ロードバイク100kmを楽にする!ロングライド装備の『引き算』術と必須持ち物リスト
「もっと遠くへ行ってみたい」「初めての100kmに挑戦したい」……そう意気込んで準備を始めると、いつの間にか携行品が増えていた経験はありませんか?
ロングライド初心者から中級者が、次のような悩みを抱えています。
・「もしも」が怖くて荷物が減らせない
パンクしたら、お腹が空いたら、道に迷ったら、寒くなったら……。
不安を解消しようと工具やウェアを携行した結果、重くなって坂道がきつくなる。
・バックパックによる肩こりと背中の蒸れ
携行品が多いのでバックパック(リュック)を併用したが、数時間経つと肩や腰が痛くなり、背中は汗でびっしょり。
「バックパックがなければ……」とライド中に痛感する。
・「軽い方がいい」のは知っているが、何を削ればいいか分からない
ブルベ上級者の様な最小限の装備に憧れているが、自分のような初心者が真似をして、万が一トラブルが起きたときに「詰んで」しまわないか不安に思う。
・バッグの中がゴチャゴチャして、必要なものがすぐ取り出せない
補給食を食べたいだけなのに、一度止まってバッグの中をよく探さなければならない。
この「ちょっとした手間」の積み重ねが、後半の大きな疲れに繋がっている気がする。
この記事は、そんな「重装備から卒業して、もっと楽に、もっと遠くまで走りたい」と願うロングライド志向のサイクリストの為に書きました。
装備をただ減らすのではなく、「安全と安心を確保しながら、無駄だけを削ぎ落とす」為の具体的なノウハウを解説します。
読み終える頃には、あなたの携行品も心も、ずっと軽くなっているはずです。
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目次
本記事の要約:装備を「引き算」して快適なロングライドに
ロングライドを快適にする秘訣は、装備を「足す」のではなく「引く」事です。
バックパックから自転車バッグへ携行品を移し、疲労を軽減しましょう。
パンク修理用品や決済手段など「帰る為の必需品」は確保しつつ、ドリンクや補給食は現地調達を前提に最小限に抑えます。
距離や天候に合わせ「安心と軽さ」を両立する自分だけの最適装備を、ライド後の振り返りで洗練させていく事が、より遠くへ楽に走る為の近道です。
ロングライド装備は「足す」より「引く」で速く・楽になる
ロードバイクで100km、150kmと長距離を走ろうとすると、どうしても「あれもこれも必要かも」と携行品が増えてしまいがちです。
しかし、ロングライドをより遠くまで、快適に走り抜くための極意は、装備を「足す」ことではなく、不要なものを「引く」事にあります。
荷物が軽くなると身軽になり、走りも軽くなります。
荷物が増えるほど疲れる理由(重量・空気抵抗・取り出しにくさ)
なぜ、荷物を減らす事が「楽」に直結するのでしょうか。それには3つの理由があります。
理由1. 重量によるエネルギー消費の増加
ロードバイクは、自分の力だけで進む乗り物です。特に坂道を登る際、携行品の重さはそのまま「登坂抵抗」になります。
わずか数百グラムの差であっても、坂道を走る距離が長くなるほど進む距離に大きな差になって現れます。
理由2. 空気抵抗(風の抵抗)の増大
大きなサドルバッグやフロントバッグを装着すると、空気の流れが悪くなり「空気抵抗」が増えてしまいます。
平坦路を時速25~35kmで走り続けるロングライドにとって、風は最大の敵です。
携行品をコンパクトにまとめ、空気の流れを良くする事で、同じ労力でもより速く進める様になります。
理由3. 取り出しにくさによる精神的ストレス
携行品が多いと、バッグの中が乱雑になりがちです。
「補給食を食べたい」「スマホで地図を見たい」と思った時に、探している物がすぐに見つからないのは意外と大きなストレスになります。
携行品を厳選して整理整頓する事で、スムーズに行動でき、ロングライドの集中力を維持しやすくなります。
引き算のゴール設定:距離・季節・補給難易度で必要量は変わる
持ち物を「引く」といっても、一律に全ての携行品を減らせば良い訳でもありません。
ロングライドの計画に合わせて「最適解」を見つけるのが引き算のゴールです。
走行距離で見極める
50km程度の半日ライドなら、予備チューブと最小限のツールだけで十分です。
一方で200kmを超える場合は点灯時間が長くて明るいライトが必要になりますし、コンビニが少ない場合は多めの補給食が必要になります。
季節と天候で調整する
夏場はウィンドブレーカーが不要ですが、熱中症対策の為にボトルの数を2本に増やす必要があります。
逆に冬や峠道を走る場合は、冷たい風を防ぐ「ウィンドブレーカー」等が必須になります。
補給難易度(ルートの環境)を考える
市街地などコンビニが多いルートを走行するのであれば、補給食やドリンクの携行は少なくて済みます。
「現地調達」を前提にすれば、背中のポケットに補給食を入れる必要もありません。
逆に、自販機すらない山奥を走る場合は、動けなくならない様に補給食やドリンクを多めに携行する判断も必要になります。
初心者ほど削りすぎ注意(安全・トラブル対応は最低限を確保)
「引き算」は重要ですが、初心者の内は「削ってはいけないもの」まで削らない様に注意が必要です。
経験が少ない初心者は、トラブルへの対応力が十分に備わっていません。
特に以下の3点は、どんなに身軽にしたい時でも必ず携行しましょう。
・トラブル対応セット(パンク修理道具)
予備のチューブ、タイヤレバー、携帯ポンプ(またはCO2ボンベか電動ポンプ)は必須です。これらがないと、パンクした瞬間に走行不能になります。
・通信・決済手段と身分証
スマホ、現金、クレジットカード等は、怪我や機材トラブルで自走できなくなった際の電車やタクシーでの帰宅手段として不可欠です。
また、「輪行(電車に自転車を持ち込んで帰る事)」するには自転車をそのまま電車に持ち込めませんので、輪行袋が必要になります。
そして、事故に遭った場合に備えて、マイナンバーカードや運転免許証(自動車ユーザーの場合)も携行すると良いです。
・ライト
「明るい内に帰るつもりだから」とライトを省くのは危険です。
急な天候悪化やトンネル内、予定より遅れて日没になる等、ライトが必要な場面は突然やってきます。
まずは「安全」という土台を確保した上で、少しずつ「これは要らなかったな」という経験を積み重ね、自分なりの最小装備を作り上げていきましょう。
