ロードバイクに劣らない性能のクロスバイクはあるの?
クロスバイクの価格帯はロードバイクより低いですので、ロードバイクより劣っていそうですよね。
方向性が違う2台のクロスバイクを紹介。
エントリーバイクからハイエンドバイクまでの加速性能を検証。
中価格帯以上のクロスバイクの購入を検討している人
中価格帯から高価格帯までのクロスバイクについてまとめました。
この記事を読んで、欲しいクロスバイクを見つけましょう。
それでは、どうぞ。
目次
本記事の要約
クロスバイクだから安物と言う訳ではなく車体価格に比例して品質が良くなりますが、車体価格が高くなる程盗難リスクが高まります。
クロスバイクでも走行性能を重視している車体と快適性能を重視している車体があります。
同じタイヤを履いた条件で加速性能をシミュレーションした所、エントリーバイクからハイエンドバイクまでほとんど同じ計算結果になりました。
クロスバイクについて
クロスバイクもロードバイクと同じく、車体価格に比例してグレードが上がります。
クロスバイクも車体価格に比例する
クロスバイクはロードバイクより安いイメージがありますが、中間グレードやハイエンドのクロスバイクも存在します。
エントリーグレードのクロスバイクはコンポーネントも下位モデルが採用されていますが、車体価格に比例してコンポーネントのグレードも中間グレードや上位グレードの物が採用されています。
クロスバイクだから安物という訳ではなく、車体価格が安いから安いパーツが採用されているだけですので、同価格帯でしたらロードバイクと比較しても見劣りしません。
シフターだけはフラットバーハンドル用
クロスバイクはドロップハンドルではありませんので、シフターはフラットバーハンドル用の物が取り付けられています。
この点がロードバイクと大きく違う所ですので、浅い前傾姿勢で走りたい人には最適です。
また、ハンドル幅が広いですので、低速走行時のコーナリングも安定します。
盗難リスクはロードバイクと同じ
盗難リスクはロードバイクもクロスバイクも同じですので、クロスバイクを日常の足として使う時には盗難されない様にワイヤーロックで自転車と固定物にアースロックしましょう。
また、ワイヤーロックでしっかり鍵を掛けたとしても長時間自転車から離れますとワイヤーロックを切断されて盗まれる危険性が高くなりますので、買い物する時に駐輪する際は短時間で用事を済ませる様にしましょう。
保管もアパートやマンションの駐輪場に停めておきますと例え頑丈なワイヤーロックを掛けたとしても盗まれてしまいますので、アパートやマンションに住んでいる人は自転車を室内保管しましょう。
また、一戸建て住宅に住んでいる人は外から見えない所に停めておきましょう。
おすすめの中価格帯から高価格帯のクロスバイク
ライダーの好みから性能の方向性が違う2台のクロスバイクを紹介します。
KhodaaBloom RAIL LIMITED
クロスバイクの中でも最軽量クラスで、軽快に走りたい人におすすめです。
15万円で買える軽量クロスバイク
15万円台で買えるクロスバイクの中では最軽量で車体重量7.8kgと8kgを切っています。
同価格帯でしたら、ロードバイクより軽量です。
フレームはアルミですが、フレーム重量は1350gとアルミフレームの割にはかなり軽いです。
フレームはトリプルバテット構造になっていて、応力が強く掛かる部分を肉厚にして応力が分散して小さくなる部分を薄くしていますので、より軽くなっています。
コンポはティアグラをメインに使用
コンポーネントはティアグラ4700シリーズを採用しています。
10速ですが、7速や8速と比べますとクロスレシオになっていますので、変速しても急にペダルが重くなりにくく、スムースな加速が楽しめます。
ハイエンドタイヤを採用
この価格帯でよく採用できたと思う程良い、ハイエンドタイヤを履いています。
Continental Grand Prix 5000は軽量なだけではなく、最大の特徴は低い転がり抵抗です。
エントリーグレードのタイヤとは違いよく進みますで、より速く走れます。
リムブレーキ仕様
車体の軽量化を追求していますので、ディスクブレーキは採用されていません。
代わりにVブレーキが採用されています。
雨天では制動距離が長くなりますので、雨天での速度の出し過ぎに注意しましょう。
加速の軽快さを重視する人におすすめ
このクロスバイクは軽いだけではなくタイヤも良い物を履いていますので、加速性能や巡行性能が高く、クロスバイクで軽快に走りたい人におすすめです。
TREK FX Sport 6
クロスバイクの中では高価格帯ですが、快適に走りたい人におすすめです。
30万円で買えるフルカーボンクロスバイク
30万円台とクロスバイクではかなり高いですが、内装ケーブル仕様のカーボンフレームが特徴のクロスバイクです。
重量は同価格帯のロードバイクより重いですが、ディスクブレーキを採用しています。
ディスクブレーキは雨天でもブレーキ性能が落ちず、路面は滑りますので過信は禁物ですがリムブレーキより安心してブレーキを掛けられます。
