ヒルクライムに挑戦し始めタイムを更新したいけど、効率的な練習方について考えた事はありませんか。
今回の記事は、ヒルクライムに有効な練習メニューについてまとめました。
パワーメーターを付けて、同じ運動強度で練習しましょう
休日は100km以上走って、筋持久力を向上させましょう
平日はローラー台で短時間効率的に練習しましょう
回復週を設け、継続して練習できる様にしましょう
ヒルクライムを始めだした初心者
休日と平日に行うヒルクライム向けの練習方法と、休養の大切さについてまとめました。
この記事を読んで、ヒルクライムのタイム更新に励みましょう。
それでは、どうぞ。
目次
ヒルクライム向け練習の考え方について

ヒルクライムは長時間走り続ける必要があり、またレースではほとんどの人が表彰台に上がるチャンスすらない為、レース展開についていく為の瞬発力は必要ありません。
ですので、一定時間走り続けられるギリギリの運動強度で練習する事が有効です。
また、ローラー台やヒルクライムだけの実走では筋持久力は付きづらいですので、練習時間が多く取れる休日に長距離を実走して筋持久力を向上させる事も有効です。
そして、練習を続けていく内に筋疲労が蓄積されていきますので、時には休養する事も大切です。
今はパワーメーターの時代

パワーメーターなしで練習はありえない
運動強度も「回復走」「持久走」「テンポ走」「SubLT」「LT」「VO2max」「無酸素運動」「神経筋パワー」と8種類ありますが、強度が上がるにつれてパワーメーターから出力される値が重要になってきます。
心拍計の数値で練習すると「無酸素運動」「神経筋パワー」は、メニュー終了直前か終了後に心拍数が遅れて上がっていきますので、練習中に心拍数を見ても意味がありません。
それがパワーメーターなら、ペダルを踏み込んだ直後から数値になって表示されます。
ヒルクライムで重要な長時間一定ペースで走る練習も、パワーメーターを使えば練習開始直後から数値を一定に保てばいいのです。
逆にパワーメーターなしで練習するのは、体重計に乗らずにダイエットする様なものです。
同じ速度で練習しても同じ運動強度は再現できない
実走練習をする場合、同じ道を走っても「風向き」「路面状況」が日々変わりますから、同じ速度でも自転車を漕ぐ力は変わります。
室内練習でも、「室温」でタイヤの転がり抵抗が変わりますので、室温が変われば同じ速度でローラーを回しても、自転車を漕ぐ力は変わります。
今までは主観的運動強度を感覚で感じ取って練習するしかありませんでしたが、今はパワーメーターという大変便利な機材があります。
実走練習で違う「道」「風向き」「路面状況」だろうが、室内練習で「室温」が変わろうが、パワーメーターから出力される数値は、それら練習環境を織り込んで表示されます。
ですので、例えば「250」の数値で年間通して練習したければ、その数値を一定に保ちながら練習していけば、いつでも同じ運動強度で練習できます。
安くはないが一番効果があるパーツ
ひと昔前は10万円以上していたパワーメーターも、今では5万円以下で買えるモデルも販売されています。
5万円以下といっても安くはなく、その金額を投資するならミドルグレードのアルミホイールが買えますが、例えホイールをアップグレードしても一時的に速くはなりますが、同じ機材でそれ以上速くなりません。
パワーメーターを買っても直接速くはなりませんが、パワーメーターを付けて効率的に練習する事でもっと速くなる可能性が十分にあります。
(2023/09/22 15:51:09時点 楽天市場調べ-詳細)
ANT+対応のサイクルコンピュータも必要
パワーメーターから出力される数値は、ANT+の無線規格で出力されます。
2,000円から3,000円ぐらいで販売されているサイクルコンピュータは、ホイールの回転数から計算できる数値しか表示できません。
ですが、2万円ぐらいの価格帯のサイクルコンピュータからGPSの位置情報や気温や標高を表示でき、その価格帯ならパワーメーターから出力される数値も表示できると思います。
サイクルコンピュータを購入する際は、ANT+に対応しているか確認してから購入しましょう。
(2023/09/21 17:00:51時点 楽天市場調べ-詳細)
心拍計でも代用できない訳ではないが…
5万円以下でも予算的に厳しいのでしたら、5,000円台で心拍計が買えます。
ヒルクライムなどの長時間一定強度の練習でしたら、室内練習に限って心拍計で代用はできない事はないです。
心拍数は、練習を始めてしばらく経ってから、運動強度に比例した数値を出力し始めます。
ですので、序盤は前日で練習した速度で走り、練習中盤から心拍数を見ながら運動強度を調整していけば、だいたい一定ペースで練習できます。
ただし、呼吸が穏やかな練習序盤と疲れてくる後半の心拍数では、同じ心拍数でも運動強度にズレが発生します。
実走の場合は、信号停止や下りで脚を止めた場合心拍数が落ちますので、心拍計を使った練習は難しいです。
本気で速くなりたいのでしたらパワーメーターを導入しましょう
休日は100km以上走る

ヒルクライムは、心肺機能だけでなく筋持久力も重要で、例え心肺機能に余裕があっても、脚が終わってしまったらペースダウンしてしまいます。
ペースダウンせずに最後まで安定して走り切る為には筋持久力を上げる必要があり、その対策として休日は100km以上の実走練習をしましょう。
練習コースに峠を含めれば、ヒルクライムの練習もできます。
パワーメーターを付けているのなら、1時間維持できる出力(以下FTP)を目標に走るとよいでしょう。
100km以上走るので4時間以上はかかると思いますが、実走ですので信号待ちもあれば峠でペダルを止める程急な下り坂もあります。
その脚を休ませている間に脚が復活しますので、FTP強度で走っても最後まで走り切れるはずです。
その強度で最後まで走り切れなかった場合は10w落として走り、最後まで走り切れたら次は10w上げて走り、練習を継続して強くなりましょう。
平日は練習時間が多く取れないのでローラー台で練習