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まず見直すべきは「バックパック」 やめるだけで楽になる
携行品を減らすことと同じくらい重要なのが、「携行品をどこに入れるか」という視点です。ロングライドを楽にする為には、荷物を「背負う」のではなく自転車に「付ける」事です。
多くの初心者が最初に使いがちなバックパック(リュック)を見直すだけで、サイクリングの快適さは驚くほど変わります。
バックパックのデメリット(肩こり・蒸れ・フォーム)
「荷物があるなら背負えばいい」と考えがちですが、サイクリングにおいてバックパックにはいくつかの大きなデメリットがあります。
肩こりと疲労の蓄積
ロードバイクは前傾姿勢で乗る為、バックパックの重さはすべて肩と腰に集中します。
長時間のライドでは、この重みがじわじわと筋肉を圧迫し、肩こりや首の痛み、さらには腰痛の原因になります。
背中の「蒸れ」による不快感と冷え
自転車用ではない汎用のバックパックを背負いますと、背中がバッグで密着されて汗が蒸発しにくくなります。
夏場は体温が上がりすぎて体力を消耗し、逆に冬場や下り坂では、溜まった汗で冷える「汗冷え」を起こして風邪を引くリスクが高まります。
理想的なフォームの妨げ
バックパックを背負うと前傾姿勢が取りにくくなりますので、空気抵抗が増えます。
また、肩ストラップが胸を圧迫する事で、深い呼吸がしにくくなるというデメリットもあります。
これらの負担をなくし、体を荷物から「解放」する事が、ロングライド攻略の第一歩です。
サドルバッグ/トップチューブバッグ/フレームバッグの使い分け
バックパックに収納していた携行品は、自転車に取り付ける専用のバッグに分散させます。
それぞれの特徴を理解して使い分けましょう。
・サドルバッグ(サドルの下に取り付ける)
最も一般的なバッグです。ペダリングの邪魔になりにくく、タイヤレバー、チューブ、CO2ボンベまたはバッテリー駆動式携帯ポンプ等の「ライド中に頻繁には出さない物」を入れるのに適しています。
・トップチューブバッグ(ハンドル手前のフレーム上部に載せる)
目の前にある為、走りながらでも中身を取り出しやすいのが特徴です。
スマホ、補給食、モバイルバッテリーなど、頻繁に使う小物を入れるのに便利です。
・フレームバッグ(フレームの三角形の隙間に収める)
自転車の中心近くに荷物を配置できる為、重い物を入れても走行安定性が損なわれにくいのがメリットです。
ただし、フレームの形状やサイズによっては、サイクルボトルと干渉して取り出しにくくなる場合がある為、注意が必要です。
容量別のおすすめ構成(最小/標準/やや多め)
行く先や目的に合わせて、バッグの組み合わせを最適化しましょう。
最小構成(〜50km程度・短時間のサイクリング)
装備:サイクルボトルとツールケースのみ
ボトルケージに収まる「ツールケース」に、小型携帯ポンプとチューブとタイヤレバーを収納、ダウンチューブのボトルケージにサイクルボトル。背中のポケットに小さい財布とスマホを入れれば、バッグなし最小限の軽い状態で走れます。
標準構成(50〜100km程度・一般的なツーリング)
装備:中型サドルバッグ
サドル下に中型サドルバッグを取り付けてパンク修理用品とスマホと小さな財布を収納、ダウンチューブのボトルケージにサイクルボトル、サイクルジャージのポケットに補給食を入れる。
この構成なら、1日中快適に走る事ができます。
やや多め構成(100km超・峠越えや温度差は大きい場合)
装備:大型サドルバッグ + トップチューブバッグ
重ね着するウェアや輪行袋(自転車を袋に入れて電車に持ち込む為の道具)が必要な場合は、容量が5リットル以上ある大型サドルバッグを選びます。
これ一つで、かなりの荷物を自転車側に預ける事が可能です。
あとはトップチューブバッグを自転車に取り付けて、補給食や小さな財布やスマホを入れると、頻繁に出し入れする物を簡単に取り出せられます。
自分がどれだけの荷物を持つべきか、まずはサイクリングする距離に合ったバッグを選ぶと良いです。
携行品を入れるスペースが足りなければバッグを大きくしたり、逆にスペースが大きく空いていれば小さくしたりしていく構成で考えてみて下さい。
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必携装備の最小セット(ロングライドの基本持ち物チェックリスト)
ロングライドでは「走行中に起こりやすいトラブルに、その場で最低限対応できる事」と「帰れなくなるリスクを潰す事」が最優先です。
携行品を増やしすぎると走りにくくなる為、まずは“最小セット”を基準にし、距離・季節・ルート(コンビニや峠の有無)に応じて足していくのが安全です。
パンク修理:チューブ1本+タイヤレバー+(携帯ポンプ・CO2インフレーター・電動ポンプ)
ロングライドで最も起きやすいトラブルがパンクです。パンク修理用品がないと、その場で走行不能になり、自走できなくなります。最低限、次の3点を揃えるのがおすすめです。
予備チューブ 1本
チューブに穴が開いたら予備のチューブに交換するのが最も確実で早い方法です。
どのチューブが適合するか分からない場合は、ロングライド前日までにホイールからチューブを取り出して、同じサイズとバルブ長のチューブを買いましょう。
タイヤレバー(3本あると楽)
タイヤをホイールから外す為のツールです。手だけで外せる場合もありますが、ビートが固いタイヤだとタイヤレバーを使わないと脱着できません。
空気を入れる手段:携帯ポンプ・CO2ボンベ・電動ポンプ
・携帯手動ポンプ
繰り返し使えます。ポンプは小さいほど空気を入れるのに大変で時間はかかりますが、失敗してもやり直せます。
・CO2インフレーター
ボンベのガスで一気に空気を入れられます。速い反面、使い切りで、チューブが正しく装着されていないと空気を入れた瞬間にパンクしますし、ボンベも1本消費してしまいます。
・携帯電動ポンプ
近年登場した携帯ポンプとCO2インフレーターのいいとこ取りのツールです。空気圧とタイヤの太さにもよりますが、2本以上のタイヤに空気を入れられます。バッテリーが切れていると使えないので、注意が必要です。
初心者は「確実に帰る」目的なら携帯ポンプが安心です。事前に自宅で練習してパンクした時にスムーズに対応できる様にしましょう。
