロケットから11Tと13Tを取り外します。
そして、14Tツバ付きトップ側ギヤと16Tギヤを入れれば、上りも平坦路もクロスレシオな万能カセットスプロケットが出来上がります。
下りはギヤ比が足りずに脚が回りきる為漕げませんが、下りもあるレースに参加しない場合は漕がなくても速度は出ますので問題ありません。
11-34Tをスモールパーツで組み替えた歯組構成はこの様になります。
14-34T
歯の構成:14-15-16-17-19-21-23-25-27-30-34
ケイデンス変化率:7-7-6-12-11-10-9-8-11-13
トップギヤから4枚目からローギヤまでは組み替え前と同じですが、トップギヤから3枚目までクロスレシオになりましたので、安定したケイデンスで高速巡行できます。
上位グレードとの互換性について
105から上のグレードに互換性があり、アップグレードもしやすいからお勧めだとよく言われています。
実際には、デュラエースとその下のアルテグラとの互換性は完全ではない場合もあります。
例えば、7900世代のデュラエースのフロントディレイラーと同世代のアルテグラのフロントディレイラーはケーブル引き量が違いますので、互換性がありません。
この様に互換性を切り捨てている所もありますので、コンポーネントのアップグレードには事前に下調べをしておきましょう。
ここで重要な事は、「リアの変速数が多いと走りやすい理由」で説明した通り、上位3グレードの変速数は共通である事です。
つまり、「デュラエース」も「105」も同じ変速数ですので走行感は同じになり、違う点は105が重量的に重く、デュラエースの滑らかな動作から比べますと劣りますが、走りには影響はありません。
「105」はコスパに優れた価格
「105」のコンポーネントは上位グレードと比べますと、手ごろな価格設定がされています。
グループセット価格一覧(10%税込) (2021年4月現在の価格)
クラリス R2000
41,870円
ソラ R3000
53,708円
ティアグラ 4700
61,525円
105 R7000
72,278円
アルテグラ R8000
114,070円
デュラエース R9100
243,026円
「アルテグラ」から「デュラエース」にグレードが上がると2倍以上価格が上がりますので割高ですが、「アルテグラ」グレードから下のグレードで比較してもそれ程価格差はありません。
それでいて上位グレードと同じ感覚で走れる「105」は、コストパフォーマンスに優れています。
105のデメリット
消耗品のチェーンが高い
クラリス8速と9速以上のグレードのチェーンの価格差は、2倍以上になっています。
その違いは表面処理の違いによる物です。
11速用のチェーンに採用されているシルテック表面処理は、摺動部表面を硬化する事で摩擦を軽減していますので、パワーロスを減らせられます。
ですが、10速用以下のチェーンは錆に強い表面処理をしているだけですので、摩擦抵抗は無処理のチェーンとほぼ同じです。
では、摩擦抵抗が変わらないのなら安いチェーンでいいのではないかと思われるでしょうが、6~8速用のチェーンにしかラインナップされていません。
ですので、安いチェーンが使えるクラリスと比べますと、9速以上の場合チェーンのメンテナンス費用が高くつきます。
ちなみに、上位グレードのチェーンが安くて下位グレードのチェーンが高い逆転現象が起きていますが、これはチェーンの在庫の関係上在庫が少ない下位グレードのチェーンをメーカーが高く設定したからです。
チェーン価格一覧(10%税込) (2021年4月現在の価格)
クラリス
CN-HG40
1,603円
CN-HG71
3,156円
ソラ
CN-HG53
3,313円
ティアグラ
CN-4601
3,422円
CN-6701
3,109円
105
CN-HG601
4,005円
アルテグラ
CN-701-11
5,234円
デュラエース
CN-HG901-11
5,745円
11速対応のホイールが必要(例外有)
11速から歯の枚数が増える事によりカセットスプロケット全体の幅が大きくなりました。
それにより、10速までのフリーボディが付いたホイールが使えなくなります。
ですので、11速の完成車を買った場合は問題ありませんが、11速にアップグレードする時は場合によってはホイールのアップグレードが必要であったり、交換可能であればフリーボディを交換する必要があったりします。
シマノ製のホイールはフリーボディが交換できませんので、買い替えになります。
ただし、11速用11-34Tのカセットスプロケットのみ、8~10速のフリーボディが付いた旧式のホイールが使えます。
性能は価格に比例する
「デュラエース」以外では「アルテグラ」が割高気味ですが、「アルテグラ」から下のグレードは少しずつ安くなっています。
ですが、変速性能は価格に比例していますので、グレードの違いによる変速性能の差は感じにくいです。
つまり、「アルテグラ」から下のグレードは、価格に応じて少しずつ重量を重くなり変速性能落ちている事になります。
一見「アルテグラ」はセカンドグレードなだけにデュラエースと似た様な物だと思われている人が多くいると思いますが、僕の意見では「アルテグラ」は「デュラエース」風味の「105」だと思っています。
ちなみに、「デュラエース」と「アルテグラ」には超えられない壁の様な決定的な性能差があります。
「デュラエース」のフロントディレイラーはリアの変速している様に非常に滑らかに動作しますし、シフターの動作も非常に正確で滑らかです。
また、ブレーキの利きも非常に良いです。
ただし雨天時の場合、リムブレーキはどのグレードでも止まりにくいです)
僕の購入したロードバイクに付いている社外品のブレーキキャリパーの利きが悪かったですので、「デュラエース」のブレーキキャリパーに交換しましたら制動力が全然違いました。
11速化に必要な物
11速化に必要なパーツは11-34Tを使う場合、「デュアルコントロールレバー」「フロントディレイラー」「リアディレイラー」「クランクセット」「カセットスプロケット」「チェーン」です。
フロントディレイラーは左側デュアルコントロールレバーを交換しない場合、フロントの変速はできます。
ですが、左右違うデュアルコントロールレバーだと操作感が気になりますので、結局フロントディレイラーとセットで交換するといいでしょう。
クランクセットも10速用をそのまま流用しても、10速のチェーンリングで11速チェーンを駆動できますので、とりあえず走る事はできます。
ですが、11速のローギヤは10速よりもさらに内側に位置していますので、インナーローで走った場合、チェーンがインナーチェーンリングから内側に落ちてしまう事があります。
ですので、安心して走る為に6点全部交換しましょう。
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まとめ
変速数が多い程クロスレシオになる傾向の為、常に適切なケイデンスで走る事ができ、ライダーの力を最大化しやすい。
上位3グレードのコンポーネントは変速数が同じなので、操作性や重量に違いがあるものの、走りやすさは変わらない。
価格帯を見ていくと、「クラリス」から「105」までのコンポーネントの価格差はあまりないので、変速数が多い「105」はコストパフォーマンスに優れている。
「ターニー」や「クラリス」用の表面処理されていないタイプの6~8速用チェーンは、9速以上のチェーンの半値以下に価格設定されているので、「105」を使っているとチェーンはクラリスより割高になる。
11速はカセットスプロケットの幅が大きい為、8~10速用ホイールを使っている場合は11速化できないので、買い替えかフリーボディの交換が必要になる。(11-34Tのみ例外)
「デュラエース」も「105」も同じ変速数だが、変速の滑らかさや操作性や軽量性は価格に見合った物になっている。
レース志向でも自転車にあまりお金を掛けられない人は、上位グレードと同じ変速数のコンポーネントをコスパ良く揃えられる「105」をお勧めします。
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