コンポーネントは105を採用しており、11速ですのでミドルグレードのロードバイクと同じシフトチェンジが楽しめます。
泥除けが取り付けられる
このクロスバイクは走りよりも快適性を重視していますので、泥除けが追加部品なしで装着可能です。
雨天走行ではタイヤから水が飛び散って体に当たりますが、泥除けが付いていますとお尻や背中が泥だらけにならず雨天でも快適に走れます。
振動吸収性が高く乗り心地がいい
車体価格30万円の内訳はここにあるのではないかと思う様な特徴的なフレーム構造になっています。
フレームのシートチューブとトップチューブ・シートステーが一体物になっておらず、分離されていてボルトで固定されています。
ですので、フレームからサドルに伝わる微振動も、固定部分の僅かな遊びで不快な振動を吸収してくれます。
タイヤが太めで乗り心地がいい
快適性を追求したクロスバイクですので、太めのタイヤが装着できます。
標準で700x32cのタイヤを履いていますが、泥除けを付けなければ700x35cのタイヤも装着可能です。
太いタイヤを履く事で細いタイヤよりタイヤの空気圧が低くなりますので、弾力性のあるタイヤが路面の振動をより吸収してくれます。
乗り心地を重視する人におすすめ
このクロスバイクは太いタイヤやフレームの材質や構造で振動を吸収する作りになっていますので、舗装が劣化した道でもより快適に走れます。
ですので、速さよりも乗り心地を重視する人におすすめです。
加速性能検証
振動吸収性は公開されているデータから推定する事ができませんが、加速性能はシミュレーションする事ができます。
そこで、上記で紹介した2台のクロスバイクと、参考としてエントリークロスバイク代表としてGIANT ESCAPE R3 の加速性能を検証しました。
加速時間計算フォームから、シミュレーションできます。
共通走行条件
平坦路
距離 1km(平坦路での加速時間計算の場合、当計算式に距離は関係ありません)
標高差 0m
身長 171cm
体重 61kg
停車時から29.0km/hまで加速
出力 180w
ハンドルバーポジション
共通走行条件から自転車重量とホイール外周重量とタイヤの条件を変えてシミュレーションします。
KhodaaBloom RAIL LIMITED
車体重量7.8kg
ホイール外周重量 1.55kg
タイヤ Continental Grand Prix 5000
転がり抵抗係数0.002999
TREK FX Sport 6
車体重量9.3kg
ホイール外周重量 1.91kg
タイヤ Bontrager R2 Hard-Case Lite 700x32c
タイヤのデータがありませんので Schwalbe Marathon Racer で検証
転がり抵抗係数0.006778
GIANT ESCAPE R3
車体重量 10.7kg
ホイール外周重量 2.33kg
タイヤ GIANT ESCAPE R TIRE 700x30c
タイヤのデータがありませんので Schwalbe Marathon Racer で検証
転がり抵抗係数0.006778
その結果
KhodaaBloom RAIL LIMITED 17.7秒 (22.3秒)
TREK FX Sport 6 23.1秒
GIANT ESCAPE R3 24.0秒
とKhodaaBloom RAIL LIMITEDの加速時間が17.7秒と大幅に短かくなりました。
そこで、転がり抵抗の値を揃えて再計算した所、TREK FX Sport 6より加速時間が0.8秒速い22.3秒の計算結果になりました。
ちなみに、180wで走行した時の巡航速度は
KhodaaBloom RAIL LIMITED 31.356km/h (29.980km/h)
TREK FX Sport 6 29.926km/h
GIANT ESCAPE R3 29.876km/h
とKhodaaBloom RAIL LIMITEDの速度がかなり速くなりました。
そこで、転がり抵抗の値を揃えて再計算した所、どちらもほとんど同じ速度になる計算結果になりました。
まとめ
クロスバイクだから安物と言う訳ではなく、クロスバイクも車体価格に比例して品質が良くなり、車体価格が高くなる程盗難リスクが高まる。
KhodaaBloom RAIL LIMITEDはロードバイクを含めて15万円で買えるスポーツサイクルの中でも最軽量のクロスバイクである。
TREK FX Sport 6は30万円と高価格帯だが、走行性能より快適性能を重視しているクロスバイクである。
加速性能は同じタイヤにして検証した所、どちらもほぼ同じ計算結果であったが、KhodaaBloom RAIL LIMITEDに採用されているタイヤがハイエンドタイヤなので、加速性能と巡航速度共に頭一つ抜けた性能が計算上確認できた。
クロスバイクはロードバイクより劣っている訳ではありませんので、クロスバイクが好きで予算が潤沢に用意できる人は、中価格帯から高価格帯のクロスバイクを選ぶ事をおすすめします。