マルチツールは「使う機能だけ」厳選(六角・トルクス・チェーン系)
「マルチツール」は、複数の工具が一体になった携帯工具です。便利ですが、機能が多すぎると重くなります。
まず“自分の自転車に必要なボルト形状”に合わせて厳選するのが合理的です。
六角レンチ(ヘックス)
六角穴付きボルト(六角形のネジ頭)に使います。ほとんどのパーツはこの規格のボルトで固定されています。
あらかじめビスに六角レンチを差し込み、適合するレンチのみ携行すると確実です。
トルクスレンチ(星形)
トルクス穴付きボルト(星形のネジ頭)に使います。チェーンリングはこの規格のボルトで固定されている事が多いです。
頭が潰れやすい六角穴付きボルトを潰れにくいトルクス穴付きボルトに交換している人は、トルクスレンチも携行する必要があります。
使用箇所がチェーンリングだけの場合は、トルクスレンチの携行は不要です。心配でしたら前日に増し締めしておくと安心です。
チェーンカッターとミッシングリンク(クイックリンク)
チェーンが切れた時に使います。
・チェーンカッター
チェーンのピンを押し出して分離する工具です。
・ミッシングリンク(クイックリンク)
チェーンを“工具なし”で装着できる接続部品の事です。
ただし、チェーントラブルはパンクほど頻度が高くないです。
携行する場合はチェーンカッターの他に、チェーンの規格(6~8速、9速、10速、11速、12速)に合ったクイックリンクを用意しましょう。
予備バッテリー/ライトは「日没後の走行時間」で判断(点灯時間の計算方法)
ライト(前照灯・尾灯)は「夜に走る為」だけでなく、トンネルや悪天候、薄暗い時間帯の視認性を上げる為にも重要です。
予備バッテリーや予備ライトが必要かは、“日没後の走行時間”で判断すると無駄が減ります。
点灯時間の考え方(計算のしかた)
ライトの仕様で「点灯時間」を確認する
多くのライトは、モードごとに「点灯◯時間」と書かれています(例:強=2時間、弱=8時間など)。
自分が使っているライトの点灯時間を取扱説明書やメーカーのホームページで確認しましょう。
なお、充電式のライトは繰り返して使用する内にバッテリーが劣化して、点灯時間が徐々に短くなります。実点灯時間を考慮して下さい。
必要な点灯時間を見積もる
・走る予定の内「暗くなる可能性がある時間」
・トンネルが多いルートなら、その分も上乗せ
・予定より遅れる“余裕分”(例:+1〜2時間)
例えば「日没前に帰る予定でも、休憩やトラブルで1時間遅れる」事は珍しくありません。
「必要時間」>「ライトの点灯時間」なら対策
対策は主に3つです。
・明るいモードを下げ、弱モード中心で運用する
・予備ライトを持つ(外したライトはモバイルバッテリーで充電する)
・脱着式バッテリータイプなら、予備のバッテリーを持つ
なお、モバイルバッテリーはスマホのバッテリー切れに対する保険にもなるので、後述の「連絡手段」面でも役立ちます。
連絡手段と身分証・保険・現金(スマホ依存の落とし穴)
ロングライドの「帰れない」を防ぐには、修理道具と同じくらい連絡・支払い・本人確認の備えが重要です。
スマホがあると安心しがちですが、スマホ“だけ”に依存すると落とし穴があります。
最低限持っておきたいもの
・スマホ(連絡・地図・緊急時)
地図アプリ、連絡、交通機関の検索などに使えます。
・身分証(運転免許証など)
万一の事故対応で必要になる事があります。
・保険の連絡先
事故に遭った時に自転車保険(または自動車任意保険の特約)の担当者に連絡する為に必要です。
電話番号をスマホの連絡先に登録しておきましょう。
現金とクレジットカード
電子決済が使えない店、通信障害、スマホ故障、バッテリー切れの時に有用です。
タクシーや輪行(自転車を電車に持ち込む)をする様な、自走できなくなった時の帰宅手段にもなります。
必要額はタクシーで最寄りの駅まで移動と電車賃を考えると現金のみの場合は1万円程度用意すると良いですし、クレジットカードも携行するのでしたら現金は3,000円あれば十分です。
なお、宿泊を伴うロングライドではより多くの現金が必要になります。
スマホ依存の落とし穴(よくある詰みポイント)
・バッテリー切れ
地図も連絡も支払いも同時に失う。
・圏外/通信障害
地図の読み込みや決済ができない事がある。
・破損/水濡れ
落車や雨で壊れて突然使えなくなる。
・寒さで電池が急激に減る
季節によっては電池が想定より早く減る事がある。
対策(最小で効く順)
・出発までにスマホを充電しておく
・モバイルバッテリー+短い充電ケーブル(スマホの給電)
・オフラインモードで使用できる様に、走行ルート上の地図を事前にダウンロードしておく。破損や水濡れして壊れた場合は、道路標識を見て帰宅ルートを判断する。
・連絡先(家族など)を紙にも書く(スマホが壊れると見られない為)
この4項目を揃えておくと、ロングライド中のトラブルが「焦り」ではなく「手順」で処理できる様になります。
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“削っていい携行品/削ってはいけない携行品”の判断基準
携行品を減らして軽くしたいというのは、すべてのサイクリストの願いです。しかし、何でも削ればいいわけではありません。
判断の基準は「その携行品がない事で、自走できなくなる(詰む)かどうか」にあります。
削っていい:被りがちなアイテム(例:工具の重複、ケミカル類)
「もしもの備え」を重ねすぎると、どんどん重くなります。まずは、役割が重なっている物から整理しましょう。
複数の同じ種類の工具
例えば、マルチツール(多機能工具)の中に六角レンチが含まれているのに、それとは別に単品のレンチセットまで携行する必要はありません。
自分の自転車に使われているネジのサイズを事前に確認し、必要なサイズがマルチツールで網羅できていれば、単品の工具の携行は不要になります。
ただし、マルチツールが使いづらい部分のネジを調整する場合は、単品の工具も必要ですので、事前にすべての箇所のネジをマルチツールで調整できるか確認しておきましょう。
ケミカル類
ケミカルにはチェーンルブ(潤滑剤)の他に、ホイールのハブのカップアンドコーンに塗る「汎用グリス(シマノの場合はプレミアムグリス)やケーブルに塗るケーブルグリスやカーボンパーツを滑りにくくするカーボングリス等がありますが、それらは日帰りのロングライドでは不要です。