少ない時間で練習するにはローラー台が最適
平日は仕事があり、実走では少ししか走れません。
また休日でも雨が降っていたら実走できません。
雨でも走れない事はないですが、特に寒い時期に冷たい雨にあたると風邪をひいてしまい練習できなくなりますので、本末転倒になります。
限られた少ない時間で効率的に練習するには、室内でのローラー台を使った練習がお勧めです。
ローラー台なら信号待ちも下り坂もありませんから、常に同じ運動強度で練習し続ける事ができます。
練習メニューは、20分2セットをヒルクライムの運動強度で行うと効果的です。
ヒルクライムが1時間だからといって、ローラー台でも同じ事を再現しようとしても毎日続ける事ができません。
でも20分2セットに分ける事で1時間の練習内容をだいたい再現できますし、1セットあたり20分でしたら続けられると思います。
(2023/09/21 17:00:51時点 楽天市場調べ-詳細)
室内練習は固定ローラー台がおすすめ
固定ローラーで練習するなら、負荷を重くしてヒルクライムの勾配を再現しましょう。
ヒルクライムの勾配を再現する事で、ケイデンスもヒルクライムしている時と同じになります。
重くなったペダルを回す事に慣れると、ヒルクライムで勾配がきつくなってもペダルを回し続けられます。
(2023/09/21 20:05:07時点 楽天市場調べ-詳細)
もし、三本ローラーしか持っていないのでしたら、ヒルクライム時と同じケイデンスで練習しましょう。
ただし実際には、平地で重いギヤをゆっくり回している事の再現ですので、ペダリングを止めてもすぐに失速せず、ヒルクライムの再現とは言えない練習になります。
扇風機で体を冷やしながら練習する
室内練習は、固定ローラーでも三本ローラーでも走行風がありません。
体に溜まった熱は、そのままだとなかなか放熱されませんので、走行風を扇風機で再現し体を冷やしながら練習しましょう。
(2023/09/22 15:51:09時点 楽天市場調べ-詳細)
扇風機を使っても、汗だくなります。
自転車に汗が落ちた場合は、練習後にふき取っておきましょう。
1週間に1回は筋トレで体幹を鍛える

体幹を鍛えていないとペダルを踏んだ時に姿勢が崩れ、せっかくペダルに加えた力が逃げてしまい、パワーロスの原因になってしまいます。
また疲労が溜まってくる中盤あたりから、体全体が筋疲労してフォームが乱れてきます。
ペダリング時のパワーロス軽減と安定したフォームで走られる様に、体幹トレーニングをしましょう。
体幹を鍛える程度で十分ですので、ガッツリ筋トレをする必要はありません。
1週間に1回で十分ですので、筋トレをしましょう。
筋トレは自転車の練習ほどきつくありませんので、長距離実走練習の翌日か平日の室内練習の中日に行うとよいでしょう。
メニューは
・ アブローラー または腹筋
・ スクワット
・ ランジ
・ デッドリフト
の4種類を各15回ずつ行い1セットとします。
それを4セット行いましょう。
メニューは30分程度で終わります。
アブローラーは膝を床に着いて行いますので、無理に膝を浮かして行う必要はありません。
(2023/09/22 10:16:52時点 楽天市場調べ-詳細)
「スクワット」「ランジ」「デッドリフト」については
宮澤崇史の理論で体を速くするプロのロードバイクトレーニング
P180~P185
に詳しく書かれています。
(2023/09/22 15:56:19時点 楽天市場調べ-詳細)
休養が重要

休むのも練習メニューのひとつ
練習で脚を酷使すると疲れが溜まってきて、翌日になっても練習を続けられるほど回復しなくなります。
練習は目標強度で行う必要がありますが、疲労が蓄積されると目標強度を維持する練習ができなくなります。
ですので、週に2回から3回は休養日にするか軽く走る程度にしましょう。
休養日を入れる事で、休養日明けの練習も目標強度を維持できます。
そして2週間か3週間練習しましたら、その後の1週間は休養か軽く走る程度にしましょう。
練習のし過ぎに注意
もしも1週間の回復週を入れずに練習し続けると、オーバートレーニングになり走れなくなります。
例えば、長距離実走練習を3日連続行うと、3日目にはいつもなら簡単に出せる速度も出せなくなります。
それがオーバーリーチです。
オーバーリーチ状態になった後に休養を入れれば、また目標強度で練習できる様になります。
ですが、無理してさらに走り続けるとオーバートレーニングになって、長期休養する事になってしまいます。
そうなると、練習で速く走れる様になるはずが逆に練習で遅くなってしまい、本末転倒な結果になってしまいます。
疲労困憊している時に練習してもメニューをこなせない
我々会社員は、いつも定時で帰宅できる訳ではありません。
残業が入って、疲れて帰宅する事もあります。
残業しても練習できる程度の疲労でしたら大丈夫ですが、疲労困憊している時に練習しても目標強度を維持できません。
そんな時は、練習を諦め休養しましょう。
まとめ
いつでも同じ運動強度で練習する為に、パワーメーターが必要。
休日は100km以上走って、筋持久力を向上させる。
平日は練習時間を多く取れないので、ローラー台で短時間効率的に練習する。
練習で疲れが溜まってきたら回復週を設け、継続して目標強度で練習できる様にする。
練習はきついですが継続して行いヒルクライムのタイムを更新しましょう。