雨に強いチェーンルブを前日に塗布すると、天候が悪化して雨が降ってきたとしてもチェーンの油膜は容易に剥がれません。
グリスを使う作業はサイクリング中に行う事が困難ですので、自宅に帰った後でグリスアップをしましょう。
削ってはいけない:帰れなくなる物(例:空気を入れる手段、支払い手段)
「これがなければ自走できない」という携行品は、どれだけ軽くしたくても削ってはいけません。
空気を入れる手段
パンク修理の際、替えのチューブがあっても、空気を入れる手段(携帯ポンプやCO2ボンベや電動ポンプ)がなければ走行を再開できません。
特に、使い切りタイプのCO2ボンベを使う場合は、失敗する可能性を考えて、予備のボンベを持つか、手動の小型ポンプと併用か、両方の機能が備わっているハイブリッドポンプを使用するのが賢明です。
現金とクレジットカード
体調が悪化した時や、メカトラブルで自走できなくなった時の「最終手段」は、公共交通機関(輪行:自転車を袋に入れて電車に持ち込む事)やタクシーを利用する事です。
スマホ決済だけでなく、通信障害やバッテリー切れに備えて、必ず「現金」と「クレジットカード」も携行しておきましょう。
季節やルートで変わる必携品(峠・寒暖差・自販機/コンビニ間隔)
走るルートや時期によって、「重要な物」は変化します。
峠越え
峠は平地よりも気温がぐっと下がります。
上りは低速度域で常にペダルを漕いでいる為、汗が出るほど体が温まりますので薄着でも大丈夫です。
ですが、長い下り坂になるとペダルを漕がなくても進むので運動による体温の上昇がなく、上りで出た汗が冷たい走行風で気化される事で急激に体温が奪われます。
ですので、薄手の「ウィンドブレーカー」が必須ですし、標高が高い所から下山する場合は夏場であっても必要になります。
自販機やコンビニの間隔
市街地と違い、郊外では、数十キロにわたって自販機やコンビニがない事があります。
こうしたルートを走る際は、サイクルボトルの本数や補給食の携行量を削ってはいけません。
ルート上にどれくらいの間隔で自販機やコンビニがあるかといった詳細な情報を、事前に地図アプリ等で確認しておく事をお勧めします。
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パンク対策を軽量化する(チューブド/チューブレス別)
加速や上り坂での走行性能を高める為には、車体の重量を軽くする事が効果的です。
特に、サドルバッグやツール缶やツールケースに入れて持ち運ぶ「パンク修理用品」は、工夫次第で多少軽量化できます。
自分のタイヤの種類(チューブドかチューブレスか)に合わせて、効果的なアイテムを選ぶ事が大切です。
チューブドの引き算:最小構成と「2本目が必要な条件」
「チューブド」とは、タイヤの中にゴム製のチューブが入っている最も一般的なタイプのクリンチャータイヤです。
この方式での最小構成は、「予備チューブ1本」「タイヤレバー2本(できれば3本)」「ゴムのりが不要のパッチ」の3点です。
さらに軽くしたい場合は、チューブの素材に注目しましょう。従来主流だった「ブチル(黒いゴム製)」から、最新の「TPU(熱可塑性ポリウレタン)」という素材のチューブに変えると、重量を半分以下に抑えられ、大きさもコンパクトになります。
予備チューブを2本持つべきか悩むところですが、以下の条件に当てはまる場合は2本携行を推奨します。
100kmを超える距離を走る場合
1度パンクした後に再度パンクすると、携行しているパッチを貼って対応できます。
ですが、圧着する工具がない為、空気抜けが発生しやすく何度か止まって空気を補充する必要があります。
路面状況が悪い場所を走る場合
尖った石やアスファルトが劣化でひび割れしている道では、異物がチューブに届いてパンクする他に、タイヤに大きな穴が開いたり、裂けたりする事もあります。
その場合、交換したチューブに空気を入れるとチューブがタイヤから飛び出す場合もありますが、タイヤブートをタイヤの内側に貼り付ける事で応急処置できます。
ロングライドをする場合はタイヤブートも携行すると良いです。
応急処置したタイヤは継続使用できません。
次のサイクリングで使用すると再びパンクするので、新しいタイヤに交換しましょう。
チューブレスの引き算:修理剤・予備チューブの考え方
「チューブレス」は、中にチューブがなく、代わりに「シーラント」という液体をタイヤ内部に入れて気密性を保つタイプです。
小さな穴であればシーラントが自動で塞いでくれますし、チューブがないのでリム打ちパンクしない、チューブドタイヤよりパンクに強いのが特徴です。
チューブレスの軽量化の鍵は、以下の3つの役割分担です。
瞬間パンク修理剤
パンクで穴が開いた部分を路面に接触させて、バルブから修理剤を注入すると空気も同時に入ります。
軽微なパンク穴はこれ1本で塞がるので、すぐに走行可能になります。
予備チューブ
パンクした穴が大きく、瞬間パンク修理剤で塞げない場合はチューブを入れて応急処置します。
究極の軽量化を目指すなら、近場では「瞬間パンク修理剤」に絞ることも可能です。
しかし、路面には小石だけではなく、クギが落ちている事もある為、長距離を走る際は万が一の保険として一般的なプチルチューブ(少しでも軽くしたい場合はTPUチューブ)を1本持っておくと良いです。
タイヤの脱着にはタイヤレバーが必要ですが、一般的なタイプはタイヤのシール性能が悪化する原因になりますので、チューブレス専用のタイヤレバーが必要です。
タイヤブート
さらに大きな穴が開いたり、タイヤが裂けたりする事があります。
その場合は、タイヤブートをタイヤの内側に貼り付ける事で応急処置できます。
応急処置した後でチューブを入れる事により自走できます。
携帯ポンプvs CO2 vs電動ポンプ:軽さ・確実性・失敗リスクで選ぶ
パンク修理後に空気を注入する手段として、「CO2インフレーター」と「携帯ポンプ」と「電動ポンプ」の3種類があります。
携帯手動ポンプ(確実性重視)
自分の手でシュポシュポと動かして空気を入れるツールです。
ポンプは小さくなる程、空気を入れるのに力と時間がかかりますが、何度でもやり直しが利き、ボンベとは違いガス欠の心配もありません。
CO2インフレーター(軽さと速さ重視)
小さなガスボンベを使い、一瞬で空気を充填できるツールです。
非常に軽くてコンパクトですが、「1回使い切り」という弱点があります。
注入に失敗して携行しているボンベを使い切ると、その時点で空気を入れる手段がなくなります。
小型の携帯ポンプにCO2ボンベが取り付けられる「ハイブリッド携帯ポンプ」もあります。
手動でタイヤの形が整うまで空気を入れてからCO2ボンベで、一瞬で高圧にできますので、失敗しにくいです。
携帯電動ポンプ(サイズと速さ重視)
小型のコンプレッサーをバッテリーで駆動させて空気を入れるツールです。
登場当初は重かったが、現在では100~160グラムとスマホより軽く改良されています。
一度ポンプを起動させると1~2分で空気を注入してくれ、指定空気圧になると自動的に止まります。
空気圧やタイヤ幅によって変わりますが3~6回使用でき、バッテリー残量が少なくなってもモバイルバッテリーで充電させながら走行する事で、携帯手動ポンプと同様に使用回数を気にせず使えます。
どちらを選ぶべきかは、自分のスキルと走行スタイルによります。
・「時間はかかっても確実に家まで帰りたい」なら携帯手動ポンプ。
・「失敗のリスクを承知でチューブ交換にかかる時間を極力短くしたい」ならCO2インフレーター。
・「失敗リスクを軽減した上でチューブ交換にかかる時間を極力短くしたい」なら両方の機能を備えたハイブリッドタイプ。
・「使い切りのボンベが嫌だけど高圧まで確実に空気を入れたい」なら携帯電動ポンプ。
から選びましょう。
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補給と水分は「持たない工夫」で軽くする(ロングライド補給戦略)
長距離を走るロングライドでは、ハンガーノック(エネルギー不足)や脱水症状を防ぐ為に補給食やスポーツドリンクが必要になります。
しかし、それらを出発からロングライドで使う分をすべて携行すると、重量が増して加速や上り坂で体力を余計に消耗してしまいます。
身軽に走る為のコツは、「現地調達」という考え方で、持ち運ぶ物を最小限に抑える事です。
ルート上で補給する前提の作り方(コンビニ/自販機/給水ポイント)
「持たない」為の第一歩は、事前に走行ルートのどこにコンビニがあるかを把握する事です。
・コンビニエンスストア
ドリンクの他におにぎりやパン等の軽食から弁当を調達でき、トイレもある(一部コンビニではトイレが使えない所もあります)一番頼りになる拠点です。
・自動販売機
コンビニと比べると見落としやすく、郊外や峠には設置されていない事が多いので、案外当てになりません。
ドリンクの残量が少ない時に郊外や峠を走行している場合は、自販機があると助かります。
・公園
ドリンクがなくなりそうな時に水道から水を補給できるので、コンビニや自販機までの繋ぎとして役に立ちます。
また、トイレもあり、ベンチで横になって休憩できる等、以外と頼りになります。
コンビニの場所を地図アプリ等で調べ、「30kmごとに一度立ち寄る」といった目安を作っておきましょう。(緊急時に利用できる様に公園の場所も調べておくと良いです)
ただし、郊外や峠道では20km以上もお店がない区間が存在します。
そのような「補給空白地帯」がルートにあるかどうかを事前に確認し、そこを通過する直前だけはドリンクや補給食の携行量を増やすといった柔軟な対応が、無理のない軽量化に繋がります。
ボトル本数の決め方(気温・発汗量・補給間隔の目安)
自転車にはボトルを取り付ける「ボトルケージ」が2箇所ありますが、常に2本持つ必要はありません。
・ボトルの本数
気温が低い冬場や、10kmおきにコンビニや自販機があるような市街地であれば、ボトル1本(約600〜800ml)で十分です。
逆に、気温が25度を超える夏場や、次の補給ポイントまで2時間以上かかるような場合は、熱中症や脱水を防ぐ為に2本持つと良いです。
・脱水への注意
喉が渇いたと感じた時には、すでに体内の水分が不足し始めています。
10分に一口など、こまめに口に含む習慣をつけましょう。
ボトルを1本に減らせるだけで、約600〜800gも軽量化でき、上り坂でのペダリングが軽くなります。
補給食を減らすコツ(高密度高カロリー、買い足し前提)
運動中にエネルギーが完全に切れて動けなくなる状態を「ハンガーノック」と呼びます。
これを防ぎつつ携行品を減らすには、補給食の「選び方」が重要です。
小さくて高カロリーな補給食を選ぶ
「エネルギージェル」や「羊羹(ようかん)」などは、サイズが小さくてもカロリーが非常に高い(高密度な)食品です。
これらを2〜3個サイクルジャージのポケットに入れておけば、かさばるおにぎりやパンを大量に持ち運ぶ必要がなくなります。
買い足し前提の戦略
出発時は最低限のエネルギージェルだけを持ち、お腹が空いたらルート上のコンビニでその都度次の区間まで食べる分だけを購入します。
必要分だけ購入する事で、常に身軽な状態で走り続けられます。
「すべてを準備して出発する」のではなく、「ルート上にあるコンビニを自分の冷蔵庫の様に考える」事で、ロングライドはぐっと快適で身軽なものになります。
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ウェアの引き算「一枚多い」をなくすレイヤリング
「レイヤリング」とは、登山やサイクリングなどのアウトドア活動において、状況に合わせて服を「重ね着」して体温を調節する事です。
初心者の内は「寒かったら困る」と、つい厚手の服を着込んだり、何枚も用意したりしてしまいがちで、収納に困ってしまいます。
そこで重要になるのが、ウェアの「引き算」という考え方です。
必要最小限のアイテムをうまく組み合わせる事で、携行品をコンパクトにまとめつつ、常に快適な体温を保てられます。
ポイントは、ベースとなる服の上に「防風・体温調節」ができる薄手のウェアをどう重ねるか、という点にあります。
ウィンドブレーカー1枚で解決できる場面(下り・朝夕・風)
ウィンドブレーカーは、その名の通り「風を遮る(さえぎる)」事に特化した薄手のジャケットです。
走行中に受ける「走行風」や冷たい外気をシャットアウトする性能が非常に高く、以下の3つの場面で大きな威力を発揮します。
・下り坂
上り坂でかいた汗が、下り坂のスピードによる風で冷やされる「汗冷え」を防ぎます。
・朝夕の気温差
日中は暖かくても、朝や夕方や夜の時間帯は急激に冷え込みますが、その気温変化から体を保温できます。
・強い風が吹く日
風速が1メートル増えるごとに体感温度は約1度下がると言われています。風を遮るだけで、体温の低下を抑えられます。
非常に軽量で、使わない時は手のひらサイズに畳んでポケットに収納できる為、最も効率的な「引き算」の主役となります。
グローブ/アームカバー/レッグカバーの優先順位
全身のウェアを一枚増やすのではなく、部分的にカバーするちょい足しウェアを活用するのも良い方法です。
これらは暑くなればすぐに外してポケットにしまえる為、体温調節の自由度が高まります。選ぶ際の優先順位は、以下の通りです。
・グローブ(手袋)
指先は体の末端で冷えやすく、手がかじかんでしまうとブレーキ操作に支障が出て危険です。まずは手を保温する事を優先しましょう。
・アームカバー(腕)
半袖の上に着脱できる「袖」のようなウェアです。腕は脚とは違い常に動かしている訳ではなく、冷えがちな部位です。ここを保温すると体感温度が変わります。
・レッグカバー(足)
足の筋肉を冷えから守ります。アームカバーに比べると着脱に少し手間が掛かり(靴を脱ぐ必要がある場合など)ペダリング中にズレてくる為、優先順位は三番目となります。
冬用のサイクルタイツを最初から穿いておくべきですが、それでも寒く感じたら着用すると良いです。
雨対策は”天気予報とレインウェア”
サイクルスポーツ用のレインウェアは、通気性に配慮してはいるがそれでも蒸れやすいという大きな欠点があります。
降水確率が低い(30%)天気予報で短時間のサイクリングの場合は、レインウェアの携行をしなくても良いです。
まずは、出発前に天気予報や雨雲レーダーの情報をチェックし、「いつ、どこで降り出すか」を把握しましょう。
雨の日のサイクリングは危険ですし、ロングライドでは風邪をひく原因にもなりますのでお勧めしませんが、サイクルイベントの場合は雨が降ったら早めにレインウェアを着て体が濡れない様にする事が大切です。
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電子機器・ナビ周りの引き算(スマホ/サイコン/充電)
ロングライドでは走行ルートの表示に電子機器が大いに役立ちます。
汎用性の高いスマホとサイクリングに特化したGPSサイクルコンピューターは、どちらでもルートを表示できます。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、状況に応じて選ぶと良いです。
ナビはどれが最小ストレス?(スマホ単体 vs サイコン)
目的地でのルート案内はGPSサイクルコンピューターが最適ですが、スマホでも代用できます。
GPSサイコン(ルート表示可能なサイクルコンピューター)の場合
サイクルコンピューターとは、自転車専用の計測機器の事です。
GPS(人工衛星を利用して現在地を特定するシステム)と地図が表示できるタイプであれば、地図を表示してナビゲートが可能です。
日中の晴天の中での使用を想定しているので画面が見やすく、防水性があるので雨にも強く、バッテリーの持ちが良いので日帰りのロングライドでバッテリー切れになりにくいです。
ただし、ルート案内できるGPSサイコンが高価で、安くても2万円、高い物は10万円以上します。
スマホ単体の場合
画面が大きいので地図が見やすく、検索もスムーズなのが利点です。
しかし、常に画面を点灯させてナビを動かすとバッテリーが減りやすく、ナビ使用でバッテリーを使い果たした時に電話として使おうとしても使えません。自走できなくなったり、事故が起きたりした時に電話を掛けられず詰んでしまいます。
また、夏場での直射日光によるスマホの過熱(熱暴走)や、路面の振動によるカメラの故障リスクも考慮しなければなりません。
スマホをナビとして使う場合は、あらかじめ走行ルート上の地図をダウンロードしておいて、オフラインモードを用いますとバッテリーが長持ちします。
引き算の考え方
同じ道を何度も走行していてルートを覚えているのなら、ナビは不要でスマホはバッグやポケットに入れると良いです。
初めて走行するルートだったり、よく覚えていないルートを走行したりする場合は、費用が掛かりますがGPSサイコンを購入した方が快適にサイクリングできます。
充電計画:必要mAhを見積もって予備バッテリーを削る
「念の為」と大きなモバイルバッテリーを携行するのは、鉄アレイを運ぶ事と同じです。
使用している電子機器に必要な電気容量「mAh(ミリアンペアアワー)」を把握する事で、バッテリーを軽量化できます。
電気容量を知る
スマホが約3,000〜5,000mAh、GPSサイコンが約1,000mAhです。
宿泊環境を考える
宿泊を伴うロングライドであれば、翌朝にはすべての機器がフル充電になります。つまり、1日分+αの予備があれば十分です。
容量を絞る
2泊以上のキャンプツーリングでない限り、20,000mAhのような超大容量は不要なケースが多いです。
スマホをナビとして使う場合でも10,000mAh程度で十分で、重量を半分近くまで減らせる可能性があります。
スマホはナビには使わずに、GPSサイコンをナビとして使用するのなら電気容量を5,000mAhとさらに抑えられるので、もっと軽くできます。
スマホにしてもGPSサイコンにしても、一度実際の動作時間を計測してみる事で最適なサイズが見えてきます。
ケーブル類を減らす(1本化・短尺・端子統一)
絡まりやすく、カバンの中でかさばるケーブル類も引き算の対象です。
端子を統一する
現在の主流は「USB Type-C」です。ライト、サイコン、スマホをType-Cで充電できるモデルに揃えると、持ち歩くケーブルは1本で済みます。
もし、それぞれの電子機器で異なる端子がある場合は、変換アダプタを活用してケーブルは1本に集約させましょう。
短めのケーブルを選ぶ
1メートル以上の長いケーブルは不必要に長く邪魔になります。
モバイルバッテリーから給電しながら走る場合でも、電子機器に届いてハンドル操作に影響しない程度の短めのケーブルを選ぶだけで、ハンドル周りの配線がスッキリします。
「1つの役割に1つの道具」ではなく、「1つの道具に複数の役割」を持たせる事が、携行品を減らす近道です。
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収納の引き算「取り出しやすさ」がストレスを減らす
携行品は単に「減らす」整理だけではありません。必要なものがすぐに取り出せないとストレスが蓄積されます。
出し入れの回数や手間を「引き算」整理する事で、サイクリングに集中できる環境を作りましょう。
使用頻度で分ける(走行中/休憩時/緊急時)
どこに何を収めるかを「使う頻度」で決めると、使いたい携行品を探す時間が短縮されます。
・走行中
スマホ、補給食、ハンカチ、財布など。
これらはサイクルジャージの背中にあるポケットや、ハンドルの手前に取り付ける「トップチューブバッグ(フレームの上側に固定する小物入れ)」が最適です。
・休憩時
ワイヤーロック、ウィンドブレーカーなど。
一度自転車を止めてから使う物は、サドルバッグの少し奥でも問題ありません。
・緊急時
パンク修理キットや予備のチューブや小型の携帯ポンプなど。
これらは滅多に使いませんが、いざという時に確実に必要です。
サドルバッグの最も奥など、一番取り出しにくい場所に収納しましょう。
パッキング例:サドルバッグの中身を固定する(ガタつき・紛失防止)
パッキングとは、バッグの中に携行品を隙間なく、効率よく詰める事です。
特に「サドルバッグ(サドルの下に取り付けるバッグ)」は走行中に揺れやすい為、空きスペースが大きいと中に入れてある携行品が動く事で乱れたり、不快な音が発生したりする原因にもなります。
隙間を埋める
金属製の工具同士がぶつからないよう、布で巻いたり、小さな袋にまとめたりしましょう。
重いものは根元に
重い工具類をシートポスト(サドルの支柱)に近い方に配置すると、バッグが揺れにくくなります。
チャックを閉じ忘れると走行中に中身を落としてしまいますので、携行品をバッグから出した後は必ずチャックを閉じている事を確認する習慣をつけましょう。
ゴミ・使用済み補給食の収納(バッグ内を汚さない工夫)
サイクリングでよく使われる「エナジージェル(高カロリーのゼリー状飲料)」などのパッケージでキャップが付いていない物は、使用した後でも開封した所がベタついてしまいやすいのが難点です。
専用のゴミ袋を準備する
小さくて薄い袋を一つ用意し、「ゴミ専用」としてバッグの端に入れておきます。
外ポケットを活用する
メッシュ状の外ポケットがあるバッグなら、そこに専用のゴミ袋を収めるのも手です。
「綺麗な物」と「汚れた物」の識別をはっきりと分けるルールを作るだけで、バッグの中が汚れるトラブルを防ぎ、帰宅後の片付けという手間も引き算する事ができます。
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距離・季節別:最少装備テンプレ(初心者〜中級者向け)
「もしもの時」を考えすぎると携行品は際限なく増えてしまいます。
走る距離や天候に合わせて携行品を最適化する(テンプレ化する)と、準備の時間を短縮し、身軽に走り出す事ができます。
100km日帰り最小セット
100km程度の日帰りサイクリングで、コンビニなどの補給ポイントを走行ルート上に多く含める様にすると、補給食やドリンクの携行量を多めに削る事が可能です。
・パンク修理セット
予備のチューブ、タイヤレバー、携帯ポンプ。パンクした時に必要です。
・スマホと決済手段
コンビニでクオカードやスマホでのQRコード決済を利用すると、現金払いより支払いがスムーズになります。
また、クレジットカードがあれば、自走できないトラブル時に現金の残額を気にせずタクシーを利用できます。
・前後ライト
トンネル内や、予定より遅れてしまい、夜間走行になった時に必要です。
コンビニがあれば「必要な分の補給食は現地で買う」という考え方が、携行品を減らすコツになります。
150~200km(郊外・峠あり)標準セット
距離が延び、人里離れた峠越えを含む場合は、自力で解決できる装備が追加で必要です。
・モバイルバッテリー
長時間のGPSサイコンやスマホの利用でのバッテリー切れに備えます。
・ウィンドブレーカー
峠の下り坂では風を受けて体温が急激に奪われます。
薄手で畳むと手のひらサイズになるウインドブレーカーが重宝します。
・補給食
郊外では10km以上先まで店がない事がよくあります。
ハンガーノック(空腹で低血糖になり動けなくなる)を防ぐ為、常に一つは補給食を携行しましょう。
・輪行袋
輪行とは、自転車を専用の袋に入れて電車に持ち込む事です。
体調の悪化やメカトラブルの際、最寄りの駅から帰宅できる「究極の守り」になります。
真夏/真冬/雨予報の”追加するのはこれだけ”リスト
基本のセットに、季節ごとのリスクを回避するアイテムを1〜2点だけ追加します。
初夏
電解質(塩分)タブレットには、経口タイプと水道水を入れた水にタブレットを入れてドリンクにするタイプの2種類があります。
暑い時期は体内の塩分が大量の汗で失われる為、塩分を補給して熱中症や足のつりを防ぎましょう。
真夏で日中のロングライドは暑すぎるだけではなく、熱中症リスクが高くお勧めできません。
早朝や夕方の比較的涼しい時間帯に限定してサイクリングをしましょう。
真冬
厚手のサイクルジャージやタイツにウィンドブレーカーを着用して、真冬用のサイクルグローブやシューズカバーを併用する事で0℃や氷点下でのサイクリングに対応できます。
少し走りますと体が温まってきますので、その時はウィンドブレーカーを脱いで体温調整します。
なお、サイクルグローブは特に重要で、手がかじかむとブレーキ操作ができず危険です。
雨予報
雨天でのサイクリングはお勧めできませんが、サイクルイベントが雨天だった時、レインジャケットの着用の他に「ジップロック(チャック付きの防水袋)」を用意してスマホ等の濡れては困る物を入れると良いです。
予報外の急激な天候変化や、山頂の気温については、その場に行ってみるまで分からない事も多い為、これらの「プラスアルファ」が安全を守る要となります。
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出発前チェックで「持ちすぎ」を防ぐ(引き算の手順)
携行品を減らす最も効果的な方法は、出発の前日に「客観的に携行品を眺める」事です。
不安からくる「とりあえず」を排除し、論理的に必要な物だけを選ぶ手順を身につけましょう。
装備を全部並べて分類する(必携/条件付き/不要)
まずはバッグやポケットに入っている物を、床やテーブルの上にすべて広げてみましょう。
視覚化する事で、走行距離に対して必要以上に持ちすぎている物に気づきやすくなります。
必需品
これがないと走行できなくなったり、走行不能になった時に詰んでしまったりする物。
例:フロントライト、ヘルメット、パンク修理用品、財布、スマホ。
条件付き
その日のルートや天気によって判断する物。
例:レインウェア(降水確率が高い場合)、輪行袋(トラブル時に自転車を電車に持ち込む場合)、モバイルバッテリー(長距離走行の場合)。
不要
「あったら便利かも」と思うが、過去のライドで使わなかった物。
例:とりあえず自走するのに不要な工具、予備のさらに予備のチューブ、大容量のモバイルバッテリー。
分類の際、その携行品が「本当に今日必要なのか」を一つずつ自分に問いかける事で、自然と持ち物の引き算が進みます。
トラブル想定を3つに絞る(パンク・ルートミス・日没 など)
サイクリング中のトラブルは無限に想像できてしまいますが、準備を絞るために「重要な3点」に集中しましょう。
パンク
走行不能になる最大の原因です。携帯ポンプとタイヤレバーと予備チューブがあれば解決できます。
ルートミス
ルートを間違えると復帰するのに余計な時間と体力を消費します。
GPSサイコンやスマホのバッテリー残量を把握して、常にナビ機能が使える状態を維持しましょう。
日没
予定より遅れて暗くなった場合、ライトがないと走行できません。
ライトのバッテリー残量を確認しましょう。
これら以外の稀なトラブル(フレームの破断や、激しい落車による大怪我など)がいつどこで起きるかは、誰にも分かりません。
起こる確率が極めて低い事態にすべて備えようとすると、自宅にある自転車用品すべてを持ち運ぶ事になります。
主要なリスクに絞って対策するのが、距離別に最適化された装備の極意です。
一度走って改善:ライド後の振り返りチェックリスト
ライドが終わった直後が、装備を最適化する絶好のチャンスです。帰宅して携行品を片付ける時に、以下のチェックを行って下さい。
一度も使わなかった物は何か?
それは「緊急用(パンク修理キットやスマホや財布)」以外であれば、次回のライドでは家に置いていける候補です。
「あれがあればよかった」と後悔したか?
逆に足りなくて困った物は、次回の「条件付き」リストに加えましょう。
重さが負担にならなかったか?
特に上り坂で自転車が重く感じた場合、携行品に改善の余地があるかもしれません。
毎回この「答え合わせ」を繰り返す事で、自分にとっての「必要最小限」が洗練されていきます。
人によって最適な装備は異なる為、自分だけの最適化を見つけていきましょう。
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まとめ:引き算でロングライドはもっと楽になる(必需品を残して軽くする)
ロングライドを快適にするコツは、「ないと困る物」を残しつつ、「なくても自走できる物」を減らす事です。
携行品が軽く少なくなると、坂や加速が楽になり、必要な時にバッグを探る手間も減ります。
ただし、軽量化はあくまで手段です。パンク修理や支払い手段、ライトなどの「帰れなくなる装備」は削らず、距離・季節・ルートに合わせて最小限に整えるのが、最善の考え方です。
今日からできる削減ポイント3つ(例:バックパック卒業、工具の厳選、補給食を持ちすぎない)
人から自転車に載せ替える(バックパックから自転車取付バッグに変更)
携行品が同じ量や重さでも、背中に背負うだけで疲れやすくなります。
前傾姿勢のロードバイクでは、重さが肩・首・腰に乗る事で体力が削られがちです。
まずは、サドルバッグ(サドルの下の小型バッグ)にパンク修理キットを移すだけでも効果があります。
次に、補給食やスマホはトップチューブバッグ(フレーム上の小物入れ)へ。
バックパックからそれらバッグ類に携行品を移し替えるだけで、空気抵抗を軽減でき体が痛くなりにくくなる為、後半の疲れ方が変わります。
工具は「使う分だけ」に厳選する
便利そうに見える多機能ツール(マルチツール)は、機能が増えるほど重くなります。大切なのは「多い事」より「自分の自転車に必要なネジを回せる事」です。
たとえば六角レンチ(六角形の穴のネジを回す工具)が必要なら、サイズが合うものが入っているマルチツールを1つ持てば十分なことが多いです。
同じ役割の工具を複数持たないだけで、意外と荷物が減ります。
出発前日に、自転車の各部を軽く確認して「どの形のネジがあるか」だけ把握しておくと、削りやすくなります。
補給(食べ物・飲み物)は「持つ」より「買う」前提にする
サイクルボトルや補給食は、用意するほど確実に重くなります。特にドリンクは重量があり、ボトルが1本増えると600グラムから800グラムの重量増になります。
ルート上にコンビニがあるなら、「30kmごとに補給」などの目安を作り、サイクルボトル1本のみ携行します。
補給食も、全部を最初から持つのではなく、コンビニまでの区間で補給する物と“緊急用の補給食”(例:エネルギージェルや羊羹など小さく高カロリーな物)を携行し、あとは使った分を現地で買い足すと携行品が増えにくくなります。
“軽い=正解”ではない:自分の不安と経験に合わせて最適化する
軽量化は効果が大きい一方で、「削りすぎる」とメカトラブル発生時に一気に詰みます。
例えば、予備チューブはあるのに空気を入れる手段(携帯ポンプやCO2)がない、現金もカードもなくて帰宅手段がない、ライトを外して出発したら日没に間に合わない——こうなると、良くしようとするつもりが逆に不安とリスクを抱えてしまいます。
大切なのは、“自分が安心してサイクリングできる最小”を作る事です。
初心者の内は、
・パンク修理の基本セット
・スマホ+モバイルバッテリー+現金とカード
・前後ライト
といった「帰れる携行品や装備」を重視すると良いです。
そして、ライド後に「結局使わなかった物」「逆に困った事」をメモし、何度かサイクリングを重ねて傾向が掴めたら1つだけ減らす(または入れ替える)。
この繰り返しが、「失敗しにくい最適化」です。
軽くする事を目的にせず、“安全と安心を残しながら、結果として軽くなる”状態を目指すと、ロングライドはもっと楽になります。
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